2009/07/10

7/8 ABT「ロミオとジュリエット」Romeo and Juliet

Choreography by Sir Kenneth MacMillan
Music by Sergei Prokofiev

Romeo Marcelo Gomes
Juliet Paloma Herrera
Mercutio Carlos Lopez
Tybalt Issac Stappas
Benvolio Daniil Simkin
Paris Grant DeLong
Lady Capulet Stella Abrera
Lord Capulet Roman Zhurbin

パソコンのWi-Fiの接続が悪いので、取り急ぎキャストのみ。

マルセロの情熱的なロミオ、観られて良かった~。パロマのジュリエットは、ナチュラルな演技が本当にジュリエットそのもの。若くて純粋で向こう見ずなジュリエットで、はまり役。この二人の組み合わせは息もぴったりで、見た目のバランスも良くて。

最初にこんなに素晴らしいロミオとジュリエットを観て、もうメーンディッシュをいただいてしまった気分・・。実際、マルセロのロミオが観たくて行ったわけだけど、観られて幸せなのと、これから当分観ることができないという寂しさの両方を感じてしまっている。

(続く)

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Diaghilev's Theater of Marvels NYPLパフォーミングアーツ館のバレエ・リュス展

リンカーンセンターには、NYPL(ニューヨーク市立図書館)のパフォーミングアーツ部門分館があり、過去の舞台やバレエの映像のアーカーヴがあることで知られている。市販されていない映像もたくさんあるそうなのだけど、今まで一度も行ったことがなかった。

http://www.nypl.org/research/lpa/

今回、Diaghilev's Theater of Marvels: The Ballets Russes and Its Aftermathと題して、ディアギレフのバレエ・リュス関連の展覧会が開催されている。9月12日までで、入場料はなんと無料。
http://www.nypl.org/research/calendar/exhib/lpa/lpaexhibdesc.cfm?id=509

展示室一室だけの小規模な展覧会ではあるが、大変なお宝ぞろいで、びっくりした。

一番のお宝は、ニジンスキー直筆の手記だろう。大変分厚いもので、びっしりと字が書き込まれていた。ガラスケースに入っているので、見開きのところしか見られないとはいえ、これはすごい。それから、ストラヴィンスキー肉筆の、「結婚」「火の鳥」「ぺトルーシュカ」「アポロ」などの楽譜。ディアギレフのメモ帳やスケジュール帖。ニジンスキーといえば、1点だけ、彼の描いた絵画もあった。

これらは、マニア向けの品物だと思うけれど、まず会場に入って圧倒されるのは、奇妙奇天烈な、ピカソがデザインした「パラード」の衣装。衣装というよりは、ロボットみたいなもの。ピカソがデザインしたものといえば、「三角帽子」の衣装もあった。衣装については、ほかにマリー・ローランサンがデザインした「牝鹿」の青いベルベットの衣装、「薔薇の精」の薔薇の精と少女の衣装、「春の祭典」の衣装(ジョフリー・バレエ提供)、ブノワがデザインした「ペトルーシュカ」の乳母の衣装などがあった。それから、アンナ・パブロワのポアント。足が小さかったというのがわかる。

当時のプログラムについては本当にたさんあって、1909年のシャトレ座の「Saison Russe」のプログラムが。これが「バレエ・リュス」の始まりだったわけである。1930年に「春の祭典」が初めて米国で上演されたときのものがあった。選ばれし乙女を踊ったのは、マーサ・グラハムだった。

1911年にジャン・コクトーが描いた、ニジンスキーの「薔薇の精」のポスターがあったのだけど、これは本当に素晴らしい。また、「アルミードの館」(1909年)のニジンスキーとパブロワの、薄く彩色したポスターも素敵。ジョルジュ・バルビエによる、有名な「シェヘラザード」の絵もあった(ニジンスキーとイダ・ルビンシュタイン)1913年の「遊び」のニジンスキーとタマラ・カルサヴィナの写真。ロバート・モンテネグロによるニジンスキーの「レ・シルフィード」(1913年)

ナタリア・ゴンチャロワがデザインした「火の鳥」の衣装デザインなど、ゴンチャロワの舞台美術も多数あった。キリコがデザインした「ラ・ペリ」、バクストがデザインした「眠れる森の美女」のデザイン画も。(この「眠れる森の美女」の制作費がかかりすぎて、バレエ・リュスは経済的に破綻して、それが最後の作品になってしまったとのこと)

会場では、ジョフリー・バレエにルドルフ・ヌレエフが客演した「牧神の午後」「ペトルーシュカ」などの映像が流れており、映像を見ながらヘッドフォンをつかって、それぞれの作品の音を聞くこともできる。この映像は以前ビデオ化されていたのだけど、廃盤となってしまって高値で取引されているのだ。

こんなに素晴らしいものが無料で見られるから、もう一回くらい行こうかな、って思ってしまった。バレエファン垂涎の貴重なものばかり!


