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  • 東北地方太平洋沖地震 義援金

2014/09/16

NBAバレエ団「ドラキュラ」公演

NBAバレエ団が、大貫勇輔さんをゲストに迎え、10月25日、26日に「ドラキュラ」公演を行います。

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http://nbaballet.org/performance/2014/dracula/index.html

今回が日本初演となるマイケル・ピンク振付の「ドラキュラ」は、1996年に英国のノーザン・バレエ・シアターで初演されました。それ以降、ピンクが芸術監督を務めるミルウォーキー・バレエを始め、ワシントン・バレエ、コロラド・バレエ、アトランタ・バレエ、ロイヤル・ニュージーランド・バレエ、ノルウェー国立バレエなど世界中のバレエ団で上演されて、実に100万人近くもの観客を動員している大ヒット作です。

「ドラキュラ」の原作者、ブラム・ストーカーの出版100周年を記念して初演されたこの作品は、アメリカでは「歩くホラーショー」と呼ばれていて、観客も映画「ロッキー・ホラー・ショー」を観る時のように、仮装して劇場に現れるなど社会的な現象も起こしてきたそうです。

舞台装置と衣装のデザインは、現在日本で大ヒット上演中の「白鳥の湖」、そして「ザ・カー・マン」「プレイ・ウィズアウト・ワーズ」などマシュー・ボーンのほとんどの作品でスタイリッシュなデザインを手掛けてきたレズ・ブラザーストーン。コロラド・バレエでこの作品を踊り、作品に惚れ込んだ久保紘一芸術監督が、満を期して日本初演を実現させました。演出についてもブロードウェイミュージカル的で、舞台装置そしてその転換のギミック、特殊効果の使い方についても「凄い!!!」の一言とのことです。現在、アメリカより振付指導者を招聘し、大貫さんも交えてのリハーサルが行われています。

予告映像
http://youtu.be/q4nFbQp_Y6k

リハーサル映像
http://youtu.be/hnqOnZLqPOg

また、準主役である弁護士、ジョナサン・ハーカー役を25日はNBAバレエ団の芸術監督であり、コロラド・バレエのプリンシパルとして長年活躍してきた久保紘一さんが演じるのも話題です。

ワシントン・バレエで上演された時の映像
http://youtu.be/BUdJsA4XSHY

主演の大貫勇輔さんは、8月末にはラスタ・トーマスの『Argentango/Rock The Ballet2』に唯一の日本人として出演、超絶技巧を誇るダンサーたちの中にいても、ひときわ踊りの素晴らしさ、存在感で際立っていたとのことです。昨年のマシュー・ボーン『ドリアン・グレイ』への主演、7月はミュージカル「ピーターパン」ではフック船長役、6月の新国立劇場での「ダンス・アーカイヴ」では「春の祭典」を平山素子さんと踊るなど、最近の活躍ぶりは目覚ましい限りです。今回は、初の本格的な全幕バレエ作品への出演となります。

ちょうどハロウィン直前の上演でもあるし、今年の秋一番楽しめる作品なのではないでしょうか。とても楽しみです。

日時:2014年10月25日(土)開演18:30(予定)
    10月26日(日)開演15:00(予定)

会場:五反田ゆうぽうと

振付:マイケル・ピンク(ミルウォーキーバレエ団 芸術監督)
作曲:フィリップ・フィーニー
演出:久保紘一
舞台デザイン:レズ・ブラザーストーン
バレエミストレス:野田 美礼/ナディア・トンプソン

Dracula ドラキュラ 大貫勇輔
Jonathan Harker  ジョナサン ハーカー 久保紘一 25日/大森康正 26日
Lucy ルーシー 田澤祥子
Mina Harker ミナ ハーカー 峰岸千晶
Van Helsing ヴァン ヘルシング 三船元維
Renfield レンフィールド 古澤良
Quincy クインシー 皆川知宏
Arthur アーサー  泊陽平

