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2005/01/16

新国立劇場『白鳥の湖』1/10

怒涛の連休の〆は新国立劇場での「白鳥の湖」(酒井はな&山本隆之主演)。同じ日にやるレニンググラード国立バレエの「白鳥」と迷ったんだけど、会場(だだっぴろくて「シカゴ」を観てからもう二度と行かないと思った)とチケット代が安いのでこちらにしてしまった。

で、この4日間でバレエ観劇3回のオールナイト飲み1回、前の日も新年会で終電帰り…というわけで疲れていたこともあり、なんとマヌケなことに開演時間を間違える。間違えていたことに気がついたときには、すでに開演時間が迫っているのにまだ家にいた!というわけで1幕1場を観ることができなかった。なんという愚か者。贔屓のダンサーの一人であるグレゴリー・バリノフ君を観ることができなかったよ。

はなさんの舞台を観るのは一昨年の「マノン」以来。良かった。一昨日にジリアン・マーフィのテクニシャンだけどデカイ白鳥を観ていたので、違いが際立っていた。とても繊細で儚げだが、上半身がしっかりしていて(ごついくらい)腕は細く筋肉質で意志を感じさせる。腕の表現力が素晴らしい。ホール・ド・ブラもきれいで、白鳥の“人間ではない、でも幻影ではなくてしっかり生きている”感じがした。あえて難を言えば、化粧が濃いこと。オリーブのモデルをやっていたくらいで美人なのに、その顔がわからないくらいキツいアイメイクで、オデットなのにどうよ、と思ってしまった。
オディールの彼女は一転、とても妖艶で力強く悪~いイメージ。コーダでは、さすがにジリアンほど回ってはいないけど、軸が一本通っていてまったくぶれない。

王子役の山本さんは、とにかく端正。この人はちょっと回転系が弱くてテニクック的にはもう少し頑張ってほしいところもあるが、ノーブルで美しく、素敵なのである。「白鳥の湖」の王子は基本的に情けなくて優柔不断、ダメダメでしかも根暗というカッコ悪い要素が強いのだが、山本さんは白鳥の王子にしてはカッコよすぎるくらい。新国立劇場の「白鳥」は王子が悪魔を倒すパターンなのでますます頼りがいがあるように見える。

ロットバルトの市川さん。体の線も踊りもきれいだけど、少し力強さに欠けるかも。それよりも、ヴィジュアル系のミュージシャンみたいな白塗りに黒紫の口紅(おちょぼ口)というメイクが強烈だった。2幕では長いラーメンパーマで笑ってしまいそうだった。一昨日観た牧版よりもロットバルトは戦うし活躍するしオデットをリフトするし、見ごたえはあると思う。道化役の吉本さん、私の中ではけっこう不安定なダンサーだったのだけど、今回はかなり頑張っていて、やや大げさな演技もアクセントになっていて好印象。

新国立劇場は群舞の美しさに定評があるが、今回もその長所は遺憾なく発揮されていた。特に4羽の小さな白鳥の踊りは一糸乱れずきびきびしていて可愛らしかった。ここは女性ダンサーがみんな背が高いので小さくないんだけど。

全体的に充実した舞台だと思うけど、音楽の演奏のテンポが遅いので1幕2場や3幕は少し退屈に思えるところも無きにしも非ず。3幕は他の版よりも長いから、もう少しテンポを速くして、と思ったが。

最近バレエを語りだすと長くなりすぎだわ。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

 新国立劇場の公演、うちのカミさんも観たかったみたいです。チケットが取れず、断念しましたが。
 で、我が家は本日「サウンド・オブ・ミュージック」日本公演へ。
 ご家族向けということで、かなりテンポアップした展開になっているので、驚きましたね。こんなにトントン話が進んでしまっていいのかと思うくらい。でも、今はこうでもしないと小さなお子様のみならず、いい年こいた大人でもダレてしまいますからね。困ったもんです。
 それにしても、男爵夫人とマックス・デトワイラーの二人が、映画以上に強烈に「ナチ協力者」として描かれているのにはびっくりしました。特に男爵夫人は「しかたなく」ナチとお付き合いするのでなく、「積極的に」協力しているように描かれております。これ、初演のときはどうだったのでしょうね。気になります。
 ちょっと面白かったのは、長女リーズルがロルフと初めてキスするシーン。映画ではロルフがリーズルを抱き寄せてキスするのですが、今回の芝居ではリーズルの方からキスしてました。これも時代の流れでありましょうか。
 ともあれ、久しぶりのミュージカル観劇、大満足でありました。できれば「プロデューサーズ」も観たいですねえ。

丸山さん、こんにちは!
私は「サウンド・オブ・ミュージック」は映画でしか観ていないので、舞台版のオリジナルがどうかはわからないのですが、ナチス協力者としてはっきりかかれているのは面白い趣向ですね。生の舞台ってやっぱり映画とは違った迫力があって面白いのでもっといろいろ観たいところです。歌もいい曲が揃っているわけだし。
「プロデューサーズ」はブロードウェイ史上チケットが最も入手しづらい舞台だったそうなので、日本に繰るとあっては見逃すわけには行かないと思いますよね。映画も面白いし。

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