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2009/07/08

ハンブルク・バレエのバレット・ターゲ関連ニュース、動画

ハンブルク・バレエのバレット・ターゲ(バレエ週間)が開幕しました。7月12日のニジンスキー・ガラまで連日、日替わりで様々な作品が上演されます。今年のテーマは、バレエ・リュス百周年ということで、6月28日のオープニングはノイマイヤーによる「アルミードの館"Le Pavillon d'Armide"」の初演でした。

チャコットのダンスキューブに、速報が載っています。
http://www.chacott-jp.com/magazine/news/other-news/post-6.html

「アルミードの館」を中心に、「放蕩息子」「春の祭典」などの映像のクリップが、ハンブルク・バレエのサイトで公開されています。
http://www.hamburgballett.de/video/hommage.html

「シルヴィア」の動画も
http://www.hamburgballett.de/video/sylvia.html


なお、12日のニジンスキー・ガラですが、パリ・オペラ座のブリスベン公演「ラ・バヤデール」でエルヴェ・モローが怪我をしてしまったため、彼が出演する予定だった「アポロ」と「ジゼル」のキャストが変更となりました。

http://www.hamburgballett.de/e/gala.htm

APOLLON MUSAGÈTE
Music: Igor Strawinsky
Choreography: George Balanchine

Apollo: Florian Magnenet (originally Herve Moreau)
Calliope: Emilie Cozette
Polyhymnia: Stéphanie Romberg
Terpsichore: Marie-Agnès Gillot
Ballet de l'Opéra de Paris

GISELLE
Music: Adolphe Adam
Choreography after Jean Coralli and Jules Perrot

Isabelle Ciaravola, Stéphane Bullion (originally Herve Moreau)
Ballet de l'Opéra de Paris

「アポロ」はフロリアン・マニュネ(!)が踊り、「ジゼル」にはステファン・ビュリヨンが踊ることになりました。マニュネくんのアポロには正直言ってびっくりです。エルヴェは「オネーギン」での踊りも演技も素晴らしかったので、怪我をしてしまったことは本当に残念ですね。早い回復を祈ります。アポロだったらロベルト・ボッレでしょう、って思ったけどロベルトはABTの「ロミオとジュリエット」に出演中なのですよね。

関連記事
French principal dancer injured in Brisbane stage fall
http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,25197,25743746-5013570,00.html


話を戻して、先日もご紹介した、ハンブルク・バレエの"Hommage Ballets Russes"の番組の動画なのですが、英語版もできていました。

ロシアのテレビで放映されたという「ニジンスキー」の映像、「人魚姫」のリハーサルシーン、シルヴィア・アッツォーニのインタビュー、ハンブルク・バレエ学校のレッスンなどを見ることができます。ハンブルク・バレエの団員の7割はこのバレエ学校の出身なのだそうです。ハンブルク・バレエのオフィシャルサイトにも紹介されていたので、こちらにも貼っておきます。

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2009/07/07

フレデリック・フランクリン、95歳の誕生日 Frederick Franklin's 95th Birthday

バレエ・リュスの生き証人であり、85歳にして初めて「ロミオとジュリエット」のローレンス神父を演じたフレデリック・フランクリンが、今週、95歳の誕生日を迎えます。

生ける神話である彼の今年の誕生日は、メトロポリタン・オペラの舞台の上で迎えられます。木曜日のABT「ロミオとジュリエット」の公演は、その日もローレンス神父役を演じるフランクリンに捧げられたものとなります。

http://www.nypost.com/seven/07062009/entertainment/theater/ballets_ageless_icon_back_onstage_177845.htm

映画「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」に出演したフレデリック・フランクリンは、1914年にリバプールに生まれ、1938年にはバレエ・リュス・デ・モンテカルロのプリンシパルになりました。バレエ・リュスがアメリカに移った1939年以降、彼もアメリカに住むようになりました。ABTとの関係は、その前身であるバレエ・シアター時代を加えると半世紀近くにもなります。今でもABTのレパートリーにある「コッペリア」は、彼の再振付によるものです。

今週、ローレンス神父を4回演じるフランクリンは、「白鳥の湖」でも家庭教師役で出演しました。ローレンス神父役は決して小さな役ではないと彼は言います。「ローレンスが入場するシーンを演じたら、死んでもいいと思うほどだよ。扉を開けて入ってくると、広い舞台の上には自分ひとりしかいないんだ。たった一人だよ」

小柄でこざっぱりとしたフランクリンは、健啖家でもあります。柔らかいイギリス発音で話すいたずらっぽい逸話の数々を聞けば、彼がどんなに魅力的な人なのかわかるそうです。