S席10000円・A席8000円・ B席5000円・学生3000円

2014/09/13

Bunkamuraル・シネマ11月ロードショー予定 アニエス・ルテステュ 「至高のエトワール~パリ・オペラ座に生きて~」予告編

アニエス・ルテステュの2013年10月「椿姫」でのアデュー公演までの日々を追ったドキュメンタリー映画 「至高のエトワール~パリ・オペラ座に生きて~」が、Bunkamuraル・シネマにて11月ロードショー予定です。

とても素敵な予告編がアップされていたので紹介します。

http://youtu.be/LipdApTLHz4

予告編を見たら、ジョゼ・マルティネス、ステファン・ビュリヨンのほか、ウィリアム・フォーサイスやイリ・キリアンなども出てきて、フォーサイスの作品を踊るアニエスの映像などもあり、期待が高まります。

http://www.bunkamura.co.jp/topics/cinema/2014/08/etoilemaeuri.html

「至高のエトワール~パリ・オペラ座に生きて~」
AGNÈS LETESTU L'APOGÉE D'UNE ÉTOILE
監督:マレーネ・イヨネスコ
キャスト:アニエス・ルテステュ、ジョゼ・マルティネス、ローラン・イレール、ステファン・ビュリョン
配給:アルシネテラン
2013/フランス/93分/フランス語・英語

2014/09/10

10/1はWorld Ballet Day ボリショイ、ロイヤルなど5カンパニーからのネット生中継

ボリショイ・バレエ、ロイヤル・バレエ、ナショナル・バレエ・オブ・カナダ、オーストラリア・バレエ、サンフランシスコ・バレエというトップカンパニーが、10月1日の1日を使ってカンパニーからネット中継をするという画期的な試みが行われます。

http://youtu.be/WHSYBwtroXw

World Ballet Day – Global First: Five World-Class Ballet Companies, One Day of Live Streaming on Wednesday 1 October
http://dancetabs.com/2014/09/global-first-five-world-class-ballet-companies-one-day-of-live-streaming-on-wednesday-1-october/

英国時間順ですが、並べるとこんな順番で中継が行われます。(英国との時差は8時間)

The Australian Ballet - 4am British Summer Time (GMT +1)
The Bolshoi Ballet - 8am
The Royal Ballet - 12pm
National Ballet of Canada - 4pm
San Francisco Ballet - 8pm

バレエ団で行われるクラスレッスンやリハーサル、舞台裏の様子などバレエ団の一日が4時間ずつ中継されます。しかも、時差の関係で生で観られない人のために、各バレエ団のYouTubeチャンネルでアーカイブも行われます。中継の間、ダンサーたちはソーシャルメディアで質問を集め、中継の中で答えてくれる、なんてこともしてくれます。

ロイヤル・バレエのリリース
http://www.roh.org.uk/worldballetday

オーストラリア・バレエ
http://www.behindballet.com/join-us-for-world-ballet-day-live/

ナショナル・バレエ・オブ・カナダ(PDFのリリース)
http://national.ballet.ca/uploadedFiles/MediaReleases/World%20Ballet%20Day.pdf

サンフランシスコ・バレエ
http://www.sfballet.org/worldballetday

サンフランシスコ・バレエはこのイベントに参加するための3万ドルの資金を、Kickstarterで募集しています。
https://www.kickstarter.com/projects/sfballet/sf-ballet-on-world-ballet-day-live

バレエ団が垣根を越え、国境を越えて合同でこのようなイベントをやるのは素晴らしいですね!しかも少しずつ時差のある場所で順番に中継がリレーのように行われるのがとても面白いです。バレエ団に親しみを持たせることができて良いですね。

ボリショイ・バレエ「マルコ・スパーダ」がcultureboxで視聴可能

今年の5月に映画館で上映されたボリショイ・バレエの「マルコ・スパーダ」。ピエール・ラコットがルドルフ・ヌレエフのために振付けた作品です。

私も4月にNYの映画館で観たのですが、内容はしょうもないところもありますが、踊りがとにかくたっぷりでとても楽しい作品でした。キャストが豪華なんです。ホールバーグ、オブラスツォーワ、スミルノワ、チュージン、そして東京バレエ団のドン・キホーテに出演するスタシュケヴィチ、ロパーティンも出演しています。ボリショイ・バレエの群舞のレベルの高さも実感できます。

