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« マシュー・ボーン「白鳥の湖」4月6日 | トップページ | 「白鳥の湖」4月9日ソワレ »

2005/04/12

マシュー・ボーン「白鳥の湖」4月9日マチネ

というわけで「白鳥の湖」土日マチネ&ソワレ終了。本当に疲れた。自分のエネルギーを吸い取られたって感じだ。こんな生活を続けていたら自分自身が抜け殻になりそう。

4月9日13時。ザ・スワンがホセ・テイラード、王子がニール・ウェストモアランド。調子が悪いらしいと聞いていたホセだが、ちょっと驚くくらい良くなっていた。女王と息があっていない部分は散見されるものの、踊りがクラシカルで美しい。2幕のグラン・ジュテが高く、脚がすっと伸びていて気持ちよいほど開脚している。バランスもよくなっていて、片脚でプリエしながらもう片脚をア・ラ・ズゴンドするところのバランス時間も長くてびっくり。3幕のザ・ストレンジャー時のロシアの踊りの時に見せるピルエットが速く、軸がしっかりしていてきれいだった。たまにバランスを崩している以外は合格点といえる。腕がとても長い上、上半身がとても柔らかく、前方に倒した時にぺたんとしなやかに床に落ちている感じがいい。バリエーションの時の踊りは優雅でノーブルで素敵だった。 ちょっと痩せた感じ。

ホセのザ・スワンは大きくて、雄雄しくて、荒鷲のようだ。実際に大柄な長いわけだが、本物以上にひときわ大きく見える。彼には王子の憧れの対象たりえる風格と、父親のような大きな愛情を持っているようだ。寡黙で男らしく強い。他の白鳥たちに一目も二目も置かれていて尊敬されているリーダー。王子に対しては「黙ってオレについて来い」って感じだ。この作品では王子には父親がいない。その父親代わりの存在としてのザ・スワンというわけだ。

3幕のザ・ストレンジャー。ホセはラテン系の割にはフェロモン系ではないのだがクールでエキゾチックでちょっと怖そうでかっこいい。スワンと同じくすごく寡黙で、絶対に自分を安売りしない感じがモテ系のワルな感じでよいのでは。たまに見せる薄笑いが、独特の色気を感じさせてくれる。

4幕のザ・スワンは慟哭の表情がすごく哀しげでいいね。瀕死のはずなのに踊りがきれいでジャンプも高いのは彼の中に残っている風格がそれをさせるのではと思わせる。大きくて立派な白鳥が、小さ目の白鳥たちにかじられたり頭突きされたりして弱ってついには倒れていくところを観るのは悲しい。その死は、巨星墜つって感じだ。

さて、王子役のニールだが、1幕のところはあれれ、ちょっと調子悪いのかと思った。スワンクバーの後のソロがすこしもっさりとしていて若干雑。演技の方は相変わらずうまくて、すらりと背が高くハンサムで育ちが良いのにどこか歪んでいる感じが出ている。
2幕では今までの最初からエキセントリックな部分が消えて、夢見るように踊っているのがわかってきた。ニールは2幕4幕は幻想だと思って演じているとのことだが、確かに王子が死ぬ前に見た夢なのではないかと思わせる。甘く美しい夢で、その夢の中で王子はどんどんザ・スワンに恋していて、うっとりとその甘美な感情に浸っている。現実から完全に遊離している危うさが王子に漂っているところがこの人らしくて。コーダではザ・スワンの動きを模倣するかのように、同じように端正に大きく踊っていた。今まで夢に見てきた美しい白鳥が、本当に現れたという幻想に酔うように。

(続き)

3幕ニールはその壊れ方がさらにすごいことになっていた。3幕の登場のところから熱っぽく浮かれていて、現実が見えていないかのような様子。ストレンジャー登場のときには、彼を目で追いかけちゃって大変。嫉妬に心乱れた王子が銃を持って服装も髪も乱れまくりで出てきたときには、体をわなわなと震わせ、ぴくぴくと唇を動かしている。以前はもっと激しい怒りを感じたのに、今回は内に秘めた狂気で、静かに深く狂っていっている感じだ。

4幕では、体は大きいけど窮屈そうに立ちすくむパジャマ姿の彼はすっかり子供にかえっていた(友人弁)。そのまま、ラストのザ・スワンに抱かれる子供時代の王子の姿そのものと言ってもいい。ザ・スワンが死んでベッドの中に吸い込まれていった時、慟哭は魂の死へとつながり、抜け殻となって呆然とベッドの上にへたり込む王子は、とどめを刺される前に死んでいたも同然だった。ザ・スワンの死とともに王子の魂もこの世を去ってしまった。最後の白鳥の一撃は、彼をスワンとの再会へと導く黄泉の国の案内人の役割を果たしていたのだ。父親のように大きく翼を広げたザ・スワンに抱かれた王子は幸せそうだった。この2人の組み合わせが、一番幸せな結末と言ってもいいのではないだろうか。

