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2012/02/15

デヴィッド・ホールバーグのRTでのインタビュー映像 Interview Footage of David Hallberg on RT

Twitterで教えていただいた、デヴィッド・ホールバーグにロシアのメディアがインタビューしている映像(30分弱)を見ました。かなり突っ込んだ質問もあり、非常に興味深かったです。デヴィッドもインタビューアーも非常にわかりやすい英語で話してくれているので、聞き取りやすいインタビューでした。

ボリショイ・バレエに初めてプリンシパルとして入団した外国人として、ボリショイに入ったことをどう考えているのか、なぜ入団するに至ったのかということをじっくりと話してくれています。デヴィッドは、ボリショイに移籍しても、ほかのロシア人ダンサーたちのコピーではありたくない、アメリカとフランス(パリ・オペラ座学校)で学んだ自分のバックグラウンドを大事にしたいと語っています。そして、ボリショイのダンサーからは多くを学ぶけど、願わくば自分からもボリショイのダンサーに教えられることがあればと考えているとのことです。

彼が初めてボリショイの全幕の舞台に接したのは、イワン・ワシーリエフとナタリア・オシポワの主演した「パリの炎」だったそうですが、非常にエキサイティングで、60年代、70年代にボリショイが持っていた熱気をそのまま持ち続けていることに感動したそうです。また、ボリショイのダンサーたちが素晴らしいことは言うまでもないけれども、ロシアの観客がバレエダンサーに対して大きな敬意を払っていること、非常に教育の行き届いた、バレエをよく知っている良い観客であることにも感心したそうです。

まだロシア語は話せないけれども、ロシアで生活する以上は不可欠のため一生懸命勉強するよとも語っています。やはり一番難しかったことは、ロシアに移るという決心をしたことで、ロシア語もわからず唯一のアメリカ人団員であるということは大きな勇気がいったことではあるけれども、このチャンスを逃したことを後悔したくないと決意のほどを明らかにしています。

このように面白いインタビューは、日本の媒体ではなかなか望めないのが残念なことです。ボリショイ・バレエが60年代、70年代の熱気をそのまま持ち続けていてエキサイティングであるということは、先日の来日公演を観てもそうだと感じました。もちろん、私は60年代、70年代のボリショイを直接知っているわけではありませんが、その時代の映像を通して感じたものがそのまま舞台に再現されていたように思います。

http://rt.com/programs/spotlight/american-bolshoi-theater-ballet/

デヴィッド・ホールバーグとスヴェトラーナ・ザハロワが共演したボリショイ・バレエの「眠れる森の美女」は今週末のNHKプレミアムシアターで放映されます。また、このインタビューでも言及があるワシリエフ&オシポワ主演の「パリの炎」も同時放映されます。
http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

◇ボリショイ劇場 リニューアル記念公演 バレエ「眠りの森の美女」 全2幕 
2月19日(日)【18日(土)深夜】午前0時30分~午前4時45分
前半 0:30:00~1:37:30
後半 1:39:30~2:53:30

<曲目>
バレエ 「眠りの森の美女」全2幕
音楽:チャイコフスキー

<出 演>
(オーロラ姫)スヴェトラーナ・ザハロワ
(デジレ王子)デーヴィッド・ホールバーグ
(リラの精)マリア・アラシュ
(悪の精カラボス)アレクセイ・ロパレーヴィチ
(国王)アンドレイ・シートニコフ
(王妃)クリスティーナ・カラショーワ
(カタラビュート)ヴィターリ・ビクティミロフ
(花婿候補)カリム・アブドゥーリン
        パヴェル・ドミトリチェンコ
        ウラディスラフ・ラントラートフ
        ユーリ・バラーノフ
(白いねこ)ユリア・ルンキナ
(長ぐつをはいたねこ)イーゴリ・ツヴィルコ
(フロリナ王女)ニーナ・カプツォーワ
(青い鳥)アルテム・オフチャレンコ
(赤ずきん)アナスタシア・スターシケヴィチ
(おおかみ)アレクセイ・コリャーギン
(シンデレラ)ダリーヤ・コフロワ
(フォーチュン王子)カリム・アブドゥーリン

ボリショイ・バレエ団

<管弦楽>ボリショイ劇場管弦楽団
<指揮>ワシーリ・シナイスキー
<原振付>マリウス・プティパ
<改定振付>ユーリ・グリゴローヴィチ
<美術>エツィオ・フリジェリオ
<衣装>フランカ・スクァルチャピーノ
<照明>ヴィニチオ・シェリ