観たときの私の感想
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2014/04/post-5727.html

この「マルコ・スパーダ」が全編、cultureboxで無料で視聴できます。来年の9月8日まで。
http://culturebox.francetvinfo.fr/live/danse/danse-classique/marco-spada-par-pierre-lacotte-au-theatre-bolchoi-158711

cultureboxでは今後も、10月4日のパリ・オペラ座バレエ、ルフェーブルさよなら公演の「エチュード」ほかとデフィレの中継とアーカイブ視聴が行われます。また、同じくパリ・オペラ座のバレエ、アンヌ・マリー・ケースマイケル振付の「レイン」公演は、10/31の公演がArte Concertとオペラ座公式サイトで生中継される予定となっています。

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2014/09/07

指揮者小澤征爾さんと気鋭のバレエダンサー二山治雄さん(9/8 NHK)

「サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)松本」の9月6日の公演で、指揮者小澤征爾さんが今年のローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した二山治雄さんと初共演しました。小澤さんがバレエで指揮するのは初めてなのだそうです。

二山さんの踊りは、こちらのNHKのニュースや、
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20140907/4382871.html

朝日新聞の記事で、動画で観ることができます。
http://www.asahi.com/articles/ASG9653HLG96UOOB00G.html?ref=rss

時事通信のこの写真では、美しく伸びたグラン・ジュッテが見られますね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140906-00000053-jijp-soci.view-000

なお、NHKのニュースウォッチ
http://www9.nhk.or.jp/nw9/

では、2014年9月8日(月)午後9:00~午後10:00

▽指揮者小澤征爾さんと気鋭のバレエダンサー 79歳×17歳・魂の競演

の放映が予定されていますので、テレビで観ることもできますね。

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2014/09/02

シディ・ラルビ・シェルカウイ + ダミアン・ジャレ「BABEL(words)」

シディ・ラルビ・シェルカウイといえば、森山未來が主演した「TeZukA」、首藤康之が出演した「アポクリフ」、アクラム・カーンとコラボレートした「ゼロ度」、パリ・オペラ座に振付けた「ボレロ」そして映画「アンナ・カレーニナ」など様々な作品を手掛けている。

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提供:創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会
photo: Yoshisato Komaki

が、今回の「バベル」、実は事前の予想を大幅に裏切り、上記の作品とはかなり違った雰囲気がありつつ、非常にユニークで刺激的で、そして面白い作品だった。コンテンポラリーダンスというと難解な印象があるし、坂本龍一が選んで札幌国際芸術祭に招聘したということもあって、ハイブロウな作品なのかな、と思っていたら、思いがけず笑える部分があったり、知的な部分をくすぐりつつも全体的には非常にわかりやすく、誰が観ても楽しめる総合芸術だった。

まず、アントニー・ゴームリーによる舞台装置が秀逸。軽量の金属でできた、足場のような立方体が組まれていて、舞台奥の少し高いところにはミュージシャンが。この金属製の立方体が、出演者の手で動かされ、題名通りのバベルの塔になったかと思えば、出演者を隔てる小部屋にもなり、境界線となり、またジャングルジムや物干し、さらには移民局か、それとも空港のゲートなのか、といった形にも変化する。シンプルで洗練されていて、まさにセンス・オブ・ワンダー。

舞台上で演奏される音楽も作品と一体化していて、新しさと懐かしさが同居していて美しく、見事だ。ミュージシャンは演奏するだけでなくて出演者として動いて見せることもあり、阿部一成さんは上月一臣さんと漫才のような掛け合いをするし、拭き掃除したり、洗濯物を干したりしていたエプロン姿のおばさんは、哀愁を帯びた深みのある歌声を聞かせてくれたクリスティーン・ルブテ。民族音楽的な雰囲気が漂うが、般若心経の読経なども音楽として使われる。音楽そのものが、作品の中で進化していく様子もうかがえる。最初はややシンプルだった中世音楽に、弦楽器、笛、歌などが入っていくのだ。音楽は、中世イタリア音楽を専門とする音楽家二名とインドのタブラ、ハーモニウム(手動フイゴオルガン)奏者二名と太鼓、篠笛、能管、胡弓、歌などを担当する吉井 盛悟さん(もしくは阿部 一成さん)の五人で構成されているとのこと。

