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2005/05/02

「白鳥の湖」4月26日ソワレその1

まだ自分の中の気持ちの整理が全然ついていないんだけど、このあたりの公演について書かないと先に進めないので。
何回観に行ったか怖くて数えていなかったけど、半券とかキャスト表とか観る限りでは、22回は行っているようだ。でもキャスト表や半券がない日もあるんだよね。


4月26日19時開演。ザ・スワン/ザ・ストレンジャー:ジェイソン・パイパー、王子:クリストファー・マーニー、女王:ニコラ・トラナ。

組み合わせとしては一番気に入っているジェイソン・クリス組。(ホセ・クリス組はまた特別の素晴らしさがあるので別格)。この組み合わせで観た全8回も、東京で観るのは今日で最後である。ジェイソン・首藤は6回観ているので、実はそんなに回数が変わらないのだね。クリスの演技が観られるのは最後かと思うと悲しい…。

いつ観ても全身全霊で踊っているクリス王子。母親の期待にこたえようと一生懸命だ。ガールフレンドに出会ったときはニコニコととても嬉しそう。すごく初心な彼は、彼女にキスされて一瞬驚きながらやっぱり幸せそうで、気まずそうに唇をぬぐうもののウキウキしているのがわかる。母親に彼女を紹介して、「こんな女なんて冗談じゃない」って言われて憤然とする。女王は息子の目の前で、若い兵士たちの中から一人エスコートを選んで今夜のお供とする。母親の“女”としての姿を見せ付けられて表情を曇らせる王子。

オペラハウスのシーン。席が2階上手バルコニーだったので、ロイヤルボックスがすぐそばに。絶好の王子観察スポットだ。王子はいつでも母親が自分のことをどう思っているか、自分がいかに母の期待に応えられるかが最大の関心事である。ロイヤルボックスで、自分のガールフレンドのお行儀の悪さにとても居心地の悪そうな、困った表情をしておろおろする。「こんな女の子連れてきて本当にごめんなさい」って女王に謝っている。確かにガールフレンドの観劇態度は悪い。お菓子をボリボリ食べてエスコートばかりか女王にまで勧める。ばか笑いして女王に腕をぶつけてしまう。携帯電話を鳴らしちゃう。クライマックスでは腕をブンブン指揮者のように振り回す。ママを怒らせちゃった、どうしようとかわいそうなくらい慌てる王子。クリス王子はとにかく「ごめんなさい」と言っているばかりで、悲しそうな顔を見せるのが切ない。

暗い部屋で上着を脱ぎ捨て、一人で飲めない酒を飲む王子。部屋に入ってきた女王にすがりつくが、思いがけず拒絶されてしまい傷ついた表情。その悲しい思いをぶつけるように、王子は母を激しく抱く。「どうして、ぼくを拒絶するの?どうしてぼくを愛してくれないの。こんなにお母さんのことを愛しているのに」。どんなに激しく母を求めても応えてもらえず、母は彼の腕から逃れようとする。この二人の間に性的な匂いは薄く、ただただ母の愛を求めている姿が悲しい。「しゃんとしなさい」と女王に姿勢を正される王子の心は、暗闇に沈んでいく。 もともとは純粋で素直でイノセントな王子が、ここで初めて本当に絶望する。

(つづく)

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