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2024/11/22

11/27 公開 映画「コール・ミー・ダンサー」主演、インド出身のダンサー、マニーシュ・チャウハンにインタビュー

11月29日より、傑作ドキュメンタリー映画『コール・ミー・ダンサー』が劇場公開されます。

https://callmedancer-movie.com/

ストリートから誕生した、遅咲きのインド人バレエダンサー・マニーシュが
数々の困難に立ち向かいながらも<ダンサーになる>という固い決意を胸に、
年齢、境遇に向き合いながら、プロを目指す可能性を諦めないで進み続けます。

ドラマチックな人生がNetflix「バレエ:未来への扉」として映画化、
その生き様にさらに深く迫り、世界の映画祭を席巻中の感動のドキュメンタリーがついに日本でも公開されます。

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(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

プロモーションのために来日したマニーシュ・チャウハンさんに、単独インタビューを行いました。

ご覧の通りとても明るくチャーミングなマニーシュさん、ダンスに対する愛や師匠であるイェフダさんへの思いなどをたっぷり語ってくださいました。

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「コール・ミー・ダンサー」は世界中の映画祭で上映され、また劇場公開されて大きな反響がありました。この映画に対する反響をどう感じていますか?

マニーシュ「おかげさまでこの映画は多くの映画祭やダンスフェスティバル、映画館でも公開されてきました。観客の反響も素晴らしいです。この映画がここまで観客の心を打つとは僕も思っていませんでした。スタンディングオベーションをたくさん受けて、日本に来る二日前にもサウスカロライナ州でのフェスティバルで上映されました。400人の観客がスタンディングオベーションで大きな拍手をしてくれました。一人のお年寄りがやってきました。彼はインドネシア出身だそうですが、映画を観て泣いていました。彼もダンサーになりたかったけど、様々な障壁があってなれなかった。ビジネスで成功していたけど本当はダンサーになりたかったし夢をあきらめなければよかったと言っていました。たくさんの絶賛評も出ました。そしてあるダンサーもシンシナティでの上映後僕を待っていてくれました。コロナ禍でダンスをやめてしまったけど、明日またクラスに行ってみようと思うと話してくれたのです。このような反響を聞いて、僕はとても嬉しく思いました」。

ドキュメンタリー映画の撮影は長期にわたりましたが、自分の生活を撮影されているのはどんな気持ちでしたか

「この映画の撮影には5年かかりました。途中で、Netflixの映画『バレエ:未来への扉』の撮影もあったのですが、こちらは大きなプロダクションなので、面倒を見てくれるスタッフの方もいて、メイクもしてくれるし撮影スケジュールも決まっていました。ドキュメンタリーにはそのようなことはないけれど、でもこの映画の中にいる人たちは本物で演技は一切なくて、そういうところが僕はいいと思いました。いつ撮影が終わるのか先が見えなくて、5年撮影をした後、編集に一年もかかりました。撮影した映像素材がたくさんあったからです」

「ドキュメンタリーを撮ると聞いてもちろん驚きましたが、嬉しかったです。でも最初これはYouTubeで公開される5分か10分の映像だったと思ったのです。僕なんかを対象にドキュメンタリー映画が撮影されるなんて夢にも思わなかった。だから実際に映画の撮影がうまく行って本当に感謝しています。プロモーションのために日本に行くこともできたのですから。想像もしなかった場所へ、この映画を撮ったことで行くことになったのですから幸運でした」。

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(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

<インドにクラシックバレエのカンパニーはありませんが、古典舞踊は8種類もあるなど、舞踊文化は盛んです>

ダンスを始めたきっかけについて教えてください。

「僕は最初はブレイクダンスを踊っていて、テレビのオーディション番組で賞をもらってダンス学校のスカラシップをもらったのですが、そこの学校ではバレエのクラスが必修でした。欧米ではバレエは女の子のものだと思われていますが、インドでは男性もダンスを踊るのが当たり前です。ダンス学校でバレエを観た時に、とても力強い踊りだと思いました。回転したりジャンプしたりするといったテクニックが僕も大好きだったのです。また、ブレイクダンスはストリートで踊るので危険なこともありますが、バレエはスタジオでやるので安全です。フリップができるなら、回転はもっと簡単だろう怪我もしないだろうと思いました。バレエは運動として高度なものであって、女の子だけのものではないと感じたのです」。

「ダンスはインドでは重要な文化です。バレエ団はないのですが、ボリウッドダンスもありますし、古典舞踊はなんと8種類もあるのですよ。インド古典舞踊の歴史はバレエよりも長いのです。インドでは州ごとに異なった民族舞踊があります。インドには様々な舞踊がありますが、バレエは入り込む余地がありませんでした。『バレエ:未来への扉』が公開されたときに、インタビューをした記者が、トウシューズで踊ったりしないのですか?と聞いてきたほどです。それからバレエとベリーダンスを混同した人もいました。君はベリーダンスを習っているのか?って」。

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 「実は子どもの時はダンスをしたいと思ったことはなかったのです。僕は絵を描くのが好きでした。勉強は得意ではなかったし、スポーツもしていませんでした。僕の家は貧しいので、学費を払うので精いっぱいで習い事をする余裕がなかったのです。通っていた学校はカトリックの学校なので合唱隊があり、その後少し校庭で踊るのですが、踊りたくないのでトイレに30分も隠れていたことがあったほどです。でも高校に行って、ちょっと目立ちたいと思っていました。そのときに映画を観て、バック転をする人を見て自分も目立つためにバック転ができるようになりたいと思いました。自分で練習してバック転ができるようになったらもっとできることを増やしたい、と思ってブレイクダンスを踊り始めたのです」

あなたはNetflixの『バレエ:未来への扉』での演技が評価されて、映画に出演しないか、というオファーもありました。もともとボリウッドの映画を観るのも好きでしたよね。でもボリウッドに入ろうとは思わなかったのですね。

「ボリウッドの映画は好きですが、自分自身がそれを踊りたいと思ったこともありませんでした。ボリウッドに入るにはお金持ちでないといけないと思っていたし、かなえられるはずのない夢でした。僕の両親は、ダンスは金持ちの子どものための趣味であって自分たちの子どもには関係ないことだし、夢を見過ぎたら勉強も将来も失ってしまうと言っていて、ダンスを習うことも許してもらえませんでした。父はタクシー運転手なので、僕は勉強してMBAを取って就職してオフィスで働けと言われていました。ダンスを学ぶことは選択肢の中にはなかったのです」。

「最初はダンスには興味がなかったのですが、踊るようになったときにとても幸せな気持ちになりました。18歳になるまで、何かをして幸せになることはなかったのです。そしてダンスを始めたら、奨学金をもらえるようになりました。学業においては学費を払わなければならず、ローンで学費を払っていました。ダンスでは奨学金をもらえたから、それが正しい道だとも感じていたのです。そして僕にとって、特に様々な国の人たちが客席にいるところで、様々な国から来たダンサーたちと踊るのは大きな夢となりました。ダンスを通してみんなが一つになるからです」。

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(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

家族の反対だけでなく、様々な障壁を乗り越えられたのはなぜですか?

「どんな世界にもたくさんの障壁があるのですが、戦ってみる価値があるし、やがてそんなに大きな障壁ではないと感じるようになりました。僕にはバレエシューズを買うお金もなくてそれを嘆いていました。バレエシューズなしで踊ることはできましたが、シューズなしではクラスに入れてもらえなかったのです。でも、イェフダのように僕を助けてくれる人がいました。彼は僕にご飯を食べさせてくれましたし、スポンサーを見つける手伝いもしてくれました。何かに対して一生懸命で情熱的であれば、 誰かが必ず助けてくれます。そして何か悪いことが起きても、もっといいことが起きるに違いない、と僕は楽天的に考えています」。

「インドで踊ったら観客はインド人しかいませんが、今の僕のようにニューヨークで踊ると、ステージの共演者でも観客でも、日本人や韓国人、いろんな人たちが舞台を共有していて一つになっています。とても幸せな気持ちになりますが、舞台に立つたびに、インドでダンスを学んでいた時のことを思い出します。たくさんの障壁がありましたし、ここまで来ることができるなんて夢にも思っていなかったからです。僕はワシントンD.C.のケネディセンターで踊り、しかもソロを踊ることができました。インドで、住むところがなくて地下室に住んでいた時のことを思い出しました。だから人生が動き出し、ダンスによってここまで僕は行くことができたということにとても感謝しています」。

<コンテンポラリーダンスには、独自の美しさがある>

イスラエルではコンテンポラリーダンスが盛んで素晴らしい振付家もいます。あなたはイスラエルでコンテンポラリーダンスに出会いましたが、いかがでしたか?

「僕はインドではコンテンポラリーダンスは学びませんでした。バレエが僕にとって最も美しい踊りでした。イスラエルに行ってダンスを観たら、醜かったり奇妙だったりしました。でも、このダンスは独自の美しさがありました。変な表情をしていたり、抽象的なことをしていたのですが、僕はそれに独特の美しさがあると感じました。今まで踊っていたものとは違っていて、違ったやり方で物語を語っていると思いました。イスラエルでは、ダンサーたちは動物的でした。ムーブメントが垂直ではなくて、もっとリアルで強い感じでした。感情をそこから見出すことができたのです。美しくあるだけでなく、アグレッシブになったり、悲しくなったり、様々なものを撮りだすことができました。バレエでは、とにかく非常に美しくなければなりません。でも、ここでは醜くてもいいのです。ダンスは自分自身を表現する素晴らしい方法だと思っています。醜くなることを恐れなくていいのです。自分の感情を内に秘めるのではなくて、表に出しています」。

イスラエルではどのような振付家と仕事をしましたか?

「僕はキブツ・コンテンポラリー・ダンス・カンパニーで、バットシェバ舞踊団のレパートリーをいくつか踊りました。キブツのレパートリーも踊りました。カンパニーの振付家の作品も踊りましたが、ニューヨークのプロのカンパニーのようにオハッド・ナハリンの作品も踊っていました。それからアルヴィン・エイリーの作品も踊ったり、様々な作品との出会いもありました。ガガももちろん学びました」。

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(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

<実は『くるみ割り人形』の王子を踊って、クラシックバレエの王子様も踊ることができたのです!>

映画の中であなたはクラシックバレエのダンサーにはなれないと言われていましたが、実際のところクラシックのテクニックも持っていらっしゃいますよね。

「僕の先生は僕はクラシックバレエ向きではないと言っていました。脚の柔軟性が足りなくて、バレエを始めたのも遅かったからです。僕は先生方を信頼しているので、その先生方にそのように言われたのは悲しかったです、でも去年、僕は今所属しているペリダンス・コンテンポラリー・ダンス・カンパニーで芸術監督のイガール・ペリが振り付けたクラシックの「くるみ割り人形」の王子役を踊ることができたのです。女性はトウシューズで踊る作品で、僕はパ・ド・ドゥも踊ったのですよ。この後イタリアはパレルモでのツアー公演があるのですが、ニューヨークに戻ったらまた12月の「くるみ割り人形」の準備に入ります。今年も王子を踊ります。だから結局クラシックバレエも踊ることができています。コンテンポラリーもクラシックも踊ることができるのは、自分が新鮮な気持ちを持ち続けられるので楽しいです。一つのことにこだわらず、何でも経験したいと思っています」。

「それに、このカンパニーは世界中からのダンサーが集まっています。僕はインド人で、ブラジル、韓国、イタリア、米国、カナダ、日本人の女性が2人と、幅広い国籍のダンサーがいます。イガール・ペリは日本でコンクールの審査員をしたり、サマースクールで教えたりしていて、日本のダンサーにスカラシップを贈呈もしています」。

先生のイェフダさんについて教えてください。映画の中でも、温かい人柄でとても素晴らしい教師として描かれていましたね。

「彼はとても寛大で愛に溢れています。そしてこの映画もとても気に入ってくれています。ニューヨークのリンカーンセンターのDance on Cameraフェスティバルで行われた米国プレミアにも来てくれて、映画の出来栄えもとても良いと言ってくれました。実際に撮影をしたのは67年前なので、彼は撮影したことも忘れていました()。「私はこんなに嫌な奴じゃないよ」「私はこんな人じゃないからここはカットして」と言っていましたが。撮影し始めた頃、彼はとても厳しい先生だったのですが、今ではずいぶん優しくなったと思います」。

「撮影するのに幸いしたのは、このドキュメンタリーの監督も元々はダンサーで、  しかもイェフダの教え子だったのです。だから、彼の生活についても撮影することが許されました。彼はココナッツみたいな人で、外側は堅いのですが、内側は柔らかく優しいのです」。

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(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

<イェフダ先生は本当の家族のよう>

彼が厳しすぎると言う生徒はいましたか?

