「エイプリルの七面鳥」とカダフィ大佐
今度とある週刊誌に映画評を不定期ながら(しかもペンネームで)書かせてもらうことになり、僭越ながら「エイプリルの七面鳥」を拝見。
実は観る前はそれほど期待していなかった作品だったのだが(だってル・シネマだし結末が想像できる作品だし)、思いがけず非常に良かった。
ヒロインはケイティ・ホームズ。「ドーソンズ・クリーク」などのアイドルからちょっと脱皮して、タトゥーとか入れている、家族に嫌われている女の子の役。でも、もうすぐ死んでしまうママのために、感謝祭の七面鳥を料理するため一生懸命になる。不器用そうだけど七面鳥にいろいろと詰め物をしているところを観ると、料理って楽しそうでいいなあ、と思った。彼女の住んでいるアパートの住民が、言葉が通じなかったり変人だったりで可笑しいし、ボーイフレンドもなぜかボコボコにされたり。
彼女の家族の方も、妹が思いっきりイヤなやつだったり、母親の方もこの不良娘に相当複雑な思いを持っていたりちょっとエキセントリックで、彼らの感情の襞が丁寧に描かれている。終わり方は想像どおりとはいえ、言葉に頼らない表現で処理の仕方がうまい。5000万円という低予算の映画だけど、80分という短い時間にコンパクトに濃くつまっていて、よい映画はビデオで観ても良いなあ、と思った次第。
とにかくアパートの住民が揃いも揃ってへんな、エキセントリックな人たちなんだけど、エキセントリックと言えばこんなニュース。
http://www.asahi.com/international/update/0928/014.html
カダフィ大佐の息子(その名もハンニバル)がパリのシャンゼリゼ通りをポルシェで140キロで逆走して捕まったけど外交官特権で無罪放免という話題。ひさしぶりにカダフィ大佐の名前を聞いた。最高指導者なのに大佐とはこれいかに、と思ったらエジプトのナセルを尊敬していて、その「大佐」という肩書きから「カダフィ大佐」と名乗ることになったとか。
カダフィ大佐の正式の肩書きは「社会主義人民リビア・アラブ・ジャマヒリア革命指導者」だそうで。社会主義国だったのか。 勉強になるわ。
カダフィ大佐の息子と言えばもう一人、サッカー選手がいて、リビアの石油会社がユベントスのスポンサーでそのおかげでユーベの役員をして、その後、サッカーやりたいってとペルージャで登録。なんかの試合に勝った時ときチームメイト一人一人に車プレゼントしたとか。リビアにいた頃、相手チームのサポーター銃撃したりいろいろとやってくれていたみたい。独裁者の息子って何でバカなのが相場なんだろう。
私も暇だな。
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