東京国際映画祭28日、29日
東京国際映画祭が終了。そんなにたくさん観に行ったわけじゃないのに、すんごく疲れた。
木曜日は韓国インディペンデント映画「可能なる変化たち」。30代半ばの二人の男が自分たちの人生を見直すべく、新しい恋に生きようという話。主演の片方は「ロードムービー」の元証券マン役の人(チョン・チャン)、そしてもう一人は「魚と寝る女」の主人公の人(キム・ユソク)である。これが一作目という監督は、ホン・サンスの助監督を務めていたとのことで、長廻しなどホン・サンスっぽい部分が随所にあるのだが、違うのはホン・サンスと違って笑えないこと。そしてテンポも悪い。主人公二人の焦燥感とか、現状に合わせて生きていくことのできない不器用さはよく感じられるものの、俳優が熱演すればするほど空回り。ベッドシーンが多いが、それらにより殺伐とした気持ちにさせられてしまった。編集が下手なのかな、という気がする。アジア映画賞を受賞したらしいがもっといい映画はあったのでは?
金曜日はヴァージンシネマズ六本木でインド映画「何かが起きている」原題「Kuch Kuch Hota Hai」でインド映画ファンの間ではけっこう有名だった作品なのだが、映画祭の公式サイトに原題が載っていないので気がつかなかった人も。そして、上映時間が3時間の映画なのに、上映開始が20時50分、休憩20分ありということで、最後まで観ていたら終電に間に合わない。泣く泣く、終了20分前に退席する羽目に。もう少し上映開始時間のこと、考えてほしいよ。クライマックス前で帰らなければならないことのなんと切ないことか。
映画は、妻を亡くした男が、その遺言で大学時代の共通の親友だった女の子の名前を娘につける。もちろん(!)その女の子は彼に片想いをしている。忘れ形見の娘は8歳になったときに亡き母の手紙を読んで、この女性を探し当てる、というお話。インド娯楽映画の王道という感じで、出演もシャー・ルク・カーン、カージョル、ヒロインの婚約者役で(インドのニコラス・ケイジこと)サルマン・カーン。脇役も他の作品で観た人たちばかりのオールスターキャストだ。前半は主人公たちの大学時代の話が中心で、インド人なのにアメリカンなカジュアルを着ていてちょっと笑える。ショートカットでボーイッシュなカージョルがかわいい。後半でサリー姿のすっかり女っぽく変身した姿も見られる。3画関係あり笑いあり涙ありで、クオリティは高い。それだけに最後まで観られなかったのが残念。インド映画の映画祭上映といえば、例年はインド人の方もたくさん来られるのに、今日はその姿が見られなかったのも寂しい。
次の上映作「時に喜び、時に悲しみ」も素晴らしい作品だと聞いていた。深夜上映だと観られる人が少ないので本当にもったいない…。もう少し体調がよければオールナイトで観るところだったけど。
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