公演の前に彼は、屈伸やストレッチなどバレエのウォーミングアップを行いますが、歩くことが健康の秘訣とのこと。タバコは吸わないけど、食事の時にはワインを飲み、時々はウォッカも飲みます。そして木曜日には、舞台の上でシャンパンで乾杯する予定とのこと。

*****
フランクリンさんがローレンス神父を演じるのは、今までも何回か観ましたが、とてもその年齢とは思えないほどかくしゃくとしていて、姿勢も動きも美しく気品があるのですよね。彼が舞台にいることで、上演そのものの品位がぐっと上がって、ドラマティックになる気がします。サインを頂いたこともあるのですが、本当に気さくで優しくて、魅力的な方でした。

映画「バレエ・リュス」や若いときの写真を見ると、甘い美貌の持ち主だったことがわかりますが、90代の今でも、その美しさは保たれています。彼はバレエ・リュスの作品の保存活動も行っており、数年前にABTのシティ・センター公演で「ペトルーシュカ」を上演した時には、振付指導を行いました。

フランクリンさんには、いつまでも元気で長生きしてもらって、慈愛溢れるローレンス神父を演じ続けて欲しいと思います。今週、無事観られて、フランクリンさんのお誕生日を祝うことができるといいのですが。

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2009/07/06

レスラー The Wrestler

The Wrestler
http://www.foxsearchlight.com/thewrestler/

http://www.wrestler.jp/

監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:ロバート・シーゲル
出演:ランディ(ミッキー・ローク)
    キャシディ(マリサ・トメイ)
    ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)

私は熱心なプロレスファンではないけれども、中学生の頃、少年サンデーの「プロレススーパースター列伝」を毎週読んでいた。実際のプロレスも2回だけだけど観に行っているし、プロレス界を舞台にしたドキュメンタリー映画「ビヨンド・ザ・マット」もトークショーつきの回を観に行った。WWEの放送も時々観ている。プロレスには、筋書きがあるというけれども、たとえそんなものがあっても、自らを痛めつけ、血だらけ、傷だらけになって闘う男たちの姿には、ぐっと魂を掴むものがある。

その闘い方を観ると、バレエを想像してしまうときがある。生身の肉体が作り上げる、パフォーミングアーツという点で、共通項があるからだ。

今はすっかり落ちぶれてしまっているものの、80年代にはマディソン・スクエア・ガーデンを満杯にするほどの人気を博したプロレスラーのランディ。

冒頭、彼の過去の栄光は、彼が飾った新聞や雑誌の記事で綴られ、バックに流れるのはクワイエット・ライオットの「メタル・ヘルス」。ランディが年増シングルマザーのストリッパー、キャシディと初めてビールを飲むところで流れるのは、ラットの「ラウンド・アンド・ラウンド」(80年代は最高だったのに、ニルヴァーナがすべてをぶち壊した、というキャシディの台詞にはウケた。私はニルヴァーナも好きだけど)。ランディが最後の戦いへと向かうところでは、アクセプトの「Balls to the Wall」。そして彼が入場する時のテーマ曲は、GUNS N' ROSESの「Sweet Child O'Mine」。この80年代ヘヴィ・メタルを中心とした選曲が実にはまっている。

ランディは80年代の栄光を引きずってプロレスラー稼業を続けているものの、小さな会場で細々と試合を行い、トレーラーハウスの家賃も満足に払えず、スーパーでアルバイトをし、ダウンジャケットの穴をガムテープでふさいでいるような始末。それでも、老いつつある肉体にステロイド注射を打ち、日焼けサロンに通い、自慢の長髪を安い美容院で金髪に染めて、戦い続けている。若くないのに、ホッチキスを打たれたり、有刺鉄線で血だらけになったり、椅子で殴られたりと、あまりにも壮絶な生き様。

しかしランディを取り囲むプロレス関係の人々は優しい。「大丈夫か」と優しく声をかけたと思ったら次の瞬間には不意をついて襲い掛かるレスラーも、試合後には控え室でハグし合い、お互いの健闘をたたえる。試合開始前の打ち合わせでは、若いレスラーを励まし、アドバイスを与えるランディ。ファンたちもとても優しくて、往年のファンたちがランディにサインをせがんだり、寂れたサイン会場にやってきては、すっかり衰えたり身体が不自由になった元レスラーたちと一緒に写真を撮ったり、その姿を見ているだけで泣けてくる。

