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2005/04/23

まだまだ続く>4月17日「白鳥の湖」

金曜日はまたジェイソン&首藤だったのに、あまりにも疲れてオーチャードホールまで近づけなかった。お金がないって言うのもあるんだけど。でも行きたかったよ~。えーん。


では、17日続き行きます。

ザ・ストレンジャーは王子に対して容赦なく、ひときわ手荒く接する。それなのに、時々王子に身を預けるようにもたれかけたり、熱い視線を送ったりするものだから王子は激しく混乱する。天使と悪魔の二面性を同時に露にした存在に、さらにザ・スワンの姿が二重写しになる。王子には、愛、苦悩、誰にも理解されない孤独や悲しみ、母親に裏切られた気持ち、自己嫌悪…いろいろな感情がいっぺんに押し寄せてくるのが見える。ついに彼は母親に銃を向けるにいたるのだった。ガールフレンドが王子をかばって射殺され、引きずり出される王子の目に映ったのは母親と抱き合い、不敵にほくそえむザ・ストレンジャー。

ニールやクリスが演じた王子と違い、首藤の王子は狂気に陥ってからも服装の乱れが少なく折り目正しく、背筋がきちんと伸びていてしゃんとしてる。心の底からの苦しみにのた打ち回っている時ですら、ナルシスティックなまでに優雅で美しい。だからこそ、その千々に乱れ引き裂かれた脆い精神性が際立ってくる。怯えきった表情から、彼が静かに狂っているのがわかる。

4幕の精神病院のシーン。王子はなぜ自分がこんなところに連れて行かれたのか理解できていない。母親の姿を見て一瞬だけ喜んだのもつかの間(彼は明らかに母親に性的な感情を抱いているのだ)、彼の内に潜む、自分自身が生み出してしまった魔物が彼を苛む。ロボトミー手術を施されてふらふらとベッドへと歩いていく。ベッドの下から白鳥たちが出てきたのに気付いた彼が、混乱のうちに繰り広げるソロ。さすがザ・スワン役を経験しただけあって、白鳥の2幕の動きを模倣するところは力強いが、その踊りの中にまた様々な感情が混濁していくのが見える。王子らしい品を保ちながらも、隠し切れない優雅さのある柔軟な動きを見せながらも、彼は内なる悪魔と格闘している。ベッドの中から傷ついたザ・スワンが這い出てくる。駆け寄る王子。

(まだ続く)

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