「インドでは年長者は敬われているので、彼もとても尊敬されています。昔の教師は厳しかったです。生徒に対して厳しくて叫んでいるような教師は、生徒のことを思っているから厳しくしているとみんな考えていたのです。米国に初めて行ったときに、米国の先生はみんな優しいと思いました。ミスをしてしまっても、「大丈夫ですよ」と言います。イェフダだったら、ちゃんとできるまで何回も何回もやり直しをしなければなりません。でも僕は、厳しいことは大事だと思います。厳しくされることで正しいやり方を学ぶからです」。

「彼がインドに来たのは、年を取っていて、他の国で彼を雇ってくれるところはなかったからです。西洋では若い先生が求められていましたが、インドでは年長者が敬われているので、彼は仕事を得ることができました。だから彼はインドが大好きですし、彼にはたくさんの教え子がいて、彼らは彼の子どもたちのようです。イェフダは一人ぼっちでしたが、今はインドに自分の本物の家族がいるような感じになりました」。

ご家族はこの映画をご覧になりましたか?

「家族は英語があまり話せないのですが、インドの国内のフェスティバルでこの映画の上映会があったので、大きなバスをチャーターして観に来てくれました。家族だけでなく、村の人々がみんな観に来てくれたのです。字幕がついていなかったので、台詞の意味が分からないところもたくさんあったようで、他の観客に内容を聞いていました。そして自分たちが映画に映っているのを観て笑い、英語がわかる観客が映画の中のジョークを聞いて笑うとつられて笑っていました。その笑いの中に僕は愛を感じました」。

「あなたの息子は何をしているの、と親戚に聞かれても答えづらかったのが、僕を主人公にした映画ができたことで、彼らは僕をスターだと誇りに思ってくれるようになったのです。僕の家族はまだ誰もパスポートを持っていないので、まだアメリカで踊る僕を観たことはありません。家族の中で僕が最初にパスポートを持ったので、みんなにもパスポートを取るように言ったのですが、家族にはお金がないので、彼らはインドから離れることを考えたこともなかったのです。インドではバレエ団がないので、僕の公演を見せる機会もありませんでしたが、いつかカンパニーを連れてインドで公演ができればいい、これが僕の次の夢の一つです」。

コロナ禍の時にも、ロックダウンに遭って踊ることも人に会うこともできませんでしたよね。

「コロナ禍の時には僕はイェフダと過ごしていました。彼は年を取っていて助けが必要だったからです。僕の家族は皆一緒に住んでいましたが、イェフダは一人ぼっちだったのです。 彼はインドの言葉を話すことができなかったし、年を取っていて外に出られなかったので、僕が食べ物を用意したり世話をしたりしました。今まで彼が僕を助けてくれて多くのものを与えてくれたので、今度は僕が彼を助ける番だと思ったのです。僕の家族も、一緒に生活している自分たちより、一人暮らしのイェフダがあなたを必要としているから、彼のところに行ってやりなさい、と言っていました」。

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(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

<自分が今取り組んでいることを一生懸命やってほしい。そして夢の実現に至るまでの過程を大切にして>

アーティストとして、ダンサーとしてこれから何に挑戦したいですか?

「今はもちろんより良いダンサーになれるように頑張りたいです。過去に経験したブレイクダンスもまたやりたいと思うのですが、同時に映画を撮影することや、映像編集といったことも勉強し始めています。映像で物語ることも素晴らしいと思っていて、特にドキュメンタリー映画を撮影されてカメラと過ごす時間が長かったので映像に興味を持ちました。もちろんいまはできるだけ踊り続けて、その後は映画を勉強して、もしかしたら俳優にも挑戦したいと思っています」。

「踊れる時間は限られているので、今はダンスが最優先ですが、そのキャリアが終わったら振付家や教師も良いのですが、映像の中のダンスの振付家も良いと思っているし撮影についてもっと知りたいです。いろんなことを学べたらと思っています。また、インドに戻ってインドの若い人たちにダンスを教えることもできたらと思いますが、それはまだ先のことになると思います」。

「今までのことを振り返ってみると、それは旅路だったと感じています。今まで僕の前に立ちはだかった壁、犠牲、けがなどが僕という人間を作り上げてくれました。お客様がみんな拍手をしてくださった時に、一番良い経験はここに来るまでの過程だったと実感します。これから僕がどんな人になっていくのか、何が起こるのかはっわかりませんが、今僕に起きていることのすべてが、僕を成長させてくれると感じています」。

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(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

あなたの物語は日本の子どもたちにも大きなインスピレーションとなると思います。今日本の若者も、貧困など様々な問題を抱えていますが。その若い皆さんへのメッセージはありますか?

「自分が今取り組んでいることを一生懸命やってほしいと思います。そして夢の実現に至るまでの過程を大切にして時には楽しんでほしいと思います。成功をつかむにはいくつもの犠牲を払う必要がありました。僕は妹の結婚式に参列できませんでした。その日にケネディセンターでの舞台に立っていたからです。 インドの結婚式はとても長時間にわたる大切な行事です。この道を選んだため、大切な家族と過ごす時間、一緒にできなかったことがたくさんありました。だから犠牲を払うことはありますが、舞台で踊ってお客様から拍手をされることが、僕が一番大切にしていることなので、後悔はありません」。

マニーシュさんの好きなダンサーは誰ですか?

ミハイル・バリシニコフです。彼のように踊れるようになるのが夢ですね。彼は素晴らしすぎて、そこまですごく踊れるようにはならないと思いますが、目標です。あとはダニール・シムキンが憧れですね。ワディム・ムンタギロフも好きです。 いつか僕も日本の観客の前で踊る機会があったら嬉しいなと思います。ペリダンスのイガール・ペリに、日本ツアーはしないの?と聞いてみたいと思います。日本に来たのは今回が初めてですが、とても楽しく過ごしています!」

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『コール・ミー・ダンサー』

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1129() 新宿シネマカリテシネ・リーブル池袋 T・ジョイPRINCE品川 テアトル梅田 ほか全国公開

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出演:マニーシュ・チャウハン イェフダ・マオール
監督:レスリー・シャンパイン、ピップ・ギルモア

★予告動画URL

https://youtu.be/D-6j7pkk1Qw

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2024/06/12

韓国でパリ・オペラ座バレエのエトワールたちの公演、Ballet Gala of Etoiles in Paris 2024開催

7月20日~24日に韓国ソウルの芸術の殿堂オペラ劇場で、パリ・オペラ座バレエ団のエトワール(パク·セウン、オニール八菜、レオノール・ボラック、ヴァランティーヌ・コラサント、ポール・マルク、ギョーム・ディオップ)、ロクサーヌ・ストヤノフ、トマ・ドキール、ジェレミー・ルー・ケール、アントニオ・コンフォルティと所属ダンサー10人が出演する

パリ・オペラ座バレエ団エトワールガラ2024inソウル公演が開催されます。

https://www.sac.or.kr/site/eng/show/show_view?SN=66985

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予告編

日本からチケットを購入する場合には、Global Interparkが買いやすいと思います。

https://www.globalinterpark.com/en/product/24006769

 

Aプログラム l 720()21()

Delibe Suite Pas de deux ドリーブ組曲 パ··ドゥ

出演:ロクサーヌ·ストヤノフ、ギヨーム·ディオップ

振付ジョゼ·マルティネス 音楽:レオ·ドリーブ

 

Rhapsody Pas de deux ラプソディ パドドゥ

出演:パク·セウン、ジェレミー·ルー=ケール

振付:フレデリック·アシュトン

音楽:セルゲイ·ラフマニノフ

ピアノ:ソン·ジョンボムLive

 

Bedroom Pas de deux from Carmen カルメン 寝室 パ・ド・ドゥ

出演:オニール八菜、アントニオ·コンフォルティ

振付:ローラン·プティ 音楽:ジョルジュ·ビゼー

 

Diamonds Pas de deux from Jewels ジュエルズより「ダイヤモンド」

出演:ヴァランティーヌ·コラサント、トマ·ドキール

振付:ジョージ·バランシン 音楽:ピョートル·チャイコフスキー

 

Trois Gnossiennes 三つのグノシエンヌ

出演:レオノール ・ボラック、ギョーム ディオップ

振付:ハンス·ファン·マネン 音楽:エリック·サティ

ピアノ:ソン·ジョンボムLive

 

Bedroom Pas de deux from L'Histoire de Manon 「マノン」寝室のパ・ド・ドゥ

出演:パク·セウン、ポール·マルク

振付:ケネス·マクミラン 音楽:ジュール·マスネ

 

休憩

 

The Man I Love from Who Cares 「フー・ケアーズ?」より「私が愛した男」

出演:レオノール·ボラック、ジェレミー·ルー=ケール

振付:ジョージ·バランシン 音楽:ジョージ·ガーシュウィン

 

Pas de deux from Cendrillon Act 2 シンデレラ第2幕パ・ド・ドゥ

出演 :ロクサーヌ·ストヤノフ、アントニオ·コンフォルティ

振付:ルドルフ·ヌレエフ 音楽:セルゲイ·プロコフィエフ

 

The Vertiginous Thrill of Exactitude 精密の不安定なスリル

出演 : パク·セウン、ヴァランティーヌ·コラサント、オニール八菜、ポール·マルク、トマ·ドキール

振付:ウィリアム·フォーサイス 音楽:フランツ·シューベルト

 

プログラム l 7 月 23 ()24 ()

 

Pas de deux from Don Quixote Act 3 ドン·キホーテ3幕パ・ド·ドゥ

出演:ヴァランティーヌ·コラサント、ギヨーム·ディオップ

振付:ルドルフ·ヌレエフ 音楽:ルードヴィヒ·ミンクス

 

Pas de deux from Le Parc Act 3 「·パルク」3幕パ··ドゥ

出演:パク·セウン、ポール·マルク

振付:アンジュラン·プレルジョカージュ 音楽:ヴォルフガング·アマデウス·モーツァルト

 

Pas de deux from Signes 「シーニュ」パ・ド・ドゥ

出演:オニール八菜、アントニオ·コンフォルティ

振付:カロリン·カールソン 音楽:ルネ·オーブリー

 

Tchaikovsky Pas de deuxチャイコフスキー·パ・ド・ドゥ

出演:レオノール ボラック、トマ·ドキール

振付:ジョージ·バランシン 音楽:ピョートル·チャイコフスキー

 

A la manière de, pas de deux 『ボロディン風に』 パドドゥ

出演:ロクサーヌ·ストヤノフ、アントニオ·コンフォルティ

振付:ジャン·ギヨーム・バール 音楽:モーリス·ラヴェル

ピアノ: ソン·ジョンボム (Live)

 

La Mort du cygne 瀕死の白鳥

出演:パク·セウン

振付:ミハイル·フォーキン

音楽:カミーユ·サン=サンス

チェロ:ペク·スンヨン ピアノ:ソン·ジョンボム(Live)

 

Suite en Blanc 白の組曲

出演:ヴァランティーヌ·コラサント、ジェレミー·ルー=ケール

振付:セルジュ·リファール 音楽:エドゥアルド·ラロ

 

