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« 『ベルリン・フィルと子供たち』Rhythm is it! | トップページ | ゴールデングローブ賞授賞式 »

2005/02/06

ハンブルク・バレエ『ニジンスキー』2月3日

凄すぎるものを観てしまった。

ジョン・ノイマイヤー振付による、20世紀初頭の天才ダンサー/振付家ニジンスキーの生涯の物語。バレエ・リュスの団長ディアギレフの愛人となり、船上で出会った(グルーピーのはしりのような)ロモラと結婚したことで解雇され、29歳の時に踊ったのを最後に発狂して後半生は精神病院で過ごした男。本作は、最後の公演から自分の創造したキャラクターたちと前半生を振り返り、後半は狂気の世界に陥りながら世界の狂気を見つめるニジンスキーを描く。

イリ・ブベニチェクのニジンスキーは純粋ゆえの凄惨な狂気を感じさせて凄みがあった。男性的なのに危うい、こわれてしまいそうな感じ。リアブコの薔薇の精は艶やかで官能的、花びらをばらまいたかのように、むせ返るようだ。そして金髪の冷たい美貌のウルバン演じるディアギレフは黒いシルクハットが似合い、残酷で悪魔的な退廃美。牧神のパ・ド・トロワは妖しい。イリの双子の弟オットーは牧神のメイクが似合いすぎ。ポリカルポヴァのロモラの真っ赤なドレスと金髪が女優のような古典的な美を感じさせた。アンサンブルにいたるまで一人一人のダンサーのテクニックが高くて、恐ろしいほど。

戦争の狂気をニジンスキーの狂気に重ね合わせた2幕はあまりの凄まじさに圧倒された。狂っている人の頭の中はこんな風になっているのか、と。小柄でまるで子供のような服部有吉のスタニスラフ・ニジンスキー(とニジンスキーの内面の影)も凄かった。人間離れしたピュアな存在感があって、取り憑かれたように飛び回っている姿には驚かされた。ショスタコーヴィッチの音楽(シンフォニー11番)がぴたりと合っていて。病んだニジンスキーをロモラが橇に乗せて引きずっていき、彼を支えようとするが兵士たちに嘲笑される。そして夥しい死体の山。

この舞台って、情報量がものすごくて、1回観ただけでは自分の頭の中の容量が追いつかないというか、観なくてはならないものが多すぎて。本当にものすごいものを観たと言うか、言葉にはできない凄さでもどかしいくらい。
もうノイマイヤーはこの作品を封印してしまうというが、せめて映像ででももう一度観たい。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

なおみさま、トラバありがとうございますーー!

いやーまだ引きずってます。今年のNo.1はもうこれで確定でしょう。(早い?)

イリの日をご覧になられたようで下記の記述がすごくお気に入りです。頭の中で想像して楽しんでいますわ。

>>>イリ・ブベニチェクのニジンスキーは純粋ゆえの凄惨な狂気を感じさせて凄みがあった。男性的なのに危うい、こわれてしまいそうな感じ。
>>>リアブコの薔薇の精は艶やかで官能的、花びらをばらまいたかのように、むせ返るようだ。
>>>そして金髪の冷たい美貌のウルバン演じるディアギレフは黒いシルクハットが似合い、残酷で悪魔的な退廃美。

あーーーまたみたい。DVD出して、お願いNeumeierさま!
17日ソワレは私も行きます。皆さん大集合ですね。

こんにちは。「情報量がものすごくて、1回観ただけでは自分の頭の中の容量が追いつかない」とのお言葉に、まさにその通り!と思わず相槌を打ってしまいます。
翌日から知り合いを捕まえては、“すごかったんだよ!ねえ!!信じてよぉぉぉ!!!」と叫ぶしかないような舞台でした。私も終幕後、立ち上がれずに、しばらく座席で呆然としてましたっけ。どうやらニジンスキーの狂気に感染してしまったみたい。そして、いまだに感染中です。

Shevaさま、Shevaさまの詳しいレポートがすごく助けになりました。鮮やかに目の前に甦ってきます。私は勉強不足でニジンスキー作品をそんなに観ていないんですよ。シェヘラザードなどはまだ観たこともない。ただ、うちのダンナがショスタコーヴィッチ好きで11番も前から良く聴いていたから、それは本当に助けになったというか、2幕にはすごく集中してみることができました。イリのニジンスキー、危うい感じで8テクニックは勿論確かなんですが)よかったですよ。リアブゴも観たかった~。
ホント、DVDを出していただきたいですね、ノイマイヤー様。今だったらすごく売れると思います。

jokigenさん、そうなんです!すごい作品だというのはよくわかるんですが、そのすごさを表現する術がかいのです。ぼーぜんとしてしまって、一人で余韻に浸りながら帰ってしまいました。

でも17日には色んな人に会えそうでそれも楽しみ!

ABTの来日公演、東京公演は全日程分買ってしまいました。ばか。貧乏なのでB席がメーンですが。

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あまりの素晴らしさに、語るにどうすればよいか分からず。2/3、2/4の両日観るこ [続きを読む]

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