テーマは、異文化間のコミュニケーション。神にとどけと巨大な塔を築いた人間達が、神の怒りを買い、もう二度とはかりごとができないようにと、神は人間の言葉を混乱させて互いに通じないようにしたという逸話に基づいている。この作品のために10を越える国からダンサーやミュージシャンが集まったそうで、実際、様々な言語が舞台上を飛び交う。特に前半はセリフが多く、ダンス作品というよりは、ライブ・パフォーミングアートというのに近いように感じられたけど、とにかくライブ感がすごい。

http://youtu.be/GhTQ86gY3qk

冒頭で美しいマイムを見せながら言葉のないコミュニケーションの伝達について語るは、アンドロイドのマヨン。長身金髪でまさにサイボーグ的な美女。そんな美女をいじりからかうのが、小柄な日本人二人で、日本語で漫談を繰り広げるのだから可笑しい。蛇口をひねったらポンジュース、なんてネタが出てくるけど、これは今回の日本公演だけでなく、世界各地の上演でも登場するというのだから振るっている。

英語の優位性を一人の男性が滔々と述べると、ほかの出演者が、スペイン語、イタリア語、フランス語の素晴らしさを反論のように語るのだけど、その言葉をわからなくても、なんとなく何を言っているのかわかるようなベタな単語をまくし立てているのでわかっちゃうのも面白い。その一方で、一人の女性に求愛するようにまとわりつく(毛深い)男性がいるのだが、この二人の気持ちは最後まで通い合わない。このあたりのシークエンスを観ると、シェルカウイの作品って、スタイルは全く違うのに、ピナ・バウシュ的な部分があるように感じられた。一人一人の演者の人生が透けて見えるし、タンツテアター的な、感情のぶつかり合いがダンスになっていくところが特に。

この舞台には、まるでおもちゃ箱のように様々なスタイルのダンスが登場するのだけど、一見バラバラなように見えて、その配置が実に見事だし、作品全体の構成も巧みでぞくぞくするほど興奮する。少林寺拳法、ヒップホップ、バレエのパ・ド・ドゥ的な動き。圧巻なのは、後半、出演ダンサーたちほぼ全員が一つの塊のようになって、ゆっくりと踊る美しくも禍々しいシーン。合体ロボットのようにダンサーたちが組み合わさって、モンスターが登場するようなイメージも鮮烈だ。いろんなダンスのスタイルを取り入れながらも、観たことがないようなダンスへと作り上げるシェルカウイのクリエイティビティは凄い。

脳が動きを伝達する仕組みについて語ったりと、テクストの内容は非常に知的なのに、そんな難しいことは理解できなくても、作品自体がエンターテインメント性にも溢れているので、幅広い観客層、ダンスなんて観たことがない人や音楽、アートが好きな人、コメディが好きな人までアピールする、とっても楽しい作品だった。実際、客席では笑いもたくさん上がっていたし、最後はものすごいスタンディングオベーション。この週末はあちこちでダンスやバレエ公演が行われていて、足を運べなかった人も多いと思うが、世界40都市以上で上演されてきたという人気も良くわかる傑作。ぜひ再演を期待したい。

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http://www.promax.co.jp/babel_words/index_all.html

http://www.east-man.be/en/14/20/Babelwords

 振 付:シディ・ラルビ・シェルカウイ(Sidi Larbi Cherkaoui)
     ダミアン・ジャレ(Damien Jalet)
 