休憩

 

Black Swan Pas de trois from Le Lac des cygnes Act 3 『白鳥の湖』から3幕の黒鳥 パドトロワ

出演:パク·セウン、ポール·マルク、ジェレミー·ルー=ケール

振付:ルドルフ·ヌレエフ 音楽:ピョートル·チャイコフスキー

 

Mi Favorita ミ・ファヴォリータ

出演:レオノール ヴォラック、ロクサーヌ·ストヤノフ、オニール八菜、ギョーム·ディオップ、トマ·ドキール、アントニオ·コンフォルティ

振付:ジョゼ·マルティネス 音楽:ガエターノ·ドニゼッティ

 

主催者 エトワール・クラシックのホームページ

http://www.etoileclassic.com/

パリ・オペラ座のダンサーが、エトワール6人を含む10人が出演する、豪華なガラ公演です。特に今年2月の来日公演で活躍したダンサーが多く出演しており、またパリ・オペラ座ならではの演目もあったりと、見応えがありそうです。

来日公演『白鳥の湖』で素晴らしかったパク・セウンとポール・マルクのペアは、特に楽しみですね。芸術の殿堂オペラ劇場はとても立派でしかも見やすい劇場です。日本からのお客様もお待ちしているそうです。

2024/01/21

彩の国さいたま芸術劇場で、ノエ・スーリエ 『The Waves』公演とさいたまダンス・ラボラトリ

色々とバタバタしてしまい、しばらくブログ更新をお休みしていました。こちらではご無沙汰してしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。年頭、悲しい出来事もあり、なかなか新年を祝う気持ちになれないこともありましたが、前向きに頑張っていきましょう。

リニューアルオープンする彩の国さいたま芸術劇場では、ノエ・スーリエ 『The Waves』公演さいたまダンス・ラボラトリが3月に開催されます。

https://www.saf.or.jp/stages/detail/98247/

2020年よりフランスのアンジェ国立現代舞踊センターのディレクターを務め、ネザーランド・ダンス・シアター2(NDT2)の委嘱で振付を提供するなど、世界のダンス界で注目を集める振付家ノエ・スーリエ

大規模改修工事による約1年半の休館期間を経て、2024年3月にリニューアルオープンを迎える彩の国さいたま芸術劇場では、ダンス公演第1弾としてノエ・スーリエ振付による『The Waves』を上演します。

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 José Caldeira

『The Waves』はわたしたちの身体の記憶や知覚、その複雑に絡み合ったディテールを呼び覚まし、身体の表現に変換しようという試みです。

イギリスの作家ヴァージニア・ウルフが1931年に手掛けた長編小説『The Waves(波)』の一節を淡々と語る1人のパフォーマー。ウルフの小説の中で織りなされる男女6人のモノローグのように、6人のパフォーマーが多様なムーヴメントを緻密に重ねながら、響き合う。

作品を共に導くのは、ローザス作品に数多く参加してきた、現代音楽アンサンブル・イクトゥス。生演奏による打楽器の常に変容するリズムが、パフォーマーの緊張を高め、ムーヴメントと絶えず呼応しながら観る者の記憶を呼び覚ます、濃密なパフォーマンスです。

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イクトゥス(Ictus) ⓒ José Caldeira

2018年の初演以来ヨーロッパでのツアー公演を重ねている『The Waves』の日本初演。感覚が研ぎ澄まされる、新たなダンス体験となることでしょう。日本のダンス公演の殿堂ともいえる彩の国さいたま芸術劇場では、毎回目利きによる優れたダンス公演が行荒れています。与野本町まで足を運ぶ価値があること、間違いありません。

●舞台評
「身体が交差し、跳ね返り、散乱する。まるで原子が衝突するかのように、観る者の心をつかんで離さない、音と動きによる宇宙が生まれた」 ―Roslyn Sulcas(ニューヨーク・タイムズ紙/2018年)

「まるでコルク栓を抜かれたシャンパン、あっという間になくなるバッテリー、
投げ込まれるボーリングのボール。ダンサーのムーヴメントは空間に投げ出された 物体そのものであり、打ち寄せる波というよりも嵐の波に近い」 ―Rosita Boisseau(ル・モンド紙/2018年)

「『The Waves』もまた、ノエ・スーリエの豊饒な振付思考の一例である。悦びの波のような身振りの投げかけ」 ―Philippe Noisette(レ・アンロッキュプティブル誌/2018年)

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ノエ・スーリエ(Noé Soulier)ⓒ Wilfried Thierry-Cndc

1987年パリ生まれ。パリ国立高等音楽・舞踊学校やベルギーのP.A.R.T.S.でダンスを学び、ソルボンヌ大学で哲学の修士号を取得。2010年パリ市立劇場とミュゼ・ドゥ・ラ・ダンスが主催するダンスコンクール「ダンス・エラルジー」で最優秀賞を受賞。2020年よりアンジェ国立現代舞踊センター(Cndc-Angers)のディレクターを務める。ラン国立バレエ団、バレエ・ロレーヌ、L.A. Dance Project 、リヨン・オペラ座バレエ団、ネザーランド・ダンス・シアター2(NDT2)の委嘱で振付を提供するほか、劇場や美術館、書籍などにおいて身振りと身体経験との関係、ダンスへの様々なアプローチを探求する、今注目のアーティスト。

<公演概要>

ノエ・スーリエ『The Waves』

2024年329日(金)1900開演

    330日(土)1500開演

会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(JR与野本町駅より徒歩7分)

チケット料金(全席指定・税込):
一般5,000円(メンバーズ 4,500円)
U-25* 2,500円 *公演時25歳以下対象。入場時要身分証提示。 

●チケット取扱い・お問合せ
[Web] SAFオンラインチケット https://www.saf.or.jp/t/
[電話] SAFチケットセンター 0570-064-939
(月曜日・埼玉会館休館日を除く10:00~17:00)
(2024年1月4日(木)以降:月曜日を除く10:00~18:00)
*12月20日(水)~25日(月)、29日(金)~2024年1月3日(水):受付休止
[窓口] 彩の国さいたま芸術劇場(2024年1月4日(木)以降。月曜日を除く10:00~18:00)
埼玉会館(休館日を除く10:00~19:00)
○イープラス https://eplus.jp ○チケットぴあ https://t.pia.jp

また、彩の国さいたま芸術劇場では、「さいたまダンス・ラボラトリ」の第7弾を3月に開催します。ノエ・スーリエを講師/ナビゲーターに迎え、『The Waves』を素材に新たな振付法を見出していく6日間。本作の音楽を手掛け、演奏を務める現代音楽アンサンブル・イクトゥス2人、パフォーマーとして作品に関わる船矢祐美子と共に、スーリエの創作メソッドを体験します。最終日には公開リハーサルを予定しております。

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 Olivia Bee for Dance Reflections by Van Cleef & Arpels

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船矢祐美子(Yumiko Funaya)ⓒ Takao Iwasawa

また毎日のクラスでは、初回からさいたまダンス・ラボラトリのナビゲーターを務める湯浅永麻よりカウンターテクニックを学びます。

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湯浅永麻(Ema Yuasa)ⓒ 柘植伊佐夫

<開催日程>

2024年3月22日(金)~27日(水)
➀11:00~12:30 カウンターテクニッククラス(湯浅永麻)
<12:30~13:30 休憩>
②13:30~18:00『The Waves』を素材としたアトリエクラス―Action Training~新たな身振りとの出会い~(ノエ・スーリエ(3月25日(月)~)、船矢祐美子)
※3月27日(水)17:00~ 公開リハーサル(予定)

★3月29日(金)あるいは30日(土)のノエ・スーリエ『The Waves』(会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)の鑑賞もカリキュラムの一部となります(特別価格にてご案内いたします)。

<対象>

18歳以上35歳未満のダンス・舞台経験者、中級以上
※原則、全日程参加できる方。
※ダンス経験のジャンルは特に問いません。対象外の年齢の方は相談可。
※ノエ・スーリエのワークショップは英語で行われます(日本語通訳付)。

【参加費】25,000円(税込)

★応募締切:2月16日(金)

意欲溢れるダンサー、アーティストの皆さま、ぜひご応募を。今までさいたまダンスラボラトリの公開ショーイングを何回か拝見していますが、大変見ごたえのある力強いパフォーマンスで、観客として観てもとても面白かったです。素晴らしい学びの機会になるはずです。

さいたまダンス・ラボラトリ詳細、応募方法等はこちら

https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/90426/

<お問い合わせ先>

彩の国さいたま芸術劇場(舞踊担当)
Email: workshop@saf.or.jp 
Tel: 048-858-5506(毎週月曜日・12月28日~1月5日を除く10:00~18:00)

2023/07/14

ル・グラン・ガラ 2023 マチュー・ガニオとドロテ・ジルベールからの贈り物 2023年7月31日より開催

豪華絢爛な、美の饗宴!バレエの殿堂、パリ・オペラ座バレエトップダンサーたちによる特別公演「ル・グラン・ガラ 2023」が7月31日より開催されます。
http://le-grand-gala.com/

今年の夏は、久しぶりにバレエのガラ公演が多数開催され、バレエファンは嬉しい悲鳴を上げていますが、どの公演を観たら良いのか迷っている方も多いはず。素敵な公演、海外からのスターダンサーが出演する公演はたくさんありますが、 「ル・グラン・ガラ 2023」は中でも、極めつけの華やかなスターの数々、そしてパリ・オペラ座の今を伝える魅力的な演目で構成され、おすすめできる公演です。

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世界の頂点に燦然と輝くパリ・オペラ座バレエのなかでも、格別の人気と実力を誇るダンサーが集結し、フランス・バレエのエスプリを伝えるバレエ公演-それが『ル・グラン・ガラ』

2018年1月に開催した第1回公演では、マチュー・ガニオ、ドロテ・ジルベール、ユーゴ・マルシャン、ジェルマン・ルーヴェ、オニール八菜の5名が出演し、気鋭の振付家ジョルジオ・マンチーニによるワーグナーの優美かつ官能的な世界を描いた『トリスタンとイゾルデ』『ベーゼンドンク歌曲集』を日本初演し、バレエの新時代を切り開いた、と大きな話題になりました。

翌19年7月に開催した2回目の公演では、その5名に加え、レオノール・ポラック、アマンディーヌ・アルビッソン、オードリック・ベザールという人気ダンサー3名が参加し、クラシックの目くるめく美しいパ・ド・ドゥから新進気鋭のコンテンポラリーダンスまで、レパートリーが幅広いオペラ座ならではの演目を披露し、絶賛を博しました。

そして、4年ぶりの公演開催となる2023年。

円熟期を迎え、ますます演技や表現にも磨きがかかる麗しきエトワール、マチュー・ガニオとドロテ・ジルベールが座長となり、さらにオペラ座を代表するエトワール6人から未来のエトワールが期待される若手まで、出演者陣も充実しています。演目も、今のオペラ座を伝える、パリ・オペラ座ならではのヌレエフ作品からコンテンポラリー。新作、そしてドラマチック・バレエまで多岐にわたります。オペラ座で活躍しているピアニストの久山亮子さんが演奏する『ソナタ』(ラフマニノフ)、『三つのグノシェンヌ』(サティ)も楽しみです。

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出演者(パリ・オペラ座)

エトワール
 アマンディーヌ・アルビッソン
 レオノール・ポラック
 マチュー・ガニオ
 ドロテ・ジルベール
 ユーゴ・マルシャン
 リュドミラ・パリエロ
プルミエ・ダンスール
 オードリック・ベザール
スジェ
 トマ・ドキ―ル
 クララ・ムーセーニュ
 ビアンカ・スクダモア
コリフェ
 ニコラ・ディ・ヴィコ

