「運命じゃない人」
久しぶりに映画を見ちゃったよ。最近まったく映画を見る気にならなくて、でもこの映画が評判がよいのは知っていたし友達からも面白いよってメールをもらっていて。
なんか決められた時間に映画館に行くのが面倒なのである。時間を守るのが苦手という自分の性格のせいなのだが。
土曜日はいつも昼過ぎまで寝ているくせに、洗濯したり掃除したりゴミを捨てたりでやたら忙しい。気がついたら目の前でバスが走り去ってしまって、このままでは上映時間に間に合わない。あきらめて別の作品を観ようと思って部屋に戻ってネットで時間の検索をしたのだが、見たい作品がほとんどなくて、あっても時間が合わないのだ。そう、映画ってなんでいつも観ようと思っても時間が合わないんだ!だから観に行かないんだよね。なんで、見ようと思った時に映画は始まらないのか?だから皆映画はシネコンにしか行かないんだよ。シネコンだったら大抵何かの映画は、その時にちょうど始まるわけだから行きやすいよね。
気を取り直して再度渋谷行きに挑戦し、何とか上映開始時間に滑り込んだ。狭い方のスクリーンになっているので立ち見になってしまう。
いやあ、面白かった。なにがどう面白かったと説明するのも野暮な面白さだ。宮田君という天然記念物みたいに真面目で要領の悪そうな男性がいて、彼を中心に5人の登場人物それぞれの視点で話がコロコロ展開するのだが、軸となっているのが彼なのがこの映画の成功した要因だと思う。
「おい、早く地球に住みなさい!」
物語の終盤、あまりの人の良さに、宮田君は親友の探偵、神田君にこう説教される。この神田君の言っている台詞の一つ一つが格言みたいで面白い。
「30過ぎたら出会いなんて文化祭もないんだし絶対にない!」
「電話番号をなめるな」
それを一つ一つ真に受ける宮田君。
5人の登場人物の視点と時制のずれをねらった演出は、誰もがタランティーノ的だって言うだろうけど、「間」が絶妙なんだ。
一見コワモテでカッコいいやくざが実は非常にせこくて哀愁がただよっているところも面白いね。
恋愛がどうのこうの、なんてことより私はこの宮田君&神田君コンビのいい味出し加減が気に入った。この二人のコンビの続編が見たい。
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