収 録:2011年11月16、20日
ボリショイ劇場(モスクワ)


◇ボリショイ・バレエ団公演 「パリの炎」
2:56:00~4:44:30
<曲目>
「パリの炎」全2幕
<出演>
ボリショイ・バレエ団

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2012/02/14

ユニバーサル・バレエ来日公演『This is Modern』キャスト

2月28日、29日に『This is Modern』の3演目で来日公演を行うユニバーサル・バレエの来日公演キャストが発表されています。

http://ameblo.jp/universalballetjapan/entry-11164547747.html

<キャスティング>
■PETITE MORT 「小さな死」(イリ・キリアン振付)
David:Hongil Min(ミン・ホンイル)
Jorma:Seunghyun Lee(イ・スンヒョン)
Stefan:Heonjae Jin(チン・ホンジェ)
Johann:Konstantin Novoselov(コンスタンチン・ノボセロフ)
Martino:Yevgeniy Khissamutdinov(エフゲニー・ヒスムタジノフ)
Paul:Dongtak Lee(イ・ドンタック)
Sol:Naeun Kim(キム・ナウン)
Nancy:Chaelee Kim(キム・チェリ)
Lorraine:Misun Kang(カン・ミソン)
Elke:Jieun Ahn(アン・ジウン)
Cora:Sungah Lee(イ・ソンア)
Jennifer:Yongjung Rhee(イ・ヨンジュン)

■SECHS TANZE 「ゼックス・タンツェ」(イリ・キリアン振付)
Karine:Jiyun Kim(キム・ジウン)
Paul:Jiyan Dai(ダイ・ジエン)
Marley:Seohye Han(ハン・ソへ)
Johann:Shih-Huai Liang(リアン・シウアィ)
Simone:Heaji Wang(ワン・ヘジ)
Glen:Taikyung Kwak(カク・テギョン)
Bibi:Aynsley Taylor Inglis(エインズレー・テイラー・イングリス)
Martin:Minwoo Kang(カン・ミヌ)

■In the middle, somewhat elevated 「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」(ウィリアム・フォーサイス振付)
Sylvie:Youhee Son(ソン・ユヒ)
Agnes:Jiwon Choi(チェ・ジウォン)
Vero:Jieun Ahn(アン・ジウン)
Myra:Hyemin Hwang(ファン・ヘミン)
Reggie:Yousun Kim(キム・ユソン)
Irene:Hoeun Kwon(クォン・ホウン)
Marc:Hyonjun Rhee(イ・ヒョンジュン)
Anders:Konstantin Novoselov(コンスタンチン・ノボセロフ)
Alan:Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)

■Minus 7 「マイナス7」(オハッド・ナハリン振付)
Solo:Youngdo Lee(イ・ヨンド) / Minwoo Kang(カン・ミヌ)
Pas de deux:Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)、Naeun Kim(キム・ナウン)
Corps:Youhee Son(ソン・ユヒ)、Misun Kang(カン・ミソン)、
     Naeun Kim(キム・ナウン)、Mengying Fang(パン・メンイン)、
     Jiyun Kim(キム・ジウン)、Yousun Kim(キム・ユソン)、
     Hoeun Kwon(クォン・ホウン)、Hyojung Choi(チェ・ヒョジョン)、
     Heaji Wang(ワン・ヘジ)、Sungmin Kim(キム・ソンミン)、
     Jimi Shin(シン・ジミ)、Dajung Lee(イ・タジョン)
     Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)、Hongil Min(ミン・ホンイル)、
     Heonjae Jin(チン・ホンジェ)、Seunghyun Lee(イ・スンヒョン)、
     Yevgeniy Khissamutdinov(エフゲニー・ヒスムタジノフ)、
     Jiyan Dai(ダイ・ジエン)、Minwoo Kang(カン・ミヌ)、
     Taikyung Kwak(カク・テギョン)、Shih-Huai Liang(リアン・シウアィ)、
     Youngdo Lee(イ・ヨンド)、 Mengfan Xu(ス・モンパン)、
     Shuang Lu(ウィ・シュアン)

今回の上演演目4作品について、ダンサーたちが紹介している動画がありますのでご紹介します。リハーサルの模様や、「小さな死」のスカートの仕組みなどもわかって興味深いです。