ニコラ・トラナの女王は、熟年女性の色香を感じさせる。3幕の舞踏会では、スペインの踊りの時にエスコートの男性と奥へと消えて、しばらくしてから満ち足りた表情で戻ってくる。エスコートの男性はご丁寧にシャツの乱れを直しながらでてくるところから、舞踏会場の奥で何があったのかは明らかだ。まあエッチ。ニコラ女王は腕の使い方が本当に美しくて、気品がありなおかつ官能的だ。最初のうちは自分に主導権があると思ってザ・ストレンジャーと踊っているが、いつのまにか完全に彼に操られてしまっている、というところを的確に演じている。演技の方も素晴らしい。厳しいけど王子に間違いなく母親らしい愛情は持っているのがわかるのだ。

4回見たうちの一回目がこんな調子だと、これから先はどうなるのだろう。やばい。

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マシュー・ボーン」カテゴリの記事

コメント

今晩は、はじめまして。
ネットサーフィンで、ここにたどり着きました。
私も、スワンにはまってしまいました。
観劇レポ、楽しく読ませていただいております。これから、いろんなお話をしたいです。よろしくお願いいたします。

それから、いきなり質問なんですけど・・・
先日、ロンドン帰りの友人と「スワン」見に行きました。友人は、観客の静かさに驚いておりました。私にとっては、いつもと変わりない反応(けして悪くない)でしたが。
スタンディングだけでなく、名前を呼んだり・お花を投げたりって、日本の公演では見た事ありませんが、それって日本でやったら、ヒンシュクなのでしょうか?
最初から、長くなってしまいすみません。教えていただけたら幸いです。
では、これからもよろしくお願いいたします。

まさきさん、はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
白鳥中毒患者、結構たくさん出現していますね~文化村に搾取されまくりって感じです(苦笑)
ダンサーさんのインタビューとか読んでも、日本の観客は大人しいようですね。昨日などは1階はほとんど全員立っていて盛り上がってはいましたが。
お花は、土曜日のソワレでは投げている人はいました。でも片付けの都合上多分会場側はあまり積極的には勧めないと思うけど。名前呼んだりとかは、どんどんやっていいと思いますよ~昨日一昨日はそういう方もいたし(ホセコールとか)、これからどんどん盛り上がってくるんじゃないかと思います。
私もまだ後10回(!)くらい行く予定です。きっと会場でもすれ違っていますね。

はじめまして、みぎじょと申しますm(__)m
今回初めてバレエと言う物をスワンでデビューしたのです。
それはもう目からうろこと言うか、感動してしまって...
すっかり頭から離れず、寝ても覚めても頭の中でグルグルグルグル・・・・
私は2/23と4/9も観に行って、さらに4/16もチケット取ってしまいました~
前2回はホセだったので、ジェイソンが観れたらいいなぁと期待しつつ
もうワクワクで、地に足着いていない感じです。

ホセとても素敵だけど、確かにラテンのフェロモンは感じないかも!
思わず納得しちゃいましたよ。
なんとなく同じ公演日を観てると嬉しいです。
書きたいことはたくさんあるけど、止まらなくなりそうなので
今日はこの辺で止めておきますね(^▽^)

みきじょさま、はじめまして!
ようこそいらっしゃいました。
地に足がついていない感じ、よくわかります。社会復帰できていませんもの。胸をざわつかせるものがこの作品にはありますよね。ジェイソン&クリスのコンビも素晴らしいので、ぜひリピートしてくださいね。ホセもすごく素敵だけど。
私も16日はソワレに行く予定です!

こんばんは。
なおみさんも16日行かれるのですね♪
あ~でも私は13時(マチネでいいのかな?)なんです。
多分。これで見納めになってしまいそうなので
た~~~~~っぷり胸のザワザワを溜め込んで来たいと思う!
ところで今回の出演者でDVDは出ないのですかね?
出たら絶対買うのになぁ~(//∇//)
そうしたら暫く観れなくても、楽しく待ってられるのに!!
なんて考えてたりする毎日です...

韓流に興味湧かなかったけど、今はヨン様ファンの気持ちが分かるほどですよ~

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