 舞台装置デザイン:アントニー・ゴームリー
 
 出演(ダンサー):ナヴァラ・チャウダリ(Navala Chaudhari)
          サンドラ・デルガディジョ(Sandra Delgadillo)
          ウルリカ・キン・スウェンソン(Ulrika Kinn Svensson)
          クリスティーン・ルブテ(Christine Leboutte)
          ピアー・リーチ(Peae Leach)
          ダミアン・フルニエ(Damien Fournier)
          ヘルダー・ダ・シルバ・シーブラ(Helder da Silva Saebra)
          ジェイムス・オハラ(James O'Hara)
          ジョン・フィリップ・ファシスロトム(Jon Filip Fahlstrom)
          上月 一臣(Kazutomi Kozuki)
          モハメド・ベナジ・エイリアス・ベン・フューリー
          (Mohamed Benaji alias Ben Fury)
          フランシス・ドゥシャルム(Francis Ducharme)
          ダリル・E. ウッズ(Darry E.Woods)
 出演(ミュージシャン): 吉井 盛悟(Shogo Yoshii)*8/30, 31出演
           阿部 一成(Kazunari Abe)*8/29 出演
           パトリツィア・ボヴィ(Patrizia Bovi)
           マハブーブ・ハーン(Mahabub Khan)
           サッタル・ハーン(Sattar Khan)
           ガブリエル・ミラクル(Gabriele Miracle)

2014/08/29

毎日新聞掲載記事:バレエへの夢、未来開く トップダンサー被災地訪問に同行して

毎日新聞の8月18日夕刊に掲載された私の「エトワール・ガラ」出演ダンサーの東北チャリティレッスン記事、ブログに掲載して良いという許可を頂いたので、こちらにも掲載しました。

毎日新聞のサイトからも読むことができます。(ログインは必要ですが、無料で登録できます)
http://mainichi.jp/shimen/news/20140818dde018040007000c.html

寄稿:バレエへの夢、未来開く トップダンサー被災地訪問に同行して
毎日新聞 2014年08月18日 東京夕刊

 ひのき舞台に立つ日を夢みて、イラク唯一のバレエ学校で学ぶ17歳のリーザン・サレム。イスラム教では踊りはみだらなものとされ、この国でプロのバレリーナになるのは困難だ。その上、戦禍が続き、リーザンの友人も爆撃で死んだ。「どんなことがあっても、バレエを続けたい」。命がけで踊り続ける彼女を先ごろ、英国のテレビ番組が紹介し、感銘を呼んだ。

 大災害や戦乱の中では、命をつなぐこと、生活の再建が最優先となり、芸術や文化は後回しとされてしまう。だが、芸術は、生きる上での心の支えとなる。筆者はこのほど、世界のトップダンサーによる被災地訪問に、ボランティアの通訳として同行した。バレエを通じて明日を信じる姿を目の当たりにした、旅の模様を報告したい。

 ■   ■

 「エトワール・ガラ2014」公演のために来日したパリ・オペラ座バレエのエトワール(最高位)ダンサーらが7月末、仙台市、福島市など東日本大震災の被災地計5カ所で、チャリティーレッスンを行った。

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 石巻バレエ研究所(宮城県石巻市)では、2年前にも同校を訪れたオペラ座のドロテ・ジルベールと、独ハンブルク・バレエのシルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコが指導。生徒の年齢やレベルはさまざまだが、ダンサーは一人一人の体に触れながら丁寧に教える。子供たちが緊張しつつも心から喜んでいる様子が伝わってきた。「今回は、未来へと向かっていく力の芽生えを感じた」とジルベール。「ダンスがあれば、人生のつらい局面も乗り切れる。私も同じ経験をしてきました」

 アッツォーニは、レッスンの終わりに生徒を集めてこう伝えた。「私もイタリアの小さな町で踊り始めたの。バレエは生きる力、強い心を育てるし、夢をもつことが未来を開く。夢を決して諦めないで」。リアブコは、混乱が続くウクライナの出身。故国に残した家族や友人のことを思いながら、子供たちの未来のために指導した、と語った。