特別出演

シュツットガルト・バレエ プリンシパル
 フリーデマン・フォーゲル

マチュー・ガニオからの動画メッセージ

パリ・オペラ座の首席エトワールとして円熟期にあるマチュー・ガニオは、ガラ公演での上演が滅多に許可されない『オネーギン』を、同作でエトワール任命となり、今やオペラ座を代表するエトワールとなったアマンディーヌ・アルビッソンと踊ります。やはりアーティストとして成熟して高い芸術性を持つドロテ・ジルベールは、名パートナーシップを築いている人気エトワールのユーゴ・マルシャンと、共に今年のブノワ賞にノミネートされた『マイヤーリング』(うたかたの恋)、『マノン』『ル・パルク』そして『赤と黒』とドラマティックな作品で共演。美脚とエレガンスで名高いリュドミラ・パリエロはその美しい脚と定評のある音楽性を存分に見せてくれる『カルメン』、マチュー・ガニオとの『ダイヤモンド』での純粋なクラシックでの輝きに期待が高まります。

日本では京都バレエ団の『ジゼル』でカール・パケットと共演して見事な演技を見せた、華のあるオーストラリア出身の若手ビアンカ・スクダモアは、『海賊』『サタネラ』(期待の若手トマ・ドキールと共演)『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』(オドリック・ベザールと共演)など、高度なテクニックを要する演目での活躍が楽しみです。コンテンポラリーが得意なレオノール・ボラックは、フリーデマン・フォーゲルと踊るマルコ・ゲッケの傑作『悪夢』が見もの。そしてアマンディーヌ・アルビッソンオドリック・ベザールの『椿姫』はきっと心をかき乱されるような名演になることでしょう。ヌレエフ版『白鳥の湖』では、アルビッソンが体現するパリ・オペラ座ならではの気高いオデット、長身のベザールとのパートナーシップが観られるはず。

また今回話題を呼んでいるのは、新星クララ・ムーセーニュ。日本人の母を持ち、まだ18歳ながらトップ入団を経て順調に昇進を重ねて現在スジェ。『ラ・バヤデール」の影の王国のソリストや『ジゼル』のドゥ・ウィリなど重要な役を踊り、正統派のフレンチスタイルを身に着け、ジュヌ・エスポワール賞やカルポー賞など若手に贈られる賞を受賞して絶好調です。カール・パケットが振り付けた子ども向け公演My First Swan Lakeでは、全幕でオデット、オディールを踊りました。昨年は横浜バレエフェスティバルやバレエ・アステラスでその才能を見せてくれました。今回は、やはり入団3年目の若手ニコラ・ディ・ヴィコと『ドン・キホーテ』『パリの炎』を踊って若さ弾けるテクニックを披露してくれるに違いありません。3月にプロモーションで来日した時に取材に立ち会いましたが、日本語を流ちょうに話し、輝く初々しさの中に聡明さが感じられて眩しかったです。

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昨年、クララ・ムーセーニュさんにインタビューをさせていただきました。ぜひお読みください!

https://ballenta.net/archives/182336

【Aプログラム】
7/31(月) 19:00開演
8/1(火)  13:30開演
8/2(水)  13:30開演

『ソナタ』
振付:ウヴェ・ショルツ  音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
レオノール・ボラック マチュー・ガニオ
ピアノ:久山亮子 チェロ:水野優也

『カルメン』
振付:ローラン・プティ  音楽:ジョルジュ・ビゼー
リュドミラ・パリエロ  オードリック・ベザール

『くるみ割り人形』
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー  音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アマンディーヌ・アルビッソン  フリーデマン・フォーゲル

『ル・パルク』
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ  音楽:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ドロテ・ジルベール  ユーゴ・マルシャン

『海賊』
振付:マリウス・プティパ  音楽:アドルフ・アダン
ビアンカ・スクダモア  トマ・ドキール

『ドン・キホーテ』
振付:マリウス・プティパ  音楽:レオン・ミンクス
クララ・ムーセーニュ ニコラ・ディ・ヴィコ

『3つのグノシエンヌ』
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:エリック・サティ
レオノール・ボラック フリーデマン・フォーゲル
ピアノ:久山亮子

『サタネラ』
振付:マリウス・プティパ 音楽:チェーザレ・プーニ
ビアンカ・スクダモア トマ・ドキール

『白鳥の湖』より第2幕 ★
振付:マリウス・プティパ  音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アマンディーヌ・アルビッソン オードリック・ベザール

『赤と黒』より寝室のパ・ド・ドゥ ★
~ラコットへのオマージュ~
振付:ピエール・ラコット  音楽:ジュール・マスネ
ドロテ・ジルベール ユーゴ・マルシャン

『ジュエルズ』より“ダイヤモンド” ★
振付:ジョージ・バランシン  音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・パリエロ マチュー・ガニオ

【Bプログラム】
8/2(水)  18:30開演
8/3(木)  18:30開演

『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
レオノール・ボラック トマ・ドキール

『マノン』より“寝室のパ・ド・ドゥ” ★
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ
リュドミラ・パリエロ  フリーデマン・フォーゲル

『オネーギン』
振付:ジョン・クランコ  音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アマンディーヌ・アルビッソン  マチュー・ガニオ

『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』
振付:ウィリアム・フォーサイス  音楽:トム・ウィレムス
ビアンカ・スクダモア  オードリック・ベザール

『うたかたの恋 マイヤーリング』
振付:ケネス・マクミラン  音楽:フランツ・リスト
ドロテ・ジルベール  ユーゴ・マルシャン

『パリの炎』
振付:ヴァシリー・ワイノーネン 音楽:ボリス・アサフィエフ
クララ・ムーセーニュ  ニコラ・ディ・ヴィコ

『ヴィヴァルディ・パ・ド・ドゥ』
振付:ジル・イゾアール  音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ
リュドミラ・パリエロ  マチュー・ガニオ

『椿姫』
振付:ジョン・ノイマイヤー  音楽:フレデリック・ショパン
アマンディーヌ・アルビッソン  オードリック・ベザール

『マノン』より“出会いのパ・ド・ドゥ”
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ
ドロテ・ジルベール  ユーゴ・マルシャン

『悪夢』
振付:マルコ・ゲッケ  音楽:キース・ジャレット、レディ・ガガ
レオノール・ボラック  フリーデマン・フォーゲル

『コンチェルト』
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ
ビアンカ・スクダモア トマ・ドキール

クララ・ムーセーニュをフィーチャーした予告編

チラシ画像(クリックで拡大します)

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公演日程
2023年7月31日(月)~8月3日(木)
7/31(月)  Aプロ 19:00開演
8/1(火)    Aプロ 13:30開演
8/2(水)    Aプロ 13:30開演 Bプロ 18:30開演
8/3(木)    Bプロ 18:30開演

会場
東京文化会館大ホール

チケット取扱

販売先 URL その他
TBSチケット https://tickets.tbs.co.jp/grandgala2023/
チケットスペース    
チケットスペースオンライン https://ticketspace.jp/top
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/grandgala2023/ Pコード:517-869
ローソンチケット https://l-tike.com/grandgala2023/ Lコード:35406
イープラス https://eplus.jp/grandgala2023/ Family Mart店舗
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650 (オペレーター対応)
https://www.t-bunka.jp/tickets/

お問合せ チケットスペース 03-3234-9999

主催・企画 TBS
企画協力 ベルチエ・アソシエイツ
特別協賛 株式会社エアウィーヴ

〇全国公演
【名古屋公演】
日時 7月30日(日)13:30開演
会場 愛知県芸術劇場大ホール
お問合せ CBCテレビ事業部 052-241-8118
公演詳細は下記をご覧ください。
https://hicbc.com/event/le-grand-gala2023/

【大阪公演】
日時 8月5日(土)17:00開演
会場 フェスティバルホール
お問合せ キョードーインフォメーション 0570-200-888
公演詳細は下記をご覧ください。
https://www.ktv.jp/event/legrandgala2023/

2022/12/06

『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23』、開幕は平野亮一主演「うたかたの恋―マイヤリング―」

英国ロイヤル・オペラ・ハウスで上演されたバレエとオペラの舞台を、特別映像を交えてスクリーンで体験できる「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンが2022年12月9日(金)~2023年9月28日(木)までの期間中、史上最大のスケールとなる全13演目を、各1週間限定にて全国公開することが決定しています。

http://tohotowa.co.jp/roh/

◆バレエ演目:①『うたかたの恋 ーマイヤリングー』、② 『ダイヤモンド・セレブレーション』、③『くるみ割り人形』、④『赤い薔薇ソースの伝説』、⑤『シンデレラ』、⑥『眠れる森の美女』

◆オペラ演目:①『蝶々夫人』、②『アイーダ』、③『ラ・ボエーム』、④『セビリアの理髪師』、⑤『トゥーランドット』、⑥『フィガロの結婚』、⑦『イル・トロヴァトーレ』

 

②ロイヤル・バレエ『うたかたの恋 ーマイヤリングー』:2022年12月16日(金) 

平野亮一、ナタリア・オシポワ、ラウラ・モレ―ラ、マリアネラ・ヌニェス、フランチェスカ・ヘイワード出演

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⑤ロイヤル・バレエ『ダイヤモンド・セレブレーション』:2023年2月17日(金) 

マリアネラ・ヌニェス、リース・クラーク、ワディム・ムンタギロフ、ジェームズ・ヘイ、マシュー・ボール、マルセリーノ・サンベ、高田茜、金子扶生、フランチェスカ・ヘイワード、ヤスミン・ナグディ、マヤラ・マグリ、ナタリア・オシポワ、スティーヴン・マックレー、アナ・ローズ・オサリヴァン、アレクサンダー・キャンベル、ウィリアム・ブレイスウェル他出演

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⑥ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』:2023年2月24日(金)

金子扶生、ウィリアム・ブレイスウェル、前田紗江、ジョセフ・シセンズ他出演

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⑦ロイヤル・バレエ『赤い薔薇ソースの伝説』:2023年3月24日(金)

マルセリーノ・サンベ、フランチェスカ・ヘイワード出演

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⑩ロイヤル・バレエ『シンデレラ』:2023年6月16日(金)

マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ出演予定

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 ⑫ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』:2023年8月25日(金)

ヤスミン・ナグディ、マシュー・ボール出演予定

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 <上映劇場>

*札幌シネマフロンティア(北海道)
*フォーラム仙台(宮城)
*TOHOシネマズ 日本橋(東京)
*イオンシネマ シアタス調布(東京)
*TOHOシネマズ 流山おおたかの森(千葉)
*TOHOシネマズ ららぽーと横浜(神奈川)
*ミッドランドスクエア シネマ(愛知)
*イオンシネマ 京都桂川(京都)
*大阪ステーションシティシネマ(大阪)
*TOHOシネマズ 西宮OS(兵庫)
*中洲大洋映画劇場(福岡)

<料金:一般¥3,700円 学生¥2,500円(税込)>

 
12月9日(金)より TOHOシネマズ 日本橋 ほか全国公開!