ランディは、ダメな男だ。過去にはあれほどの栄華を誇ったというのに、今の体たらく、それでも過去の栄光にすがりついてレスラーを細々と続けている。実の娘ステファニーを捨ててしまい父親らしいことは何もしなかった。いざ心臓発作を起こしてステファニーを訪ねて行っても、相手にされない。唯一彼女と和解するチャンスがあったというのに、酒とクスリと女に溺れてふいにしてしまう。でも、彼は愛すべき男だし、男気があるし、なんとか真っ当な人間として再生しようと一生懸命だ。そんな彼の魂にそっと寄り添うように、アロノフスキーは、時には容赦ないほどのクールさを保ちながらも、あたたかく彼の戦いを描く。

そんなランディのことが気になっているけれども、どうしても一歩深入りすることができないキャシディ。そろそろストリッパー稼業を続けるのも限界と感じていて、息子のためにも新しい生活を始めなければならない、その時にそばにいるべき男は、ランディではないと感じている。自分の母親と同じくらいの年なのか、と若い客にからかわれている彼女を「こんなに色っぽい女はいない」と助け出してくれた彼の男気には打たれながらも。優しいけど生活力のない男を、きっと彼女はたくさん見てきたのだろう。年齢の割には美しくプロポーションもいいのだけど、生活の疲れが見えてきた彼女は、安穏を求めていて、命を削ってでも戦いをやめないランディとは別のベクトルを向いていたのだ。

心臓発作を起こし、死にかけたことでレスラー生活に終止符を打とうと、ランディはスーパーの惣菜売り場でフルタイムで働くことを決意する。長髪を帽子で覆い、まるで満員のプロレスの試合会場へ入場する時のような演出で、売り場へと歩んでいくランディ。キャシディに息子がいると聞いて、「ちょっと待って、プレゼントしたいものがある」と自分のフィギュアを差し出した時のキャシディの表情。ステファニーに(派手なグリーンの)服をプレゼントして、二人で寂れた海岸を歩き、立ち入り禁止の扉を開けると広がる、ダンスホールの廃墟。美しい瞬間、美しい台詞がこの映画の中にはたくさんある。幕切れの見事さ。一瞬の闇と無音の後、ブルース・スプリングスティーンの胸を締め付けるようなテーマ曲が始まる。

(この映画のためにスプリングスティーンがノーギャラで書いたテーマ曲は、この作品を見事に捉えたものだ。歌詞はここで見ることができる)

負けると判っていても、傷だらけになって闘う男は美しい。

「引退するかどうか、決めるのはお前ら観客だけだ」。その言葉に、観客たちは熱いエールを送る。残酷さと温かさの両方を、ファンたちは持ち合わせている。

プロレスは、スポーツとパフォーミングアーツの過酷な部分を合わせた、芸術なのだと思った。ランディの役を、スタジオの反対にあってもミッキー・ロークが演じることにアロノフスキーはこだわったという。ランディの姿はそのまま、どん底から這い上がってきたロークに重なり、この世界で生き抜いていくことのタフさと、その中で勝利のない戦いを闘う姿の美しさを教えてくれる。

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2009/07/05

SWAN MAGAZINE Vol.16 2009年夏号

SWAN MAGAZINE Vol.16 2009年夏号を入手しました。

http://www.heibonsha.co.jp/swanmagazine/

巻頭の連載「エトワールに夢中」は、マニュエル・ルグリというわけで、独占インタビュー&写真が掲載されています。ルグリのインタビューは本当に色々な雑誌に載っているし、同じようなことを聞かれて、同じように答えなくちゃいけないのが大変だろうなって思います。でも、その中でもサービス精神を発揮して、新しい話を盛り込んでくれるルグリさんはさすがです。プティ・ペールは15人もいるのに面倒をちゃんと見せてあげられなくて申し訳ない、とか、実は生魚がだめなのでお寿司は食べられないといった、ちょっと親しみを感じさせてくれる面があるのは嬉しいですよね。楽屋やリハーサル室での、カジュアルでリラックスした雰囲気ので気さくそうなルグリさんが素敵です。来年いっぱいまでは使うという楽屋には、穿きつぶしたバレエシューズ、ヌレエフのポスター、ダンスマガジンのカレンダーとおぼしき舞台写真などがありました。

また、ルグリの若い頃から最近までの舞台写真がふんだんに載っているのが、ファンにとっては嬉しいことですね。古典主役の王子姿の素敵なこと!私はバレエ鑑賞のブランクの期間があったので、それらの舞台を実際にこの目であまり観られなかったのが残念でした。
アデュー公演のカーテンコールでの写真や、レポートも載っています。

NYCBの記事は、美しい舞台写真の数々が目を惹きます。バランシン最後のミューズ、来年引退予定のダーシー・キスラーのインタビュー、そのほかにも、今度ゴールデン・バレエ・スターにも出演する予定のアシュレー・ボーダー、振付家としても大活躍しているベンジャミン・ピルピエのショートインタビューがあります。スクール・オブ・アメリカン・バレエの取材は、現在NYに滞在中の鈴木晶氏によるもの。また、バレエ団のリハーサルのルポもあります。