 生徒の谷川瑞華さんは「ドロテさんが私たちのことを忘れずに、また来てくれてうれしかった」と目を輝かせた。また、仙台市から参加した増田えみりさんによると、震災直後にはバレエを習っていない子供も教室に集まったという。「みんなで踊ることで、悲しみを乗り越えられた」と話してくれた。

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 ■   ■

 「今も遠い国から、東北に思いを寄せる人がいることを知ってほしい」と、ダンサーらは口をそろえる。どんなに絶望的な状況の下でも、未来への希望があれば、人は生き抜くことができる。

 冒頭のリーザンには、米国のバレエ学校から奨学金提供の申し出があり、渡米の準備を始めたところだ。災害や紛争の続く中、バレエを支えに生き抜く子供が、世界の各地にいる。今回トップダンサーに指導を受けた東北の生徒たちの中からも、世界へと羽ばたくダンサーは現れるだろう。(もり・なおみ)

8/29放送「日本舞踊とオーケストラ  ―新たなる伝統へ向けて―」

バレエではありませんが、昨年10月に、東京都、日本舞踊とオーケストラ実行委員会の主催により開催された
「日本舞踊とオーケストラ―新たなる伝統へ向けて―」の公演の模様が、8月29日(金)の22時より、NHK-Eテレ「にっぽんの芸能」で放送されます。

放送される演目は、女性舞踊家6名による「展覧会の絵(清姫)」、花柳壽輔と坂東玉三郎による「プレリュード(沈める寺)」、男性群舞40名による「ボレロ」です。

8月29日(金)22:00~22:58
http://www.nhk.or.jp/koten/arts/

詳しいキャストはこちらにありました。

http://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/news/post/10/

(2)「展覧会の絵」(清姫)
音楽:ムソルグスキー《展覧会の絵》より ラヴェル編曲
振付:藤蔭静枝   
美術:有賀二郎
出演:中村梅彌、西川扇千代、花柳貴代人、花柳せいら、藤間恵都子、水木佑歌
囃子:藤舎千穂、藤舎清穂、望月美沙輔

(3)「プレリュード」(沈める寺)
音楽:ドビュッシー《前奏曲集第1集》より P.ブレイナー編曲 「雪の上の足跡」「亜麻色の髪の乙女」「沈める寺」
振付:花柳壽輔   
美術:千住博
出演:花柳壽輔、坂東玉三郎(特別出演)

(4)「ボレロ」 音楽:ラヴェル
振付:花柳輔太朗
出演:男性群舞40名
吾妻豊太郎、泉秀樹、市山松扇、五條珠太郎、猿若清三郎、西川一右、
西川扇左衛門、西川扇重郎、西川扇衛仁、西川大樹、花ノ本海、花柳克昂、
花柳貴柏、花柳九州光、花柳恵右衛門、花柳源九郎、花柳琴臣、
花柳寿太一郎、花柳寿宜典、花柳輔蔵、花柳寿々彦、花柳寿美藏、
花柳静久郎、花柳達真、花柳近彦、花柳登貴太朗、花柳典幸、花柳昌克、
花柳昌鳳生、花柳芳次郎、花柳楽人、藤間勘護、藤間仁凰、藤間達也、
藤間直三、松風光陽、若柳吉央、若柳吉優人、若柳里次朗、若柳三十郎


なお、2月13・14日には「日本舞踊×オーケストラVol.2」が開催されます。
宝塚歌劇団のトップスター、轟悠が出演する「いざやかぶかん」、
花柳壽輔と麻実れいによる「パピヨン」、
吉田都と男性群舞による、バレエと日本舞踊のコラボレーション「ボレロ」など、
東と西の文化が、古典と現代が、ジャンルを越えて出会う舞台となります。