■公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/   

■配給:東宝東和

 

12月16日より公開される『うたかたの恋―マイヤリングー』につきましては、先日、試写を拝見しました。改めて感想を書きますね。平野亮一さんの鮮烈な大熱演、ナタリア・オシポワ、ラウラ・モレ―ラ、マリアネラ・ヌニェス、フランチェスカ・ヘイワードとプリンシパルが多数出演して、とてもドラマティックで暗い情熱が輝く、重厚で圧巻の舞台となっています。

 

シーズンラインナップ速報のチラシに、新シーズンの見どころをまとめた文章を寄稿しました。この紹介文をアップしますね。

 

英国ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズン、202223シーズンは、今までのシネマシーズンの中でも最も充実したラインアップとなった。202122シーズンはコロナ禍の影響もあり、バレエ作品は3作品のみだったが、新しいシーズンはバレエ6作品と倍増。『MJ The Musical』でトニー賞を受賞したばかりのクリストファー・ウィールドン振付、話題の世界初演作品『赤い薔薇ソースの伝説』や、平野亮一主演でプリンシパル5人出演の豪華キャスト『うたかたの恋』、英国ロイヤル・バレエのお家芸アシュトン作品ながら久しぶりの上演、新プロダクションとなる『シンデレラ』など、見逃せない舞台が盛りだくさん、ときめきが止まらない一年になる。

 

シネマシーズンの開幕は、ハプスブルク家、オーストリア皇太子にして皇妃エリザベートの息子ルドルフの心中事件を巨匠マクミランがバレエ化した『うたかたの恋』。シネマに主演するのは、英国ロイヤル・バレエきっての演技派ダンサーとなった平野亮一。ルドルフ皇太子役は多くの男性ダンサーが熱望する難役だが、平野は前回の演技が絶賛され、スコティッシュ・バレエにおいてもゲストでこの役を演じた。当代一のルドルフ役としての地位を確立して、世界が注目するシーズン初日、そして収録公演の主演に抜擢された。ナタリア・オシポワ、マリアネラ・ヌニェス、ラウラ・モレ―ラ、フランチェスカ・ヘイワードと英国ロイヤル・バレエを代表する綺羅星のような女性プリンシパルたちを相手に、死へと至る狂おしい愛欲の罠に堕ちた皇太子を演じる。英国ロイヤル・バレエならではの陰影に富んだ作品だが、唯一ルドルフを癒す存在としてお気に入りの御者ブラットフィッシュを、日本出身のアクリ瑠嘉が演じることにも注目したい。

 

「ダイヤモンド・セレブレーション」は英国ロイヤル・バレエのファン組織であるフレンズの60周年を記念してのミックス・プログラム。バレエ団の多様性を象徴する公演として、バラエティに富んだプログラムとなっている。『不思議の国のアリス』のクリストファー・ウィールドンが2006年に当時の4人のスーパースター男性ダンサー(アンヘル・コレ―ラ、ヨハン・コボー、イーサン・スティーフェル、ニコライ・ツィスカリーゼ)のために振り付けた「For Four」の英国ロイヤル・バレエ初演は、バレエ団を代表する男性ダンサー4人(ワディム・ムンタギロフ、マシュー・ボール、セザール・コラレス、マルセリーノ・サンベ)の競演となる。また、ファースト・ソリストのヴァレンティノ・ズケッティ、ヒップホップのジョセフ・トゥーンガ、そして米国で人気の振付家パム・タノウィッツのそれぞれの世界初演新作を上演する。「ダイヤモンド」のタイトルにふさわしく、ジョージ・バランシンの美しい『ジュエルズ』より古典的な輝きの名作『ダイヤモンド』もマリアネラ・ヌニェス、リース・クラークの麗しきペアの主演で上演される。

 

冬の風物詩、『くるみ割り人形』は今シーズンもやってくる。少女クララとハンス・ピーターが縦横無尽に活躍し、大きくなるクリスマスツリー、楽しいお菓子の国での各国の踊り、豪華絢爛な金平糖の精のパ・ド・ドゥとあらゆる『くるみ割り人形』の中でも決定版とされ愛されてきたサー・ピーター・ライト振付の名作。クリスマスの夢と魔法が詰まった、宝箱のような舞台で金平糖の精を演じるのは、シネマでの『眠れる森の美女』のオーロラ役で主演した後にプリンシパルに昇進して以来、輝かしい技術だけでなく、演技力にも磨きをかけてスターへの階段を駆け上った金子扶生。王子には人気上昇中の爽やかな新プリンシパル、ウィリアム・ブレイスウェル。クララ役には、有望な若手として注目を集めている前田紗江が、主要な役への出演としてはシネマに初めて登場する。

 

今シネマシーズン最大の話題は、クリストファー・ウィールドンの新作『赤い薔薇ソースの伝説』。『不思議の国のアリス』『冬物語』と英国ロイヤル・バレエで生まれた作品が今や世界中のバレエ団で人気作として上演されており、さらにブロードウェイミュージカルの『パリのアメリカ人』、そしてマイケル・ジャクソンの生涯を描いた『MJ The Musical』がトニー賞に輝いた ウィールドンが新たに送り出す新作は、メキシコの作家ラウラ・エスキバルの小説が原作。1992年に映画化され、日本でもミニシアターでヒットした。抑圧的な母親に恋愛を禁止されたティタは、姉と結婚した恋人ペドロへの熱い思いを込めて料理を作るが、料理を通して伝わった情熱が様々な出来事を巻き起こす。”マジック・リアリズム“と呼ばれる手法で奇想天外な物語が展開する。ヒロインのティタにフランチェスカ・ヘイワード、恋人ペドロにマルセリーノ・サンベ、姉にマヤラ・マグリ、母エレナにラウラ・モレ―ラ、医師ジョン・ブラウンにマシュー・ボール、さらにアナ=ローズ・オサリバン、セザール・コラレスと豪華なキャスト陣。英国の辛口な批評家たちにも、ウィールドンの巧みな作劇や魔法のようなビジュアルセンスが絶賛された。

 

英国ロイヤル・バレエの礎を築いた振付家、フレディック・アシュトンの代表作『シンデレラ』は今シーズン、初演から75周年を迎える。新国立劇場バレエ団のレパートリーとしても高い人気を誇り愛されてきた本作だが、英国ロイヤル・バレエでは、12年ぶりと久しぶりの上演となる。プロダクションを一新し、舞台美術には、メトロポリタン・オペラやナショナル・シアター、オーストラリア・バレエなどの作品でドラマティックな装置を手掛けてきたトム・パイを起用。英国ロイヤル・バレエの重要なアイデンティティをなす作品であるだけに、待望のリバイバルだ。男性ダンサーが女装して演じる義理の姉妹のコミカルな演技、きらめく星の精の踊りや光輝く馬車、プロコフィエフの魅惑的な音楽、心優しいシンデレラが幸福をつかむまでのドラマと魅力いっぱい。見どころ満載の珠玉の名作。

 

シーズンの締めくくりを飾るのは、クラシック・バレエの名作中の名作『眠れる森の美女』。第二次大戦後の1946年、英国ロイヤル・オペラ・ハウスに現在の英国ロイヤル・バレエが移転した時の最初の演目として上演された、バレエ団にとっては最も重要なグランド・バレエ。チャイコフスキーが振付家プティパの細かい指示に基づいて作曲した音楽は美しくドラマティック。100年の眠りを経て目覚めたオーロラの結婚式は、青い鳥や長靴を履いた猫、赤ずきんちゃんなどおとぎ話の主人公も駆けつけて、絢爛豪華そのもの。邪悪な妖精カラボスの活躍ぶりは、英国ロイヤル・バレエならではの演劇性の高さもあり、見ごたえ十分だ。

 

世界初演の話題の新作ドラマティック・バレエから、英国ロイヤル・バレエの十八番アシュトンやマクミラン作品、クラシック・バレエの決定版や現代作品まで、バラエティに富んだ魅力的な202223のシネマシーズン。世界トップクラスのスターダンサーたちから、日本出身の期待の若手ダンサーやプリンシパルまで、映画館がロンドン、コベントガーデンの英国ロイヤル・オペラ・ハウスとなって観客の皆様を待っている。

2022/11/21

ルグリの最後の舞台、スーパースター・ガラ2022 いよいよ今週末に開催

マニュエル・ルグリ、スヴェトラーナ・ザハロワ、マチュー・ガニオ、マニアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ、ナタリア・オシポワ……いまバレエ界に君臨する新旧のスーパースターが一堂に会する「スーパースター・ガラ2022」が今週末、11月24日(木)から開幕します。

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https://super-stars-gala.com/

海外からトップスターを集めたガラ公演が、コロナ禍によってなかなか実現が難しかった状況を乗り越えて、昨年夏の世界バレエフェスティバル以来の開催となります。何より注目されるのが、今回の公演で、パリ・オペラ座のエトワールの中のエトワールとして一時代を築いたマニュエル・ルグリが今回、舞台で踊るのが最後となるということ。パリ・オペラ座を引退後、ウィーン国立バレエの芸術監督、そして現在のミラノ・スカラ座バレエの芸術監督に就任した後も、日本の観客の前で美しく踊る姿を見せてきたルグリですが、今回が見納めとなります。

ルグリが踊るのは、パトリック・ド・バナがルグリのために振り付け、多くの舞台で披露されてきた名作「The Picture of…」の新バージョン。そして、パリ・オペラ座の同僚だったエレオノラ・アバニャートと共演し、元パリ・オペラ座のスジェにしてボリショイ・バレエにも作品を提供するなど注目されるシモーネ・ヴァラストロの日本初演作品「Árbakkinn」。ルグリの雄姿を胸に焼き付ける、見逃せない舞台となることでしょう。リハーサル映像も到着しており、期待が高まります。

パリ・オペラ座の首席エトワールとして、ますます充実してきたマチュー・ガニオは、Aプロでは母ドミニク・カルフーニやマイヤ・プリセツカヤによる名演が印象深いローラン・プティの香り高い名作『病める薔薇』、新国立劇場バレエ団に『ジゼル』を振り付けて絶賛を浴びたアラステア・マリオットによる佳品『月の光』、そしてプレルジョカージュの『ル・パルク』と日本で初めて披露する作品を踊り、その成熟ぶりを見せてくれることでしょう。

英国ロイヤル・バレエの至宝、輝かしいスターペアのマリアネラ・ヌニェスワディム・ムンタギロフは、『白鳥の湖』より黒鳥のパ・ド・ドゥ『ドン・キホーテ』『海賊』とクラシック・バレエの定番で会場を大いに沸かせてくれるはず。

また今やロイヤル・バレエを代表するバレリーナとなったナタリア・オシポワは、近年果敢に挑んでいるコンテンポラリー作品で、強靭な身体能力と、類まれな表現力、尖った個性でウェイン・マクレガーの傑作「ウルフ・ワークス」をマクレガーの申し子エドワード・ワトソンと、そして私生活でもパートナーの鬼才ジェイソン・キッテルバーガー振付作品「Ashes」を日本で初披露。さらにワトソンと、奇才アーサー・ピタの世界初演作品「Somebody Who Loves Me」を踊る予定で、これも見逃せません。

ロイヤル・バレエを引退後も、振付指導者として活動しながら、ダンサーとしても柔軟な肉体で唯一無二の個性を放ち続けるエドワード・ワトソンは、オシポワとの共演作のほか、今年の夏のロイヤル・バレエ・ガラで喝采を浴びたピタのユニークな「インポッシブル・ヒューマン」をもう一度見せてくれます。

長身と貴公子的なサポート技術の素晴らしさで、ロパートキナ、ザハロワなど数々の名バレリーナをマリインスキー・バレエで支えてきたダニ―ラ・コルスンツェフが、マリインスキーの同僚ダリア・パヴレンコと共に出演するのも嬉しいことです。『スパルタクス』、『シェヘラザード』と、今ではなかなか日本で生で観ることが難しいロシア・バレエの精髄を見せてくれることでしょう。スヴェトラーナ・ザハロワと踊る「ジュエルズ」より ダイヤモンドも至上の美を見せてくれるはずで、必見です。

新国立劇場バレエ団に『ライモンダ』でゲスト出演して高い評価を得たダリア・パヴレンコは、マリインスキーを退団後もフリーで活動し、2020年にはヴッパタール舞踊団にゲスト出演してピナ・バウシュ作品「青髭」「7つの大罪」を踊るという異色の経験もしており、今回はソロで『ルースカヤ』も踊ります。

 

先週末のパトリック・ド・バナ(本公演芸術監督)の来日に続き、日曜日には、先日まで『マイヤリング』に主演していたマチュー・ガニオも来日。まもなく夢の舞台の幕が開きます。

 

このたび、経済産業省による「イベント割」に「スーパースター・ガラ2022」の下記5公演が対象となることが決定いたしました。購入対象者の方のみ公演のチケットを20%オフにてご購入いただけます。
公演当日には新型コロナ「ワクチン接種証明/陰性検査結果」のご提示が必要となります。