なお、ユニバーサル・バレエではこんなキャンペーンを実施しています。

■あなたも韓流イケメンバレエダンサー カン・ミヌ、イ・スンヒョンに会えるかも!? 『ユニバーサル・バレエ』舞台裏訪問が当たる!! つぶやきor書き込み キャンペーン

<キャンペーン内容>
◇キャンペーン名:あなたも韓流イケメンバレエダンサー カン・ミヌ、イ・スンヒョンに会えるかも!? つぶやきor書き込み キャンペーン

◇実施期間:2012年2月19日(日)まで
◇当選商品:日本公演の舞台裏訪問 2名様
◇応募方法:
(1)ブログ・Twitterいづれかに「ユニバーサルバレエ」と記入して書き込みください。
(2)記入したページのURLをinfo@universalballet.jpまでメールにてご連絡ください。
以上で応募終了です。
やり方は簡単!書き込む文章はオリジナルでもOKです!

※ツイッターの場合は、ハッシュタグ #ubcjapan を明記ください。


さて、先日、イ・スンヒョン、カン・ミヌを招いてのファンイベントが開催されたので、参加してきました。場内は大盛況で、トークショーとQ&Aタイムあり、バレエマイム講座ありでとても楽しい催しでした。バレエダンサーが一日をどのように過ごしているのかということもよくわかりました。2011年の韓国国際バレエコンクールで、イ・スンヒョンは銀賞、カン・ミヌは銅賞を受賞しているので、彼らは実力派なのですね。カン・ミヌくんはお弁当を先輩に食べられてしまって困っているという笑えるエピソードも披露されました。(しかし、新大久保に行くのって久しぶりだったのですが、いつの間にかすごいところになっていたんですね。びっくりしました)撮影タイムもあったので、あまり良く撮れていませんが写真も載せちゃいます。

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カン・ミヌ

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イ・スンヒョン

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『This is Modern』
Petite Mort/SECHS TANZE
In the Middle,Somewhat Elevated
MINUS7

2/28(Tue),29(Wed) @パルテノン多摩
⇒・ぴあ 0570-02-9999
 【東京公演】  (Pコード:417-732)

お問い合わせ:
047-329-6120 / info@universalballet.jp

新国立劇場バレエ団「アンナ・カレーニナ」「DANCE to the Future2012」出演者変更

新国立劇場のサイトにお知らせが載っていました。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20001865.html

福岡雄大は、怪我のため「アンナ・カレーニナ」および「DANCE to the Future2012」公演を降板することとなりました。

2012年3月17日に予定されていた「アンナ・カレーニナ」の「カレーニン」役は、マイレン・トレウバエフが、また「DANCE to the Future2012」上演作品「Butterfly」の4月21日公演は、奥村康祐が踊ります

福岡さんは「こうもり」では好調のようだったと聞いていますが、怪我をされてしまったのですね。この次には「白鳥の湖」が控えていますので、早い回復をお祈りします。残念ですが、「アンナ・カレーニナ」のカレーニン役は主役ではないもので、白鳥の王子に集中して欲しいですね。

代わりにマイレンさんがカレーニン役を演じられるということなので、こちらは楽しみです。また、「DANCE to the Future2012」の「Butterfly」には、注目の奥村康祐さんが出演されるということなので、こちらも必見ですね!
(しかし私の買っているチケットは22日なのですが―中劇場で人気の平山素子さん振付作品なので、チケットの売れ行きがものすごくいいようです)

シュツットガルト・バレエの新作「Das Fräulein von S」の映像

今シーズンでシュツットガルト・バレエの常任振付家を辞しチューリッヒ・バレエの芸術監督に就任するクリスチャン・シュプック(「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」の振付家としてよく知られていますよね)の新作(「オルフェオとエウリディーチェ、、「レオンスとレーナ」に続く3作目)「Das Fräulein von S」。

http://www.stuttgart-ballet.com/schedule/2012-02-16/das-fraeulein-von-s/

E.T.A.ホフマンの「スキュデリー嬢」を原作としたこの作品はフランスのルイ14世時代を舞台にした犯罪ロマンともいうべきものですが、マリシア・ハイデがタイトルロールのスキュデリ嬢役で出演する他(その分身Sは、小人の舞台女優であるMireille Mosséが客演してセリフを言う)、シュプックと共にチューリッヒ・バレエに移籍するカーチャ・ヴュンシュとウィリアム・ムーアが主役ともいうべき若い恋人たちを演じるなど、主要プリンシパルが総出演という豪華な作品です。音楽は、この作品のために委嘱されたHans Werner Henzeによるものですが、シューマンの弦楽四重奏やフィリップ・グラスなどの曲をコラージュしています。