「ESPRIT」で来日していたイーゴリ・コルプのインタビューが面白いです。友人のロシア人デザイナーにデザインしてもらった上着を着て、盗み見るような「切り裂きジャック」特有の怪しい、真っ青な瞳も印象的でした。初めてプティに会って、彼の作品を踊る許可を貰う時は不安で緊張したそうですが、すぐに気に入ってもらえたとのこと。ちょっとシャイな性格が伺えます。

有吉京子さんの連載「まいあ」は、まいあが夏休みの東京で、母・聖真澄が出演したガラを観るというエピソード。ちょっとしたクライマックスがあり、ここで第一部が完となります。有吉京子さんのあとがきによると、第二部では、さらに大人っぽくなったまいあを見ることができるそうです。その間に有吉さんは「SWAN」のモスクワ編に取り掛かるそうですが、取材のためにシュツットガルト・バレエ、ハンブルク・バレエに行かれてシュツットガルトのプリンシパルなどダンサーのインタビューをされるそうなので、こちらも楽しみですね。

SWAN MAGAZINE Vol.16(2009夏号)SWAN MAGAZINE Vol.16(2009夏号)

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2009/07/03

新国立劇場「ドン・キホーテ」のプロモーション動画

先日新国立劇場の「コッペリア」を観に行ったときに、ホワイエのモニターで、来シーズンのオープニング、10月に上演される「ドン・キホーテ」のプロモーション映像が流れていました。マイレンが出ているよって友達に教えてもらって、休憩時間に見て楽しみました。

この映像を、クラブ・ジ・アトレのサイトで見ることができます。

http://www.atre.jp/news/detail112.html

主役・キトリを務める4名のダンサーのインタビューとリハーサルもしくは舞台映像です。

寺島ひろみ 公演日:10月13日(火)7:00 共演:山本隆之
寺田亜沙子 公演日:10月15日(木)2:00 共演:マイレン・トレウバエフ
川村真樹 公演日:10月17日(土)2:00 共演:芳賀 望
本島美和 公演日:10月18日(日)2:00 共演:福岡雄大

寺島さんと本島さんは舞台映像、今回キトリ役を初めて新国立劇場で踊る寺田さんと川村さんはリハーサルの様子を見ることができます。川村さんは3幕のヴァリエーションのリハーサルなのですが、寺田さんは、マイレン・トレウバエフと3幕のアダージオの映像で、ほんのちょっとですが、マイレンの美しいサポートを見ることができて、とても嬉しいのです。初役で、コール・ド所属ながら主役に抜擢された初々しい寺田さんを、マイレンが優しく導いていますね。

川村さんも、寺田さんも、見所は1幕と言っているところが面白いですよね。たしかに、ドン・キホーテの活きのよさ、楽しさは、様々な登場人物がドタバタを繰り広げる1幕にありますよね。キトリのカスタネットのヴァリエーションなど、踊りもいっぱいあるし。

寺島さんと本島さんの踊りは両方とも3幕のグラン・フェッテですが、テクニックの違いが良くわかりますね。

今回の公演は、ザハロワはパスして、寺田さんとマイレンの日に行く予定です。平日昼間公演なので、会社を半休しなければならなくて、本当に行けるか不安ですが、頑張ります。

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ドキュメンタリー「エトワール 最後の60日」 ~密着 マニュエル・ルグリのバレエ人生~ Manuel Legris Adieux Documentary/映画「パリ・オペラ座のすべて」

ダンソマニ日本版経由の情報です。(いつもありがとうございます)

マニュエル・ルグリのアデュー公演の様子を収めたドキュメンタリーが、NHKハイビジョンで放映されます。

http://www.nhk.or.jp/bs/genre/docum_7later.html

ハイビジョン特集 ドキュメンタリー 「エトワール 最後の60日」 ~密着 マニュエル・ルグリのバレエ人生~ 8月21日(金) 午後8:00~11:00

ドキュメンタリー「エトワール 最後の60日」 ~密着 マニュエル・ルグリのバレエ人生~ (60分予定)
パリ・オペラ座バレエ団公演「ドン・キホーテ」 (120分予定)