〔日 程〕
11月24日(木)19:00開演 Aプログラム
11月25日(金)13:00開演 Aプログラム
11月26日(土)13:30開演 Aプログラム
11月26日(土)18:30開演 Bプログラム
11月27日(日)13:30開演 Bプログラム

〔出 演〕
マニュエル・ルグリ (元パリ・オペラ座バレエ団エトワール ミラノ・スカラ座バレエ団芸術監督)
マチュー・ガニオ (パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
スヴェトラーナ・ザハロワ (ボリショイ・バレエ プリンシパル)
マリアネラ・ヌニェス (英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
ワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
ナタリア・オシポワ (英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
エドワード・ワトソン (元英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
エレオノラ・アバニャート (元パリ・オペラ座バレエ団エトワール ローマ歌劇場バレエ団芸術監督)
ダニーラ・コルスンツェフ (元マリインスキー・バレエ プリンシパル)
ダリア・パヴレンコ (元マリインスキー・バレエ プリンシパル)
パトリック・ド・バナ (フリーランス・ダンサー、振付家 本公演芸術監督)
エレナ・マルティン (元スペイン国立バレエ団 プリンシパル)

〔会 場〕 
東京文化会館大ホール

〔料 金〕 全席指定・税込  
S席:19,000円
A席:17,000円
B席:14,000円
C席:10,000円
D席:6,000円


〔チケット取扱〕 

販売先 URL その他
TBSチケット https://tickets.tbs.co.jp/ssg2022/
ローソンチケット https://l-tike.com/superstarsgala/
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/super-stars-gala/
セブン-イレブン
Pコード:514-290
ローソン、ミニストップ店内Loppi
Lコード:34986
イープラス https://eplus.jp/superstars-gala/ Family Mart店舗
東京文化会館
チケットサービス
http://www.t-bunka.jp/ 03-5685-0650
(10:00~18:00 休館日を除く)

2022/08/31

K-BALLET Opto「プティ・コレクション」公開リハーサルレポート

9月30日、10月1日にKAAT(神奈川芸術劇場)で開催されるK-BALLET Opto「プティ・コレクション」の公開リハーサルが先日行われ、行ってきました。

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https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/22_opto_petit/

K-BALLET Optoは、K-BALLET COMPANY舞踊監督渡辺レイの指揮のもと、K-BALLETダンサーを基盤に、最高峰の振付家によるオリジナル作品や、他ジャンルとのコラボレーションなど、ダンスの魅力を多角的に捉えた作品で、ダンス界に新たな光(=Opto・オプト)を生み出し、より多くの方々に鮮烈なライブ体験をしていただく機会を提供するものです。

NDT1で活躍後、自らのダンスプロジェクトOptoを率いて活躍してきた渡辺レイが、その経験、知見をもとに熊川哲也と共に推進している企画です。

その第一回となる今回は、Petit Collection(プティ・コレクション) というタイトルになっています。今回上演するすべての作品タイトルにフランス語で「小さい/あどけなさ」を意味する“Petit(プティ)” が付されています。日本的な美意識であるかわいさが秘めもつ「美しさと強さ」をテーマに、Petit(プティ/かわいらしさ)が擁する「うつくしさ」という新たな側面にスポットライトを当てた作品を上演します。

公開リハーサルでは、上演される3作品のうち、メディ・ワレルスキー振付の「Petite Ceremonie(プティ・セレモニー)『“小さな儀式”〈アジア初演〉』」、渡辺レイ振付の「Petit Barroco(プティ・バロッコ)『“小さな真珠(ゆがんだ真珠)”〈世界初演〉』」が披露されました。

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NDTで活躍後、現在はカナダ、バンクーバーのバレエ・ブリティッシュ・コロンビアの芸術監督メディ・ワレルスキー振付の「Petite Ceremonie」は、2011年にジョージア国立バレエで初演されたのち、北米など様々なカンパニーで上演されてきた彼の代表作で。今回はアジア初演となります。

(ジョージア国立バレエにおけるPetit Ceremonie)

男女15人のダンサーが出演する作品で、舞台衣装は上のジョージア国立バレエでの映像のように、男性はタキシード、女性は黒いドレスとなるとのこと。前半はほぼ無音で、ダンサーたちは整ったフォーメーションを変えながら、途中でパ・ド・ドゥや男性二人(山本雅也、堀内將平)が競い合うように踊る場面などが挿入されていきます。グレゴワール・ランシエがジャグリングをしながら英語のセリフを話すシーンも。後半はたくさんの白い箱をダンサーたちが運び込み、ヴィヴァルディの『四季』の(冬)に合わせた激しい乱舞が繰り広げられます。スタイリッシュな官能性の中にユーモアもあり、今まで観たことがないK-Balletのダンサーたちの一面を観ることができます。ほかに成田紗弥、小林美奈らが出演。普段はクラシック・バレエを踊っているK-Balletのダンサーたちの、新しい分野におけるポテンシャルの高さを改めて実感しました。

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山本雅也、小林美奈

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山本雅也、堀内將平

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成田紗弥

渡辺レイ振付の「Petit Barroco(プティ・バロッコ)『“小さな真珠(ゆがんだ真珠)”〈世界初演〉』」本作品のテーマは「バロックとジェンダー」です。バロックとは、ポルトガル語に由来し「ゆがんだ真珠」を意味しそれはルネサンスの均整の取れた美への、人間の情念の反抗であるとのことです。今回渡辺さんは、「バロック=ゆがんだ真珠」をモチーフに「女性の解放された自己表現」を重ねました。飯島望未を中心とする女性ダンサーたちを前面に出した作品です。ワコールのランジェリーブランドSaluteとコラボした衣装となりますが、リハーサルでは普通の稽古着でした。男性ダンサー6人、女性ダンサーは4人ですが、特に女性ダンサーたちの存在感が大きい。

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女性ダンサーたちは冒頭ではハイヒールを履いていて、電子音楽に合わせての脚線美を強調するような挑発的な動きをしています。一人の男性が二人の男性ダンサーたちに支えられながら倒立しているという大胆なオープニング。この作品ではなんといっても飯島望未のシャープでスタイリッシュ、カリスマ性に満ちた動きに目が吸い寄せられます。渡辺レイの前作「Flow Route」でも飯島さんはコンテンポラリーにおける圧倒的なセンスの良さ、シャープさとしなやかさを見せてくれましたが、今回の彼女の存在感は只者ではありません。ソロも力強く大胆で、また途中でもう一人の女性ダンサーとデュオを踊る場面も出てきます。立体的なフォーメーションの面白さもありますし、同時多発的な動きもあってどこを見ていいのかと思うくらい贅沢な舞台。石橋奨也他男性ダンサーの活躍やパ・ド・ドゥも観られます。これを見ると、秋の『クレオパトラ』のタイトルロールを踊る飯島さんも楽しみになってきました。照明や装置、衣装が入るとどんな効果が発揮されるのかも楽しみです。

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飯島望未

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もう一つの作品、森優貴振付の「Petite Maison(プティ・メゾン)『“小さな家”〈世界初演〉』」は今回はリハーサルは公開されていませんが、長らくドイツのレーゲンスブルク州立劇場で芸術監督を務め(欧州における日本人初の芸術監督) 、Noismや貞松・浜田バレエ団、さらには宝塚歌劇団の「ODESSEY」などで振付を手掛けてきた鬼才が、日高世菜、杉野慧、栗山簾、吉田周平ほかK-Balletのダンサーにどんな作品を振り付けるのか、こちらも注目です。

 

Petit Ceremonieはリハーサル・ディレクターのシルヴァン・スネズが来日して、3週間のリハーサルが行われました。

K-Ballet Companyの刺激的な新しい挑戦、ぜひ目撃してみてください。このK-BALLET Optoはシリーズ化が予定されており、第二弾は来年1月に予定されているとのことです。

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公演日程

2022/9/30(金)12:30開演/17:30開演
2022/10/1(土)12:30開演/17:30開演


会場

KAAT 神奈川芸術劇場(ホール)
https://www.kaat.jp/access


料金


S:¥9,000 A:¥7,500 B:¥3,000※イス付立見席 (全席指定・税込)

<Bunkamuraでのお申込み>

お電話でのお申込み

Bunkamuraチケットセンター<10:00~17:00>
03-3477-9999


カウンターでのお申込み

Bunkamuraチケットカウンター<10:00~18:00>
東急シアターオーブチケットカウンター<渋谷ヒカリエ2F 11:00~18:00>


インターネットでのお申込み(MY Bunkamura)

オンラインチケット購入

<その他プレイガイドでのお申込み>

お電話でのお申込み

チケットかながわ<10:00~18:00>
0570-015-415


インターネットでのお申込み

チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/k-opto/ (座席選択可)
イープラス 
https://eplus.jp/k-opto/ (座席選択可)
ローソンチケット
https://l-tike.com/k-opto/ (発売日翌日以降座席選択可)
チケットかながわ
https://www.kanagawa-arts.or.jp/tc/ (座席選択可)


店頭でのお申込み

チケットぴあ
セブンイレブン (24時間/毎週火曜日・水曜日の1:30AM~5:30AMを除く)<Pコード:512-599>
イープラス
ファミリーマート店舗 (座席選択可能)
ローソンチケット
ローソン・ミニストップ店内Loppi <Lコード:31872>

お問合せ

Bunkamura 03-3477-3244<10:00~18:00>

2022/07/01

【参加者募集】さいたまダンス・ラボラトリVol.6(2022) 夏期集中ワークショップ 2022年8月2日(火)〜6日(土)/湯浅永麻『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』(岡田利規テキスト・演出)

明日を担う若手ダンサーの育成や作品創作を目的として、2018年度よりスタートした育成・創造事業「さいたまダンス・ラボラトリ」

https://www.saf.or.jp/arthall/information/detail/94493/

2022年8月2日(火)〜6日(土)彩の国さいたま芸術劇場で開催されます。


第6弾となる今回は、イスラエルのバットシェバ舞踊団で活躍するダンサー中村恵理による「Gagaクラス」と、オハッド・ナハリン作品の「レパートリークラス」を開催いたします。バットシェバ舞踊団元芸術監督のオハッド・ナハリンが考案した「Gaga」は、身体の声に耳を傾け「動く喜び」を実感するムーヴメント・ランゲージとして世界的に高い注目を集めています。さらに「レパートリークラス」では、これまでバットシェバ舞踊団が上演してきたナハリン作品を舞踊団の現役ダンサーから教わることのできる貴重な機会です。

また、初回から継続して講師を務め、国内外で多岐にわたり活動する湯浅永麻を再び迎え、リサーチ・ワークショップ「Sources of creation」を開催いたします。これまで湯浅が手掛けたラボの過去作品等を映像によって創作プロセスを振り返りながら、作品を創作するにあたってのコンセプトの源、動機や意義、そしてそれらを体現するムーヴメントのあり方について、皆さまとオープンかつフラットに対話を重ねていきます。作品の完成(アウトプット)を主なる目的とするのではなく、インプットを重視したクラスです。

自身の身体と集中的に向き合うワークショップ。意欲溢れるダンサー/アーティストの皆さま、ぜひふるって応募ください。

【ワークショップ日程】
2022年8月2日(火)~6日(土)

【会場】
彩の国さいたま芸術劇場 大稽古場

【タイムスケジュール&プログラム】
①11:00~12:15 Gagaダンサー(講師:中村恵理)
②12:30~14:00 オハッド・ナハリン作品レパートリークラス(講師:中村恵理)
<休憩>
③15:00~19:00 リサーチ・ワークショップ「Sources of creation」(講師:湯浅永麻)
※タイムスケジュール、プログラム等はやむをえない事情により内容を変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※その他、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより内容を変更する場合があります。