また、スワロフスキーが華麗な衣装づくりに参加。スワロフスキーのサイトで、デザインや舞台の写真を見ることができます。
http://www.brand.swarovski.com/Content.Node/ourinitiatives/stagescreen/stage/stuttgart_ballet/gallery/image003.ja.html#/ja/ourinitiatives/stagescreen/stage/stuttgart_ballet


初演キャスト

LOUIS XIV, KING OF FRANCE|Arman Zazyan
MARQUISE DE MAINTENON, KING'S MISTRESS|Oihane Herrero
MADELEINE DE SCUDERI, POETESS|Marcia Haydée
S.|Mireille Mossé (a.G.)
RENÉ CARDILLAC, GOLDSMITH|Marijn Rademaker
MADELON, CARDILLAC'S DAUGHTER|Katja Wünsche
OLIVIER BRUSSON, CARDILLAC'S ASSISTENT AND MADELON'S BELOVED|William Moore
ARGENSON, MINISTER OF POLICE|Damiano Pettenella
LA REGNIE, PRESIDENT OF THE CHAMBRE ARDENTE|Jason Reilly
DEGRAIS, POLICE OFFICER AND DETECTIVE|Matteo Crockard-Villa
PIERRE ARNAUD D'ANDILLY, ADVOCATE|Alexander Zaitsev
GRAF MIOSSENS, COLONEL IN THE KING'S GUARD|Roman Novitzky
A DIAMOND|Alicia Amatriain
A RUBY|Anna Osadcenko
A SAPPHIRE|Myriam Simon
AN EMERALD|Angelina Zuccarini

この作品の舞台映像少々とリハーサルの模様、さらに今までのシュプックの主要作品の映像も観られるニュースサイトです。
http://www.swr.de/nachtkultur/angesagt/christian-spuck-ballett/-/id=3096806/nid=3096806/did=9079644/1bei4gd/index.html

初日の評(ドイツ語)、写真も何枚か。
http://www.tanznetz.de/koegler.phtml?page=showthread&aid=69&tid=22247

同じ記事の英語版です。
http://www.danceviewtimes.com/2012/02/christian-spucks-das-fräulein-von-s-offers-another-gem-to-the-ballets-inspired-by-eta-hoffmann.html

こちらの記事(ドイツ語)には作品のスライドショーが。衣装がとても素敵ですね。
http://www.stuttgarter-zeitung.de/inhalt.das-fraeulein-von-s-im-stuttgarter-ballett-im-bann-der-raetselhaften-schmuckstuecke.c691c7f4-23e8-4a60-89d9-cfdfd1023b19.html

マリシア・ハイデは2月28日よりシュツットガルト・バレエで上演される「ラ・シルフィード」にもマッジ役で出演します。

2012/02/13

新国立劇場バレエ団、寺島まゆみさん、芳賀望さん退団、「マノン」のレスコー役キャスト変更

新国立劇場バレエ団のサイトにお知らせが載っていました。

「『マノン』出演者変更のお知らせ」
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20001862.html

新国立劇場バレエ団ファーストソリスト芳賀 望とソリストの寺島まゆみは、本人の事情により、「こうもり」公演を最後に新国立劇場バレエ団を退団することになりました。

2012年6月24日、26日に予定されていた「マノン」の「レスコー」役は、古川和則が踊ります。

「マノン」出演者変更のお知らせ、という題名ですが、実際には、寺島まゆみさんと芳賀望さんが退団するというお知らせが中心でした。長年新国立劇場バレエ団で活躍し、主役も「くるみ割り人形」「シンデレラ」で踊った寺島まゆみさんの退団ですが、こんなにあっさりとした発表なのが残念です。芳賀さんも在籍期間は短かったのですが、最近までかなり主役を踊ってきたので、なんとも唐突な感じです。

いずれにしても、今後の寺島まゆみさん、芳賀さんのご活躍、ご多幸をお祈りいたします。

一方、その芳賀さんが踊る予定だった「マノン」の「レスコー」役は、古川和則さんが踊ることになったとのことで、古川さんのレスコーはなかなか合っているのではないかという気がします。ティボルト役に続き古川さんにとっての大きな役ですね。

そして、今シーズンは西山裕子さん、北原亜希さん、そして寺島まゆみさんと長年新国立劇場バレエ団を支えてきたベテランが退団したということで、寂しいというかちょっと心配になるこのごろです。


