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« 第15回日本バレエフェスティバル | トップページ | 7/24ABT「ライモンダ」は…。 »

2005/08/12

ABTライモンダ7/24マチネ

2日間で3回もあのパステルカラー地獄のライモンダを観てしまうのだから我ながらアホだと思うのだが、やっぱりこのキャストだったら見逃すわけに行かない。

ライモンダ(ドリス伯爵の一人娘) : パロマ・ヘレーラ
ジャン・ド・ブリエンヌ (ライモンダの恋人) : ホセ・カレーニョ
アブデラフマン (サラセン人の騎士) : フリオ・ボッカ
アンリエット (ライモンダの友人) : ミスティー・コープランド
クレマンス (ライモンダの友人) : サラ・レーン
ベルナール (ライモンダの友人/吟遊詩人) : クレイグ・サルスティン
ベランジェ (ライモンダの友人/吟遊詩人) : カルロス・ロペス
シビル・ド・ドリス伯爵夫人 : ジェニファー・アレキサンダー
白い貴婦人 (ドリス家の守護者シュゴシャ) : アンナ・リセイカ
家令 : ギョーム・グラファン
サラセンの踊り : ルチアーナ・パリス ダニー・ティドウェル
スペインの踊り : カルメン・コレーラ ヴィタリー・クラウチェンカ
ハンガリーの踊り : カリン・エリス=ウェンツ ジーザス・パスター

マチネは、本当はABTのプリンシパルの中でも一番の貴公子マキシム・ベロセルコフスキーがジャンを踊るはずだったのに、金曜日のシンフォニエッタで怪我をしてしまったらしく、突然のキャスト変更となった。代役は、もともと出演する予定だったのにニーナが出演しなくなったことでキャンセルとなっていたホセ・カレーニョが復活。たしかに、ホセさまも貴公子ではある。

いやはやホセ様はいつ観てもノーブルで端正である。ただ、「ライモンダ」という演目は実は主人公の片方ジャンの役は極めてつまらないわけで、ただ貴公子に見えているのに残酷に恋のライバルを殺しちゃうって一点だけが変わっているくらいだ。3幕の結婚式シーンでは親の敵を取ったような勢いで踊りまくるけど、アブデラーマン殺しと結婚式以外は大して見せ場もない。いってみればホセ様の無駄遣いだ…。

タイトルロールのライモンダはというと、さすがにいろいろと派手なテクニック見せびらかしシーンもあるし1幕から色んな人にリフトされまくるし衣装だっていっぱい変わる。ところが、23日の日記にも書いたとおり、このアンナ・マリー・ホームズバージョンは、ライモンダがセクシーな異邦人に転びかけたり、宝石とか見てよろめいたりとかなりしょうもないお姉ちゃんという設定だ。
で、演じるのはパロマ・ヘレーラ。今回、パロマはめっちゃ調子が悪い。去年のMETで観た時などはとても精緻な踊りをする人という印象が強くて可愛らしく、好感をもてたのだが、とにかく来日公演では踊りが雑なのである。回転系は得意だし動きはすごく速いのだが上半身が揺らいじゃって、あまりきれいではない。1幕で言えば夢のシーンでのヴェールの扱いが乱暴なのだ。

というわけで、なんといってもこの日の儲け役はアブデラーマンのフリオ・ボッカおじさんだ。あのウルトラマンのように真っ赤な衣装と大げさな冠。マントは小柄な彼には大きすぎてまるでマントが踊っているみたい。それでも、登場した瞬間にすごいやつが出てきたって感じの禍禍しさと過剰なおやじフェロモンを撒き散らしていて強烈。目力がすごい。あの真剣すぎるまなざしで見つめられたらそれだけでくるくるくるくる…と永遠に回っちゃいそうだ。彼の熱烈な求愛によろっときて、思わず「はい」って言ってしまいそうになって母親にたしなめられるライモンダ。しぐさのひとつひとつに重みと威厳があるし、体は小さいのに動きはいちいちダイナミックだ。そう、もちろんこの日は、この人を観るためにチケットを取ったのである。そして見事彼は期待に応えてくれたのだった。

23日のへススが、すごく真面目で一途な甘い若造アブデラーマンなら、この日のフリオは、熱くてワイルドでひとみの中にメラメラと炎が燃えているような勇者って感じで、同じ役柄でこうも違うかと思った。もう年なはずなのに、ソロも跳躍が高くダイナミックで迫力があり、2幕ではライモンダを本当にさらっていってしまいそうな勢いだった。ジャンと激しく決闘して倒れ、死んで行くときでも、そのメラメラ視線を最後までライモンダから離さず、じりじりと彼女に向かって這いつくばりながら絶命した。あんなに愛を捧げてくれた男が、自分の恋人に殺されちゃうもんだから、そりゃもうショックというか死んで行くところの熱い瞳が一生頭から離れないでしょう。

というわけで、フリオ・ボッカの印象ばかり残って後はあまり頭に残らないようなライモンダでした。見せ場の結婚式でのヴァリエーションも、もちろんパロマはちゃんとこなしていたが、未だアブデラーマンの死から立ち直っていないって感じで、100%ハッピーではなさそうだ。

サラセンの踊りのダニー・ティドウェルの踊りは弾けていて、かつとても丁寧なパで、短いのに見ごたえがあり、もっと彼のダンスを観たい!って思いにさせられた。白の貴婦人アンナ・リセイカ。とても品がよく優雅な踊りをする人で、威厳も感じられて素敵だったと思う。ヘススのハンガリーは、まあ、振付自体があまり魅力的ではないので評価はできない。

ホセ様はノーブルで端正なだけに、突然この優しくて穏やかな貴公子が、別に悪いことをしていたわけでもない、単なる恋のライバルを残忍に内臓までぶちまけさせて殺しちゃうなんて。ギャップがすごい。羊の皮をかぶっていて実は悪いやつなのかもしれないので、ライモンダは結婚したあと気をつけたほうがいいのかもしれない。

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