【講師/ナビゲーター】中村恵理・湯浅永麻

【参加費】25,000円(税込)

【定員】25名

【対象】
15歳以上35歳未満のダンス経験者・中級以上
※原則、全日程参加できる方。
※ダンス経験のジャンルは特に問いません。対象外の年齢の方は相談可。

【応募方法】
応募フォームより以下の必要事項をご記入の上、締切日までにご応募ください。

①氏名 ②フリガナ ③性別 ④年齢 ⑤生年月日
⑥郵便番号 ⑦住所 ⑧電話番号 ⑨メールアドレス
⑩ダンス経験(ジャンル・年数及び舞台経験の詳細、出身校や所属校・機関など)
⑪「さいたまダンス・ラボラトリ」に参加したい理由(200字以内)
⑫顔写真1枚(1MB以内)※ファイル名に氏名必須
⑬全身写真1枚(1MB以内)※ファイル名に氏名必須
⑭動画
課題:インプロヴィゼーション(音楽なし、無音。基本的に自由即興ですが、「固体」「液体」「気体」のタスクを用いる)のソロ映像2分
※YouTubeに限定公開でアップし、リンクをフォームにてご入力ください。動画名に氏名の記載必須。

【応募先】下記フォームよりご応募ください。
https://forms.gle/X165b4XW3uLavv4t8

【応募締切】
2022年7月10日(日)必着
※応募者多数の場合は書類選考させていただきます。
※今回のカリキュラムでは、中村恵理クラス・湯浅永麻クラス両方にご参加いただきます。クラスを選ぶことはできません。
※結果は2022年7月15日(金)までに、応募者全員に通知いたします。
※定員に余裕がある場合に限り、締切後でも受け付けます。

【お問い合わせ】
彩の国さいたま芸術劇場(舞踊担当)
Email: workshop@saf.or.jp Tel: 048-858-5506

※さいたまダンス・ラボラトリ、今回は第6回目の開催となり、継続してノウハウも構築されてきており、さらに湯浅永麻さんが初回から毎回携わっていて、多くのことを伝えていっていることが感じられます。今回は、バットシェバ舞踊団で活躍する中村恵理さんが講師ということで、オハッド・ナハリンのメソッド「GAGA]を学ぶことができるだけでなく、ナハリンのレパートリーも日本で体験できる貴重な機会です。

(今回は公開パフォーマンスはありません)

【講師プロフィール】

中村恵理(Eri Nakamura)

ダンサー。長野バレエ団出身。奨学生としてメルボルンのオーストラリア・バレエ学校に3年間留学し、2002年首席で卒業。2003年から2007年までスペイン・マドリードのヴィクトル・ウラテ・バレエ団に所属。2007年、Grademir Pankov氏が芸術監督を務めるカナダ・モントリオールのグラン・バレエ・カナディアンに移籍し、2008年までソリストとして舞台に立つ。その後2011年より現在までイスラエルのバットシェバ舞踊団に所属。ダンサーとして活動するほか、2015年よりオハッド・ナハリン作品『LAST WORK』『Venezuela』、ロイ・アサッフ作品『ADAM』の衣裳デザインを手掛けるなど、多岐にわたり活躍している。

 

湯浅永麻(Ema Yuasa)

ダンサー・振付家。モナコ公国プリンセスグレースアカデミーを首席卒業後、イリ・キリアン率いるネザーランド・ダンス・シアター(NDT)に約11年間所属。退団後、スウェーデン王立バレエのマッツ・エック版『Juliet & Romeo』ジュリエット役、サシャ・ヴァルツ『Körper』等に客演。シディ・ラルビ・シェルカウイ率いるEASTMANにも所属。異ジャンルアーティストとのコラボレーションプラットフォームXHIASMA(キアスマ)プロジェクトを立ち上げ、数々の作品を発表。第13回、15回日本ダンスフォーラム賞を受賞。現在はダミアン・ジャレ/名和晃平の新作に参加するなど、国内外で多岐にわたって活動している。

※※※※

なお、9月1日~4日には、湯浅永麻さんが出演する『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』(岡田利規テキスト・演出)が彩の国さいたま芸術劇場で上演されます。

https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/94292/

2021年3月、彩の国さいたま芸術劇場の育成・創造プロジェクト「さいたまダンス・ラボラトリVol.3公演『明日を探る身体』」にて、ワーク・イン・プログレスとして発表された『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』。

テキスト(言葉)と身体との従来の関係を更新し続け、現代社会の課題に批評的な視点から切り込んできた演劇作家・小説家の岡田利規。その岡田がテキスト・演出を担い、ダンサー・振付家の湯浅永麻がそれらを身体に取り入れ語り、踊ったワーク・イン・プログレスでは、作品全体の第一部が披露されました。SNS上で展開する主張を導入として、湯浅の身体をフィールドに他者たちの言説が飛び交った第一部に加え、この秋、第二部、第三部を岡田が新たに書き下ろす完成版の上演が決定。更に岡田作品でも俳優として特異な存在感を示す太田信吾が舞台上に加わります。

日時

2022年
9月1日(木)・2日(金)19:00開演
9月3日(土)・4日(日)14:00/18:00開演

※演出の都合により開演時間に遅れますとご予約席へのご案内ができない場合がございます。

会場

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール

テキスト・演出

岡田利規

共同振付

岡田利規、湯浅永麻、太田信吾

出演

湯浅永麻、太田信吾

2022/05/29

K-BALLET COMPANY「カルメン」公開リハーサル/6月1日より上演、全キャスト配信あり

先日、6月1日からBunkamuraオーチャードホールで上演される、K-BALLET COMPANYの熊川哲也振付「カルメン」、報道向けの公開リハーサルがあり、行ってきました。

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写真:Ayumu Gombi

左より、石橋奨也、日高世菜、高橋裕哉、浅川紫織、小林美奈、堀内將平、成田紗弥、山本雅也

https://www.k-ballet.co.jp/contents/2022carmen

2014年に熊川哲也振付で初演された本作は、「カルメン」を全3幕のグランド・バレエとしたもの。メトロポリタン・オペラなどのプロダクションのデザインを手がけたダニエル・オストリングが舞台美術を手掛け、鮮やかでスリリングな激情のドラマとして高く評価されました。

今回は、怪我により2018年に惜しまれながら一度は引退したプリンシパルの浅川紫織が、けがを克服して復帰を果たし、4年ぶりに主演を飾ることが話題となっています。

公開リハーサルでは、今回主演する4組のペアのそれぞれの演技を見せて、見比べるというユニークな試みを行いました。日高世菜と石橋奨也成田紗弥と山本雅也小林美奈と堀内將平の3組は、ラストのドン・ホセがカルメンを手にかけるシーン、そして浅川紫織、高橋裕哉組は、群舞を従えての「ハバネラ」のシーンのリハーサルを見せてくれました。

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写真:Ayumu Gombi 

熊川哲也芸術監督は、このドン・ホセがカルメンを手にかけてしまうシーンを見比べるという意図について説明しました。

「「カルメン」や「クレオパトラ」はクラシックバレエとは違ったドラマティック・バレエです。役の解釈については、あえて口を出さないところがあります。教えた通りにやったからと言って満足するかと言ったらそうではない。僕が初演で演じた時、怒りで殺したというところはあったけど、ゲストのロベルタ・マルケスとやったときにはそうではなかった。あとはそれぞれが、成長していく上での経験があったり、恋愛だったり、出会いと別れがあったりで変わってくる。このシーンでは、それぞれの“死にざま”や“殺(あや)めざま”があるはず。複雑に入り混じる心情をどう表現するかはキャスト一人ひとりに委ねている。自分なりの見せ方で踊って欲しい」

確かに3組3様の解釈の違いが見られて、大変興味深かったです。特にドン・ホセがどのように苦悩し、嫉妬し、愛する女を殺してしまうのか、手にかけてしまった彼女を目にしての後悔…。リハーサルが終わった後、一人一人の出演者が役の解釈について語りました。

日高世菜、石橋奨也 2022年6月2日(木)18;30、5日(日)13:00公演
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写真:Ayumu Gombi (2点とも)

熊川「最後殺す時どういう気持ちで殺しているの?」

石橋「それは、怒りが強い」

熊川「あーやっぱり。確信的なの?」

石橋 「プロローグの時からすでに決めています」

石橋さんは、感情を内に秘めているタイプで、でも言葉の通り強い怒り、裏切られた哀しみを感じさせて、傷ついた獣の目をして強い決意で感情をカルメンにぶつけています。日高さんは手脚がとても長く身体の表現が大きく、音楽性も豊か。どうしてこんなことになったのか、おびえるような気持ちも現れています。震えのような細かいパ・ド・ブレが美しい。

日高「オペラをバレエにした作品なので、歌うように踊れたらと思っていて。カルメンはいろいろ誘惑します。自由奔放なのですが、歌うように踊れたらいいと思っています。」

成田紗弥、山本雅也  2022年6月2日(木)14:00、4日(土)13:00公演

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写真:Ayumu Gombi (2点とも)

熊川「プロローグの時にピストルを頭につけるんだけど、その時には、この世にはもう誰も残っていないから、死ぬ前に思いを伝えたいってストーリー。雅也はどういう想いで彼女を殺すの?」

山本「僕も怒りです。序盤は悲しみがあります。」

4組の中で最年少の山本さんは、少年のようなナイーブさを感じさせる一方、踊りはダイナミックで華があり、輪郭がはっきりしています。カルメンを手にかけた後の打ちひしがれた表情が印象的です。成田さんのカルメンは、実に小悪魔で強い生命力があり、最後まで彼を翻弄しています。二人ともシェネがとても美しい。

成田「わたしのカルメンはホセにはあまり情はなくて、ワンナイトラブなのにホセがしつこいと思っています。」

 

小林美奈、堀内將平 2022年6月3日(金)14:00公演 

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写真:Ayumu Gombi (2点とも)

堀内「僕は、真面目な青年が全部を彼女のために捨ててきたのに、捨てられてしまい、傷ついた心で、そのうちに愛を伝えようとするんだけどそのうちに混乱して最後は殺してしまいます」

その言葉の通り真面目で内向的な青年ホセで、殺してしまってから銃を落として手の震えが止まらない演技、茫然として、カルメンを抱きかかえ、とぼとぼ歩くさまがリアルで悲しみがこもってした。小林さんのカルメンは、強い女を気取りつつも、3人の中では一番ホセへの情がにじみ出ているように感じられました。

小林「カルメンは自由奔放で、自分の意志のまま、ストレートに思いを伝えて生きている女性だと思います。翻弄して周りを巻き込んでいます。

 

浅川紫織、高橋裕哉 2022年6月1日(水)14:00、4日(土)17:30公演

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写真:Ayumu Gombi (3点とも)

浅川紫織は、「ハバネラ」のシーンを群舞を従えて踊りました。彼女を崇拝する多くの男性たちを従え、コケティッシュで妖艶な魅力で惑わせていきます。ケガで一度は引退し、ブランクがあったとは思えない鮮やかでダイナミックさに加えて、優雅さもあります。

浅川「わたしはK-Balletのカルメンという作品自体が大好きで、初演は2014年だったので踊るのは8年ぶりになります。とても光栄なことです。どういうカルメンかはまだ本番まで探りたいと思います。先ほど世菜さんが言っていた、オペラの中にある歌詞で、「今日はわからない、明日かもしれないし一生ないかもしれない。私のことを惚れるのはみんなの自由だけど気をつけなさい」というのがとても印象に残っています。そういう感じなのを常に意識して気持ちとして。どういう風になるかは劇場に行って確かめていただければ。

