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« 『ボーン・スプレマシー』The Bourne Supremacy | トップページ | 明日から白鳥祭りだよ »

2005/02/15

東京バレエ団『ラ・シルフィード』2月13日

パリ・オペラ座の新エトワール、マチュー・ガニオ(私の周りでは通称蟹゛男と呼ばれている)が主人公ジェームズ役を演じた舞台。シルフィード(空気の精)は斎藤友佳里。

マチューは弱冠20歳で、両親とも名ダンサーというサラブレッド、かつ大変な容姿端麗。しかし、去年のルグリのグループ公演でで彼を観たとき、正直言って「これでエトワール?」って感じで(オーレリ・デュポンと「エスメラルダ」を踊ったのだが、ぐらついてた)今回チケットを取っていなかったけど、木村和夫さんがマッジ(邪悪な魔女)の役を演じると聞いて、急遽チケットを落札。

マチュー、頑張っていた。去年から相当成長した感じがする。手足が長くてきれいで、ほっそりしているから跳躍も軽やかで高い。足音は大きめだが。回転モノはまだちょっと弱いかも。細いので安定感がないように見えてしまうのかもしれない。足先とか手の先の動きが綺麗。5番での着地がとてもきれい。もちろん、大変容姿は美しいのだけど、顎が長めの上ちょっと口ぽかん、って感じのときが多かった気がした。ジェームズは結婚を目前に控えているのに、空気の精に魅せられて、最後にはすべてを失ってしまう間抜けな男性なのだが、いかにも世間知らずのお坊ちゃん然とした若いマチューに合っていたと思う。よく考えてみるとジェームズって情けない役だし、婚約者のいる相手を誘惑しちゃう妖精というキャラクターもどうよ、というストーリーなのだが、マチューがやると若さゆえの過ち、と感じられて許せる。タータンチェックのキルト衣装も似合っていた。

ユカリーシャはまさに空気の精みたいに本当に軽やかで、足音もまったくしなくて良かったと思う。長年この役を踊っているので、安定感はさすが。が、マチューの相手役には少々年を取りすぎている気がしてしまった。妖精とはいえ、かなり妖艶で流し目だしまくり、なのでイノセントな感じがしない。

実は最初にこの演目のチケットを買っていなかった理由として、ロマンティックチュチュは脚があまり見えないので好きじゃないからというのがあって、実際観てみても、脚が見えないのでつまらない、と感じてしまった。1幕に登場するタータンチェックの衣装はとても可愛い。群舞で男性も女性もみんなタータンチェックで、男性のキルトがひらりひらりとまくれあがるのも変わっていて面白い。(本来はキルトって下着を着けないもので、戦いの時に敵を威嚇するためにビローンとめくるらしいのだが)

婚約者エフィ役の井脇幸江さんはとても可憐かつ凛としていて、脚さばきもとても良かった。エフィにはシルフィードが見えていないので、恋人の心変わりの原因がわからないのが本当にかわいそうな感じ。
パ・ド・ドゥは長谷川千佳子さんと大嶋正樹さん。ふたりとも踊りがこなれていて良かった。特に女性のヴァリエーションは細かいパで踊りこなすのが大変だと思う。
あと(実はこれが目当てだった)マッジ役の木村和夫さん、最高だった。すごく役を楽しんでいるみたいで、老婆メイクなのにしっかり木村さんだとわかるのが笑えた。付け鼻、付け爪、長髪のカツラ。腰が曲がっているのに、回転がとても正確で美しいのがポイント。ラストの嘲笑がいい。

わりと東京バレエ団はコール・ド(群舞)が揃っていなくて足音がうるさいという印象があるのだが、今回は足音も気にならず、1幕のタータンチェック軍団の踊りは圧巻だったし(古川さん、中島さん、小出さんといった主役級のダンサーもまじっていた)、2幕のシルフィードたちもふわふわとした浮遊感があって揃っており、よかったと思う。ここはかなり多くの実力派ダンサーが退団してしまって、そうの薄さが気になっていたところだったが、心配するに及ばず、と思った。

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