世界屈指のバレエ団、パリ・オペラ座バレエ団のエトワール(最高位のダンサーの称号)マニュエル・ルグリが、今年5月に定年のためパリ・オペラ座を引退した。1963年生まれの45歳、今なお完璧なテクニックと繊細な表現力で圧倒的な存在感を示すルグリは、世界最高峰のダンサーとして、世界中のバレエファンを魅了し続けている。
番組では今年3月から5月15日の引退公演まで、ルグリのオペラ座での最後の日々に密着。過酷なレッスンや若手への指導など、知られざるエトワールの日常を紹介しつつ、全身全霊を込めた引退公演に向けての舞台裏のドラマをつぶさに伝える。さらにルグリ全盛期の映像や、他のトップダンサーたちの証言、ルグリ自身のインタビューを散りばめ、ルグリのバレエ芸術の神髄に迫る。NHKとパリ・オペラ座の共同制作。
またドキュメンタリーに続いてパリ・オペラ座バレエ団公演、マニュエル・ルグリ主演によるバレエ「ドン・キホーテ」をノーカット放送。ルグリ30歳代の輝かしい舞台映像をじっくりとごたんのういただく。

ナレーター 上川隆也


ルグリのアデュー公演にNHKのカメラが入っていたとは聞いていましたが、いよいよ放映されるんですね。おそらく「オネーギン」は権利の関係上、カーテンコールくらいしか出ない気がしますが。NHKとオペラ座の共同制作ということで気合が入っていますね。

しかしハイビジョンの放映なんですね…。うちは一応ハイビジョンは観られるんですが、ハイビジョンが観られない人も多いわけですし、せっかくのNHK共同制作なのだから地上波でも放映してほしいですよね。

7月25日(土)の「Esprit ~エスプリ~ローラン・プティの世界」 (BShi 7月25日(土) 午前9:00~11:30)の放映もあるし、うちのDVDレコーダーもすっかりガタがきているので、そろそろBlu-Ray機を導入しようと思うんですけどね。

*******

パリ・オペラ座関係ではもう一つ、今朝のテレビのワイドショーで試写会の様子が放送されていましたが、フレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー「パリ・オペラ座のすべて(原題La Danse - Le Ballet de l'Opéra de Paris )」が今年の秋、公開されますよね。

日本のオフィシャルサイト(まだあまり情報はないですが)もアップされていました。

http://www.paris-opera.jp/

キャスト等、もう少し詳しい情報はこちら
http://www.cinematoday.jp/movie/T0007713

Bunkamuraル・シネマのラインアップ情報
http://www.cinematoday.jp/movie/T0007713

「パリ・オペラ座のすべて」

今秋公開予定

監督:フレデリック・ワイズマン
出演:マチュー・ガニオ マリ=アニエス・ジロ ニコラ・ル・リッシュほかエトワール総出演!
配給:ショウゲート
2009年/フランス/158分

創立以来、300年以上にわたりバレエ界のトップに君臨し続けるパリ・オペラ座バレエ団。その内部をパリ・オペラ座全面協力のもと、巨匠ワイズマン監督が密着撮影により赤裸々に描きだす。エトワールらトップダンサー達の練習風景・リハーサル・公演はもちろん、経営陣の会議や広報活動、資金集め、また、あまり知られていないパリ・オペラ座自体の秘密にも迫る、豪華かつ驚きに満ちた158分。バレエの殿堂の謎が今、明かされる―。

フランスでの公開も今年の10月7日予定だそうです。試写を観た方の話では、とても素敵なローラン・イレールの姿が拝めるそうです。

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2009/07/02

マリイン・ラドメイカー主演チューリッヒ・バレエ「Peer Gynt」DVD化 DVD of "Peer Gynt" Marijn Rademaker

シュツットガルト・バレエのマリイン・ラドメイカーが客演して、2009年ドイツダンス賞に輝いた「ペール・ギュントPeer Gynt」(ハインツ・シュペルリ振付)がBel Air ClassiquesからDVD化されるとのことです。Amazon.frでは商品ページができていて、予約可能になっています。9月10日発売だそうです。

Peer Gynt: choregraphie H. Spoerli
http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/B002DMIJQA/

いつもDVDに関して詳しい情報をお知らせしてくださるSide B-alletのゆうさんに詳しい情報を教えていただきました。ありがとうございます!他のキャスト等詳しい情報は、以下Side B-alletさんリンク先でご覧くださいね。
http://sideballet.com/archives/2009/06/29-192421.php

この作品、昨年12月にチューリッヒで上演された時には、スイスのテレビで生中継されました。今年3月、エッセンで行われたドイツ・ダンス賞の授賞式ガラで、マリインが踊る予定だったのですが、怪我のために上演されず、ダイジェスト映像が上映され、観ました。ちょっと癖がありますが、とてもユニークな作品です。

マリインのオフィシャルサイトにもお知らせが載っています。
http://www.marijnrademaker.de/Marijn_Rademaker_-_Principal_Dancer_-_Stuttgart_Ballet/News_and_performance_dates.html

P1030858s

ドイツ・ダンス賞の授賞式で販売されていたプログラム (マリイン特集)はダウンロードできます。(会場では15ユーロで売っていたのですよね。ただし、売っていたやつはカラー写真もありますが、PDF版は全部モノクロです)
http://www.ballett-intern.de/downloads/festschrift_zukunft-2009.pdf (PDF)