この場面ではカルメンにどうしようもなく惹かれている男性の一人としてのホセを演じている髙橋さん。

高橋「闘牛場に行くまでにかなり思考回路がおかしくなる、カオスというか、かなりダークな方面での接し方の結果、彼女を殺してしまいます」

熊川「深いですね。最後殺して独り占めにしたいと思う、みたいな。誰にも渡さない、と」

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写真:Ayumu Gombi 

4キャストそれぞれが異なった個性、解釈で愛と激情のドラマを伝えてくれる、熊川哲也版「カルメン」。演技力もバレエのテクニックも優れたトップダンサーたちの競演は見逃せません。

 

私も初演はじめ何回も観ていますが、数ある「カルメン」のバレエ化作品の中でも、バレエらしい作品であり、またクライマックスの演出のドラマは他の「カルメン」とは全く違ったもので、思わず引き込まれてしまう傑作です。熊川さんの演出だけあって、ドン・ホセの心理描写、ダンスにも比重が置かれているのもほかにない特徴だと思います。

◎公演日程
2022年6月1日(水)14:00
2022年6月2日(木)14:00/18:30
2022年6月3日(金)14:00
2022年6月4日(土)13:00/17:30
2022年6月5日(日)13:00

主催

TBS

会場

Bunkamuraオーチャードホール

日程

2022年6月1日(水)~6月5日(日)


チケット料金

(税込)


S:¥15,000
A:¥11,000
B:¥8,000
C:¥6,000


A親子席:¥15,000
└大人1名+ 子供1名/A席エリア
 5歳以上小学6年生以下

学生券:¥3,500
└中学生以上25歳以下/当日学生証を提示の上引き換え/席位置未定

※A親子席・学生券はTBSチケット・チケットぴあWEBにて取り扱い

怪我を克服して復帰した浅川紫織さんについてのドキュメンタリーもぜひ。

なお、千穐楽となる、6月5日(日)13時公演を、オンラインライブ配信することが決定しています。
TBS が誇る高い映像制作技術、高精細4Kカメラで撮影された大迫力の映像です。

https://www.k-ballet.co.jp/contents/526906

また今回カルメン役として、カンパニーを代表する豪華キャストが名を連ね、いずれも見逃せません。そのそれぞれの魅力を味わっていただけるよう、今回に限り4組すべてのキャストを特別にライブ配信(スイッチングなしで、舞台全景を楽しんでいただく固定カメラ)します。全キャストをお楽しみいただくためのお得なセット券もあります。

■TBS が誇る高い映像制作技術、高精細4Kカメラで撮影された大迫力の映像で! 
ライブ配信<4Kカメラ・スイッチングあり>

◆配信日時
2022年6月5日(日)13:00公演 ※6月6日(月)23:59 まで視聴可能

出演:カルメン / 日髙世菜、ドン・ホセ / 石橋奨也、他 Kバレエ カンパニー

◆視聴チケット料金
3,800円(税込)

◆購入先
TBSチケット / U-NEXT ※6月6日(月)21:00まで購入可能

 

■カンパニーを代表する顔ぶれが連ねる主演4キャスト。演劇的バレエのさらなる境地に挑む!
ライブ配信<固定カメラ・スイッチングなし>  
※舞台全体を観ていたいという方々向けの映像となります。 

◆配信日時

① 2022年6月3日(金)14:00公演 

出演:カルメン/小林美奈、ドン・ホセ / 堀内將平、他 Kバレエ カンパニー

※同日23:59 まで視聴可能

 

② 2022年6月4日(土)13:00公演

出演:カルメン / 成田紗弥、ドン・ホセ / 山本雅也、他 Kバレエ カンパニー

※同日23:59 まで視聴可能

 

③2022年6月4日(土)17:30公演

出演:カルメン / 浅川紫織、ドン・ホセ / 髙橋裕哉、他 Kバレエ カンパニー

※同日23:59 まで視聴可能

視聴方法・お問い合わせ等

TBSチケット:https://tickets.tbs.co.jp/tbs/streaming/  
※推奨環境:J-Stream Equipmediaをご確認下さい。

U-NEXT: https://help.unext.jp/info/info420

④2022年6月5日(日)13:00公演

出演:カルメン / 日髙世菜、ドン・ホセ / 石橋奨也、他 Kバレエ カンパニー

※同日23:59 まで視聴可能

◆視聴チケット料金
1キャスト券 / 各2,500円(税込)
4キャストすべてお楽しみいただく セット券 / 8,500円(税込)

◆購入先:【TBSチケット】
※それぞれの配信当日20:00まで(セット券のみ6月3日(金)正午まで)購入可能

2022/05/26

熊川哲也による新プロジェクト、Bunkamura K-BALLET Optoを始動

BunkamuraとK-BALLET COMPANYは合同で、Bunkamuraオーチャードホール及びK-BALLET両方の芸術監督である熊川哲也による新プロジェクト、Bunkamura K-BALLET Optoを始動します。

https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/22_opto_petit/

旗揚げ公演は2022年9月30日(金)、10月1日(土)、KAAT神奈川芸術劇場(ホール)にて開催。

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ワレルスキー作品:「Petite Ceremonie (プティ・セレモニー)」 より  Photo:Michael Slobodian

本プロジェクトは特に、K-BALLET COMPANY舞踊監督の渡辺レイの指揮の下(今後はK-BALLET Opto舞踊監督を兼務)、K-BALLETダンサーを基盤に、世界の気鋭の振付家によるオリジナル作品や、他ジャンルとのコラボレーションなど、ダンスの魅力を多角的に捉えた作品で、K-BALLETの新たな光(=Opto)を生み出し、より多くの方々に鮮烈なライブ体験をしていただく機会を提供します。


K-BALLETは設立から四半世紀、芸術監督熊川哲也の下で絢爛豪華な古典バレエの全幕作品を生み出し、国内屈指の活動を続けてきました。そして今、「かつて自らが様々な芸術家と交流し、その作品に触れることでダンスの深淵を見たように、同じ感動・経験をダンサー/観客の皆様にも届けたい」との熊川の思いを実現するべく、2012年来芸術監督を務め、K-BALLETのホームであるBunkamuraオーチャードホールと手を携えてK-BALLET Optoは誕生しました。


オーチャードホールを離れての公演となりますが、挑戦する芸術家を全力で応援するBunkamuraの精神はそのままに、新プロジェクトを堪能いただきます。

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ワレルスキー作品:「Petite Ceremonie (プティ・セレモニー)」 より  Photo:Michael Slobodian


旗揚げとなる9月公演では、メディ・ワレルスキー、森優貴、渡辺レイの振付作品を上演します。

アジア初上陸となるワレルスキー(Medhi Walerski) は、コンテンポラリーダンスの雄、NDT(ネザーランド・ダンス・シアター)の次期芸術監督と呼び声高い気鋭の振付家(現在はカナダ、バンクーバーのBallet BCの芸術監督)。代表作「Petite Ceremonie (プティ・セレモニー)」は、彼のクラシックバレエの背景と欧州の最前線のセンスが融合した、ユーモアとウィットにあふれた作品。古典作品とは違ったK-BALLETダンサー達の新たな一面や個性が見えるはずです。


森優貴、渡辺レイには新作を委嘱。森優貴はドイツ・レーゲンスブルク歌劇場で7年にわたり舞踊芸術監督を務めた実力者。渡辺レイは名匠イリ・キリアン率いるNDTで数々のトップ・コレオグラファーに指名され多くの主要な役を踊った経験を、自らの振付にいかんなく発揮しています。彼らのような、海外の第一線で活躍したアーティストが、母国日本から世界へ発信する機会を生み出すことも、本プロジェクトの目的です。「まだ知らないK-BALLET」をぜひ劇場でご覧ください。

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ワレルスキー作品:「Petite Ceremonie (プティ・セレモニー)」 より  Photo:Michael Slobodian

◆K-BALLET Opto(オプト)とは?
Opto(オプト)は「光」を意味する言葉です。
国内屈指の規模と華麗な美術の古典作品でバレエマーケット開拓をした熊川哲也が、
新たな光(=Opto)を灯すべく、K-BALLET Optoは立ち上がりました。具体的には、
K-BALLET COMPANYのダンサー達と国内外の一流の芸術家とのコラボレーションを通じて、
下記の3つを目指します。


1.「今、絶対に注目すべき振付家」作品の紹介
2.若き才能(ダンサー・振付・美術・衣裳・作曲・脚本)の発掘とプロデュース
3.日本発、世界を狙う良質なオリジナル作品のクリエーション

K-BALLET COMPANY芸術監督、オーチャードホール芸術監督
熊川哲也 コメント
K-BALLETを創立以来、直感的かつ本能的に、その瞬間におけるベストな
選択は何かを判断してきました。24年が過ぎ、揺るぎない古典作品と実績を
手にしたK-BALLETが見る次なる光。真の実力をもつ国内外の多くの才能
に機会を与える場になることを願って。私自身、大いに驚かせてもらえることを
期待しています。

Bunkamura K-BALLET Opto 「プティ・コレクション」 概要 (4公演)
【日時】 2022/9/30(金) 12:30開演 | 17:30開演
10/1(土) 12:30開演 | 17:30開演

【会場】 KAAT 神奈川芸術劇場 (ホール)(神奈川県横浜市中区山下町281)
【チケット(税込)】 S¥9,000 A¥7,500 B¥3,000 5/31(火)~MY Bunkamuraにて先行発売開始
【主催】 K-BALLET 【一般発売】6/25(土)
【お問合せ】 03-3477-3244

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ワレルスキー作品:「Petite Ceremonie (プティ・セレモニー)」 より  Photo:Michael Slobodian

「プティ・コレクション」―プティ・プティ・プティ!

プティ・コレクションとは?

今回上演する3作品には、すべてタイトルにプティ=「Petit」(フランス語で小さい、あどけないという意味)が付されています。日本ではかつて「あどけない、かわいい」を意味する言葉として「いとうつくし」(「うつくし(美しい)」)を使用していました。単純にプティ=かわいいだけではく、かわいさが秘めもつ「強い美しさ」を感じ取っていただきたいという思いを込めています。

アジア初演:Petite Ceremonie (プティ・セレモニー)/ 小さな儀式
Medhi Walerski / メディ・ワレルスキー振付

世界初演:Petite Maison (プティ・メゾン)/ 小さな家
Yuki Mori / 森 優貴振付
『プティ・コレクション』─プティ・プティ・プティ!

世界初演:Petit Barroco (プティ・バロッコ)/ 小さな真珠(ゆがんだ真珠)
Rei Watanabe / 渡辺レイ

飯島望未、日髙世菜
堀内將平、山本雅也

石橋奨也、小林美奈
成田紗弥、杉野慧

他 K-BALLET COMPANY

optoはもともと、コンテンポラリーダンスを通じて、質の高い舞台芸術に触れていただきたい。そんな思いから、2012年渡辺レイを筆頭に活動をスタートさせたプロジェクトです。メンバーの渡辺レイ、小㞍健太、湯浅永麻は、Nederlands Dans Theater(NDT1,メインカンパニー)に在籍し、現代振付家の巨匠イリ・キリアンをはじめ、世界的な振付家たちの作品に出演し、実績と経験を積み上げてきました。同じルーツを辿った3人は近年多岐にわたり活躍しています。その3人が中心となり創り出すダンスパフォーマンスは、世界的な振付家の作品を上演できる数少ない日本のダンスプロジェクトとなっています。今までも、群馬県桐生市、そして彩の国さいたま芸術劇場や愛知県芸術劇場などで公演を行ってきました。

https://taci.dance/opto/

渡辺レイさんがK-BALLET COMPANYの舞踊監督に就任し、optoの精神をバレエの中に息づかせるという、先進的なプロジェクトへと発展していったわけです。今年のK-BALLET COMPANYの「クラリモンド」トリプルビルで上演された、渡辺レイさん振付の「FLOW ROUTE」は、クラシック・バレエのカンパニーとは思えないほどの、インパクトが強くヨーロッパの香り漂う洗練されたコンテンポラリーダンス作品で、中でも飯島望未さんの表現力には驚かされた次第です。期待の野心的な企画、楽しみにしています。

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