東京文化会館 舞台芸術創造事業「日本舞踊×オーケストラVol.2」
12月13日(土)18:30開演、14日(日)15:00開演

http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_141213.html

2014/08/27

木田真理子さんがレオニード・マシーン賞を受賞

今年栄えあるブノワ賞を受賞した、スウェーデン王立バレエの木田真理子さんが、今度は第42回レオニード・マシーン賞を受賞しました。

https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=3040029

世界的に権威あるバレエ賞の一つ、ブノワ賞を日本人で初めて受賞したスウェーデン王立バレエ団の木田真理子さん(31)がイタリアの「第42回レオニード・マシーン賞」に選ばれたことが27日までに分かった。同賞は批評家たちによって選ばれる国際的な賞。木田さんはその年のブノワ賞受賞者から選ばれる新設の「ブノワ・マシーン モスクワ・ポジターノ賞」に決まった。

 木田さんは共同通信に対し「本当にとても光栄なことで、気が引き締まります」とのコメントを寄せた。授賞式はイタリアのポジターノ市で9月6日に開かれる。〔共同〕

このレオニード・マシーン賞のサイトはこちらです。
http://www.positanopremialadanza.it/

なお、受賞者は以下の通りです。

Ana Laguna and Mats Ek  Award for Lifetime Achievement アナ・ラグーナとマッツ・エック 生涯における貢献賞

Christopher Wheeldon Choreographer of the Year クリストファー・ウィールダン 最優秀振付家賞

Olga Smirnova  Dancer of the year オルガ・スミルノワ 最優秀ダンサー賞

Mariko Kida  Benois / Massine Moscow / Positano  木田真理子 ブノワ・マシーン モスクワ・ポジターノ賞


木田真理子さんは、オフィシャルサイトも開設していますね。
http://marikokida.com/

http://youtu.be/ynIWouIIEAc

本当に素晴らしいことです。いつか日本で彼女の踊りが観られますように。

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シディ・ラルビ・シェルカウイ + ダミアン・ジャレ「BABEL(words)」札幌国際芸術祭での反響など

今週末、8月29日より31日まで東急シアターオーブにて上演されるシディ・ラルビ・シェルカウイ + ダミアン・ジャレ「BABEL(words)」。大注目の作品です。

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提供:創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会
photo: Yoshisato Komaki

この作品、一足先に8月22日、札幌国際芸術祭2014において上演され、大変な評判を呼んだようです。人間が身体でここまで表現できるのかという圧巻の舞台で、鳴り止まない拍手とスタンディングオベーションが続いたそうです。

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提供:創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会
photo: Yoshisato Komaki

https://www.facebook.com/siaf2014info/posts/868948303133420

公演をご覧になったお客様、そして浅田彰氏を始め、宮永愛子氏・毛利悠子氏、名和晃平氏、岡崎乾二郎氏と第一線で活躍するアーティストからのコメントが届いていますのでご紹介しますね。

http://youtu.be/LtMq1-wG-KY

ダンスだけでなく、舞台装置、音楽などいろいろ感じさせるものがあって、心に残る作品だったようです。

浅田彰さんは、「シェルカウイは、『アポクリフ』『TeZukA』で日本のダンサーや俳優と一緒にやったことで、いろんなもの、日本の文化や演劇的なところ、お笑いも学んでいる。そういった要素がすごく上手くミックスアップされていて、すごく前衛的な舞台なのに、部分的にお笑いがあったりしてそれがひとつになっている。日本のお客さん、東京のお客さんが観ても必ず楽しめる作品になっています」と絶賛しています。

名和晃平さんも「神経細胞についての言葉があって、ダンサーの動きが神経細胞を刺激して最後の方そんな感じで、彼らの身体能力が最後自分の体と一緒になって動く、フィジカルなところと、社会規範的なモラルを批評しようとする、すごくクールな表現が同時に実現されていて、非常に面白かった」と語っています。

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提供:創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会
photo: Yoshisato Komaki

私もこの公演は初日に観に行く予定ですが、ますます楽しみになってきました!チケットはまだあるそうなので、興味を持った方は是非ご覧になってくださいね。

日程 :2014年8月29日(金)~8月31日(日)
会場 :東急シアターオーブ(東京都渋谷区)
主催 :TBSテレビ、PROMAX

http://www.tbs.co.jp/event/babel2014/
http://www.promax.co.jp/info/2014/082901/

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