マリインの写真が満載です。子供時代の写真の写真も何点かあって、想像つくと思うけど超可愛くて天使みたいです。女の子たちの間で一人男の子がバーレッスンしているのって、「リトル・ダンサー」っぽくて本当に可愛いんですよね。

ドイツ・ダンス賞ガラの感想はこちらです。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2009/03/german-dance-pr.html

なお、マリインですが、6月にドイツ・カールスルーエでのガラに「椿姫」でスージン・カンと踊ったものの、その後怪我をしてしまい、チリのサンチアゴ・バレエのガラ出演はキャンセルになってしまいました。今シーズンはもう踊らないそうです。このガラには、マニュエル・ルグリとレティシア・プジョルも出演し、やはり怪我で舞台から遠ざかっていたレティシアがノイマイヤーの「シルヴィア」からのパ・ド・ドゥを踊り、見事に復活したとのこと。

*****
シュツットガルト・バレエ関連でもう一つ。7月8日、9日にシュツットガルトオペラ劇場に隣接した小劇場Schauspielhausにて、「若手振付家の夕べJunge Choreographen 2009」が開催されます。
こちらは、日々これ口実のebijiさんに教えていただきました。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/

今回振付を行うのは以下の方々です
Demis Volpi, Evan McKie, Stefan Stewart, Mikhail Soloviev (alle: Stuttgarter Ballett)
Armando Braswell (Gauthier Dance, Stuttgart)
Joseph Morrissey (Bayerisches Staatsballett, München)
Lucas Jervies (Scapino Ballet, Rotterdam)
Raimondo Rebeck (Berlin)

シュツットガルト・バレエのダンサー4人、そして他に4人の振付家の作品が登場します。レイモンド・レベックは、去年夏のProuds and Hope of Japan Galaのプロデューサーをつとめられていましたね。
残念ながら今シーズン限りでシュツットガルト・バレエを退団して、本格的に振付家に転身するステファン・スチュワート、そして新プリンシパルのエヴァン・マッキーの作品も上演されます。エヴァンも今シーズンは出演はないそうです。

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2009/07/01

6/28夜 新国立劇場バレエ団 「ローラン・プティのコッペリア」Roland Petit's Coppelia New National Ballet Theatre

新国立劇場バレエ団 《コッペリア》(6月28日)ソワレ

【振 付】ローラン・プティ
【音 楽】レオ・ドリーブ

キャスト
スワニルダ  :タマラ・ロホ(英国ロイヤル・バレエ)Tamara Rojo
フランツ    :ホセ・カレーニョ(ABT) Jose Manuel Carreno
コッペリウス  :ルイジ・ボニーノ Luigi Bonino
コッペリア   :人形 (←ちょっとウケた)
スワニルダの友人:西山裕子/さいとう美帆/伊東真央
         寺田亜沙子/細田千晶/寺島まゆみ
ほか新国立劇場バレエ団

http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000087_ballet.html

初日を観た友達から、ホセ・カレーニョはあまり調子が良さそうではなかったと聞いていて、期待半分、不安半分で臨んだ舞台。セット券で持っていた初日を、主演の女性を回避するために手放してしまった。後になって買ったチケットだったためかなり端の席になってしまい、上手のバルコニーに座っているコッペリア人形が見えなかった。途中で人形は降りてくるので、大きな問題ではなかったけど。

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最初の方はホセ、やっぱりちょっと身体が重いかな、と思ってしまったけど、途中から調子を取り戻してきた。このフランツは、スワニルダのことはあまり眼中になくって、コッペリアに夢中。スワニルダが色っぽく迫ってきても、ひょいとかわしてコッペリアに投げキッス。ぷーっとふくれるスワニルダ。

タマラ・ロホもホセ・カレーニョも、とにかく演技が達者で、恋の駆け引きを表現するのがすっごく上手い。タマラは、スワニルダの一般的なイメージと比較すればちょっと色っぽすぎるところもあるし、ホセもフランツ役にはちょっとアダルトなんだけど、いい男にいい女、スペイン語で言えばグアーパ・グアーポな二人のバランスは見事。

特にタマラは、プティの「カルメン」でブノワ賞を受賞しただけあって、プティ独特の小粋でニュアンスのある肩や腰の動かし方、視線の送り方がさまになっている。セクシーなんだけど、すっごく可愛い。細長いスタイルの新国立のダンサーの中では、腰が太いし、プロポーションに恵まれているわけではないのだけど、存在感は鮮烈。