ついでなので、3月上演の「アンナ・カレーニナ」のダイジェスト映像約10分間がエイフマン・バレエのオフィシャルYouTubeチャンネルにアップされていたのでご紹介します。この難しい作品を踊りこなすことができる新国立劇場バレエ団って本当にすごい実力があるんだと思います。予習用にどうぞ。

1/31 ボリショイ・バレエ「スパルタクス」 Bolshoi Ballet "Spartacus"(まだ途中)

ボリショイ・バレエ「スパルタクス」Bolshoi Ballet "Spartacus"
http://www.japanarts.co.jp/html/2012/ballet/bolshoi/spartacus.htm

全 3 幕 12場、9つのモノローグ
台本:ユーリー・グリゴローヴィチ
(ラファエロ・ジョヴァニョーリの小説と古代史に基づく。ニコライ・ヴォルコフのシナリオを使用。)
音楽: アラム・ハチャトゥリアン
振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
美術: シモン・ヴィルサラーゼ
音楽監督・共同制作: ゲンナージー・ロジェストヴェンスキー
指揮: パーヴェル・ソローキン
管弦楽: ボリショイ劇場管弦楽団

スパルタクス(剣奴、反乱の指導者) : イワン・ワシーリエフ(ミハイロフスキー劇場プリンシパル・ダンサー)
クラッスス (ローマ軍の司令官) : アレクサンドル・ヴォルチコフ
フリーギア(スパルタクスの妻) : スヴェトラーナ・ルンキナ
エギナ(娼婦、クラッススの愛人) : エカテリーナ・シプーリナ
剣奴: アントン・サーヴィチェフ

2002年のボリショイ・バレエの来日公演を残念ながら見逃してしまった私にとって、念願の「スパルタクス」の生の舞台に接する貴重な機会だった。スパルタクス役をイレク・ムハメドフ、クラッスス役をアレクサンドル・ヴェトロフ、フリーギア役をリュドミラ・セメニャカが踊った1990年の映像が大好きで、もう何回観たことか。ムハメドフが素晴らしいのは言うまでもないけれども、ヴェトロフのクラッススは鮮烈で、彼が登場するオープニングシーンを観るだけでも大興奮なのであった。

今回は夢倶楽部会員招待でゲネプロを見せて頂いてからの鑑賞。ゲネプロは1幕はワシーリエフ&ヴォルチコフ&ルンキナ&シプーリナのファーストキャスト(衣装付き)、2,3幕は稽古着姿のドミトリチェンコ&バラーノフ&ニクーリナ&アレクサンドロワ。特に普段着姿で通し稽古をしているのが非常に興味深かった。

ボリショイの「スパルタクス」、とにかく凄いとしか言いようがない。タイトルロールのイワン・ワシーリエフは言うまでもなく、主要キャストから群舞、そしてオーケストラまで驚きのクオリティとぐいぐい惹きつけられる圧倒的なパワー、ドラマ性、美しいパ・ド・ドゥ、華麗な超絶技巧まで満載で、うちのめされるほどの凄さだった。

ワシーリエフがミハイロフスキーへ移籍してしまったこと、スパルタクスを代表的な役としているけれどもボリショイの中では彼はやや小柄であること、そして彼がテクニックに関しては凄いんだろうけど演技力は果たしてどうなのかということなど、不安要素はないわけではなかった。しかしながら、これらはすべて杞憂に終わった。

まずは冒頭の強烈なシンバル一発から始まる勇壮なメーンテーマでアドレナリンがぐっと上がり、スポットライトに照らされるクラッスス=ヴォルチコフのヒール役としての鮮烈な登場シーン。彼を担ぐローマ軍の行進、それに続くクラッスス役ヴォルチコフが見せる重厚さと軽やかさが共存するCの字連続ジャンプ、こんなにもしびれるオープニングのバレエ作品は他にはないだろう。このテーマ音楽を奏でるボリショイ管弦楽団の爆音がまた素晴らしい。

