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2004/12/20

アミューズCQNで『ヴィタール』

新しくできた渋谷の映画館アミューズCQNへ。CQNってまるでDQNみたいじゃない、なんて読めばいいんだろう。PICASSO347というビルの7階8階に位置している。とてもオシャレな建物で自分などが入るのには少し躊躇してしまうほど。おまけに映画館への入口が非常にわかりづらい。3階までエスカレーターで上がらないとエレベーターはないし、3台あるエレベーターのうち映画館に行くのは一台しかないので要注意。映画館そのものは開放感があって明るく、座席に段差があり落ち着いた色彩でいい感じ。女子お手洗いの洗面スペースが少なくて化粧直しがしづらいけど。新しい映画館だったらお手洗いまで気を使ってほしいもの。

さて、観たのは塚本晋也監督の新作『ヴィタール』塚本は実はDVDBOXを持っていたり、TOKYO FISTはアメリカ盤のDVDなんかも持っていたり。今回は解剖がテーマなだけに、医大の解剖実習シーンはグロ系苦手な自分はどうしようと思った。やっぱり自分は医者にはなれないなって。『オールドボーイ』の歯を折ったり舌を切るところは平気でも、自分と同じ人間が解体されていくところをみるのは不慣れで神経を逆なでさせられる。しかし解剖される人間と主人公の医大性とのつながりを見ていくと、どこか崇高なものすら感じられてくる。究極の肉体性と精神についての話だと思った。そしてこれはまた一種の凄絶な愛の形だと。

二つの世界を行き来して、現実ではどんどん抜け殻のようになっていく浅野忠信はいうまでもなく良い。そして今回のヒロイン二人も良かった。塚本の女性の好みというのは一貫しているな、と思うんだけど日本映画に出ているほかの女優たちとは違った個性を感じられる。死んだ恋人役の柄本奈美は牧阿佐美バレエ団のダンサー。(調べてみたら、私が今度観る予定のお正月のガラにも出演するらしい)バレリーナというのは、普通の俳優や女優と並べてもさらに細くて筋肉質できれいな体型をしているものだ。肉体性を伴っているということでは、今回の役にはうってつけだと思う。途中で披露するダンスは大島早紀子振付によるコンテンポラリー系のもので、砂の上で激しく体を投げ出す、非常に難易度の高いもの。クラシック中心のダンサーにとっては特に大変だろう。これだけ質の高い踊りなら、もう少し長く見せても良かったかもしれない。顔も目が大きくて可愛いし、これからまた映画に出演する機会があるかも。もう一人のKIKIは、いかにも塚本好みの美女で過去のヒロインを思わせる無機質でクールな感じがそそる。知的な医大生役にぴったり。

最近の日本映画は観念的なものが多いのでは、と思っていたけど塚本のように肉体を感じさせるものを観ると、ホッとする。ノイズの使い方とか交通事故の再現の仕方は相変わらずのパンクな塚本節。

パンフレットは内容は充実していたけど(撮影時のルポとか解剖学者との対談とか布施英利、宮台真司の評など盛りだくさん)1500円は高いでしょう。色のきれいな映画なのに写真はほとんどモノクロだし。装丁をあんなに立派にしなくていいから、せめて1000円以内に納めてほしい。さすがにこの値段では躊躇するのか、買っている人はほとんどいなかった。

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コメント

CQNはシネカノンと読むと思ってました。まだ行ったことのない劇場です。セカチューや冬ソナのアンチテーゼのような(ってどっちも見てませんが)純愛だと思いました。

shinoさんこんにちは。いつもblog拝読しています。
そうですね~やっぱりシネカノンか。同じ系列のCINE AMUSE EAST AND WESTよりずっと観やすくていい映画館だと思いました。まだ全部のスクリーンを制覇したわけじゃないんですが。
実は私もセカチュー観ていないんですよ。DVDがそろそろ出るので借りようとは思っていますが。純愛、たしかにね。自分の体の中身まで愛してほしいというのはたしかに純愛だし、ラストシーンの美しさには涙が出ましたね。解剖というモチーフを使っている割には、今までの塚本作品の中でも一番わかりやすく優しい内容なのかと思いました。

アミューズCQNは「アミューズ・シー・キュー・エヌ」と読むんだそうです。
「ヴィタール」は新宿のK's cinemaでも上映していますが、こちらもすごくきれいな映画館ですよ。

美果さん、はじめまして!&ありがとうございます。
シー・キュー・エヌですか。振り仮名ふってもらうとありがたかったです(でもそう読めますね。。。すみません)
K's cinema、とても綺麗そうなのでぜひ行ってみたいのですが。作品も観たいのをやっている割に、なかなか新宿に行く機会がなくて。そういえばポレポレになってから東中野にも行っていませんでした。

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