長~いバランスや、1回転と4分の一ずつ回って、少しずつ向きを変えるフェッテ(その中にトリプルなども織り交ぜて)など、抜群のテクニックを見せながらも、それが決してテクニック自慢にならないのが、タマラの素晴らしいところ。

タマラの人形振りも見事なもので、すごくキュートだった。黒いチュチュが良くお似合い。プティ版コッペリアでは大抵スワニルダは前髪を下ろしていて少女っぽいのだけど、タマラはきれいなおでこを出していて、大人っぽい。美脚にこだわりのあるプティが、決してプロポーションが良いとは言えないタマラを気に入っているのはなぜか、観るまでは考えていた。実際に黒いチュチュを着ているタマラを観ると、スタイルの全体的なバランスはいいし、彼女ならではの個性を上手くこの役の中に表現しているのがわかった。イタズラっぽく可愛い中にも、ファム・ファタル的な魅力があって、他のどのダンサーとも違っているスワルニダを作り上げている。彼女はリハーサルのために一旦来日した後、ロイヤル・バレエのワシントン公演の「マノン」に出演し、公演直前に戻ってきたとのことで、それほどリハーサルもできなかっただろうに、これだけ役柄を作りこんできたのが素晴らしいと思った。

ホセ・カレーニョは、フランツ役を踊ってもとってもエレガントで、得意の減速しながら惰性で回ってきれいにフィニッシュするピルエットが健在。2年後のABT引退がもったいないと思えるほど、好調だった。技のキレはたしかに以前ほどではないけれども、何しろこの人の踊りは美しい。マネージュもふわりと浮かび上がるようだし、軸はずれないし、サポートはうまいし。ちょっと大人っぽいけれども、バジル役を得意としていることからも、洒落っ気や茶目っ気は十分あるので、こういうフランツも、プティ版だったらありだな、って思う。それに、タマラ・ロホと踊れてすっごく嬉しい、っていうのが踊りによく出ているのだ!

スワニルダのお友達は、みんな綺麗なんだけど、ちょっと地味かな。すごく可愛いピンクの衣に身を包んだ綺麗な女の子たちが、お尻をふりふりしたり、大げさに騒いでみたり。だけど、頑張ってエスプリを出そうとしていますって感じが見えてきちゃう。こういうのは照れを見せちゃいけないのよね。中では、やっぱり西山さんと寺島まゆみさんが、良かったと思う。まゆみさんは、手のニュアンスのつけ方にエスプリが効いているし、西山さんはとにかく動きが綺麗!

兵隊さんの中では、やっぱりマイレンが最高!特に1幕でン~って投げキッスをしたり、ものすごい表情をしてスワニルダを見つめたり、ブチュっと音を立てて川村さんにチューしたり、スワニルダの動きにいちいち反応したり眉毛を動かしたり、投げキッスを受け止めたり、演技が濃くて笑えて、真ん中から目を離してしまうので困っちゃうほど。後半のジャンプ合戦もマイレンはさすがの軽やかで綺麗なジャンプで、こんな小さな役でもったいないんだけど、サービス精神の旺盛さといったら、もう!たまりません。

やはりサービス精神満点だったのは、群舞の娘たち。湯川さん、西川さん、大和さん、川村さん、千歳さんといったベテラン勢投入で、彼女たちの演技がすごく楽しかった。お化粧も、白塗りにほっぺをおてもやんのようにして、まつげを大げさに描いて、遊んじゃって、もう!その中でも、いちいち受けの演技が巧みな大和さんが最高だった!大和さんを群舞の中で見つけると、安心してしまう。(そして、大和雅美ファンクラブのブログは本当に面白くて最高!これを読めばきっと誰でも"隊長"大和さんのファンになること間違いなし)

さて、この作品の隠れた主役はコッペリウスだ。かつてローラン・プティ自身がコッペリウスを踊ったマルセイユ・バレエ公演の映像を見せてもらったことがある。プティのコッペリウスはダンディで優雅な老紳士で、それだけに人形に恋した男の哀れさが胸に伝わってきて、切ない想いをさせられたのが印象的だった。ルイジ・ボニーノのコッペリウスは、とても芸達者でユーモラスなんだけど、笑いを取る方向に走ってしまって、コッペリアに対する愛が足りない。もう少し人形コッペリアを大事に扱って欲しいな、と思った。

プティ版「コッペリア」は小粋な中に悲哀があってすごくいい作品だし、タマラとホセというスターの魅力も十分味わうことができて良かった。衣装が超キュートでセンスが良い。でも、主役3人以外の出番があまりないし、上演時間は短いし、ちょっと物足りない感じ。何回も繰り返して観るような作品ではないのだ。今度バーミンガム・ロイヤルのデヴィット・ビントレーが芸術監督になるのだから、ピーター・ライト版の「コッペリア」を上演して欲しいなって思った。

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