ワシーリエフは上記のとおり決して大柄ではないが、太ももの発達したマッチョな肉体から繰り出されるゴムマリのような跳躍は度肝を抜くものであり、全編通して踊りっぱなしであるにも関わらず最後までその勢いは衰えず、足先と頭がくっついてしまいそうなほど大きく反りながらのディアゴナルの連続グランジュッテ、空中に止まっているかのような跳躍、10回転ものピルエット、540(ファイブフォーティ)や斜めにきりもみ状態で回転するトゥールザンレールなどを鮮やかに見せてくれた。一つ一つの動きに英雄らしいカリスマ性がみなぎっており、クラッスス側の反攻に遭って力尽き磔のように串刺しにされるところまで、後世まで語り継がれるヒーロー、スパルタクスそのものとして舞台の上に存在していた。

奴隷として囚われ自由を奪われた怒りと哀しみ、愛する妻を侮辱された屈辱、知らずに剣闘士として友人を殺してしまった悲しみと苦悩、その苦悶を昇華させて一転リーダーとして戦う姿勢から殉教者としての死を迎えるまで、ワシーリエフは心を打つドラマティックで時には繊細な演技も見せていた。中でも、終盤のクライマックスである妻フリーギアとのパ・ド・ドゥは心を打った。妻に対するとめどない包み込むような愛情の中に見せる、やがて来るだろう永遠の別れへの予感には胸が掻きむしられた。見せ場の片手リフトでは、フリーギア役のルンキナを高々とリフトしながらワシーリエフはルルヴェでつま先立ちし、さらにアラベスクまで見せるという超絶技巧を披露したのには驚かされた。

(続く)


(以下主要キャスト)
道化役者たち: :チナーラ・アリザーデ、アンナ・オークネワ、
マリーヤ・ヴィノグラードワ、マリーヤ・ジャルコワ、
ヤニーナ・パリエンコ、アンナ・レベツカヤ、
バティール・アナドゥルディーエフ、アレクセイ・マトラホフ
エゴール・シャルコフ、アレクサンドル・プシェニツィ
3人の羊飼いたち:
ディミトリ・ザグレービン、デニス・メドヴェージェフ、アレクサンドル・スモリャニノフ
4人の羊飼いたち:
アレクサンドル・ヴォドペトフ、エフゲニー・ゴロヴィン、
ウラディスラフ・ラントラートフ、デニス・ロヂキン
羊飼いの女性たち:
スヴェトラーナ・パヴロワ、ダリーヤ・コフロワ、
ジュ・ユン・ベ、クセーニャ・プチョルキナ、ユリア・ルンキナ
娼婦たち:
アンナ・レベツカヤ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ、
マリーヤ・ジャルコワ、アンナ・オークネワ、
ユリア・グレベンシコーワ、クリスティーナ・カラショーワ、ヤニーナ・パリエンコ

The Bolshoi Ballet & The Bolshoi Orchestra
初演:1968年4月9日


これが超・おすすめの映像(ムハメドフ主演の映像は二つあるのでご注意を!)

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こちらは最新映像。ただしスパルタクス役はゲストのカルロス・アコスタで、ガルニエでの公演のため、ボリショイ管弦楽団による演奏ではないのが残念。

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2012/02/10

ミハイロフスキー劇場バレエのNY公演がキャンセルに American Ballet Theater Thwarts Mikhailovsky’s Summer Plans

ボリショイ・バレエの東京での公演が終わりました。あとは土日に兵庫で「ライモンダ」と「白鳥の湖」を上演してツアーは完了ですが、さすがにそこまで行く経済力も体力もないし、チケットも白鳥は完売、ライモンダも残り僅少だそうで。東京は平日の多い日程で連日見に行くのは本当に厳しかったですが、その分内容はものすごく充実しており、ボリショイ・バレエというカンパニーの底力を感じました。

実は前回の来日公演で、グリゴローヴィチ版「白鳥の湖」を観てがっかりして、もうこの「白鳥の湖」は観なくていいやと思って今回も白鳥に関してはチケットを買うのを躊躇していたほどなのですが、今回は非常に楽しむことができました。違いは何か、というと今回はボリショイ劇場管弦楽団が同行していて(訂正:前回もボリショイ管弦楽団は動向していました。間違っていて申し訳ありません。オーケストラがこなかったのは前々回でした)音楽に魂がこもっていて素晴らしかったのと、主演陣も、前回はセルゲイ・フィーリンが引退してしまったことで代わりに出演していたダンサーがあまりにも酷かったのに対して、今回は主演ダンサー(ルンキナ、チュージン、ラントラートフ)の他、中堅~若手のダンサーたちが育ってきており、外部からの新しい血がカンパニーに刺激を与えたことがあるのですはないかともいました。グリゴローヴィチ版「白鳥の湖」はバッドエンドで唐突に終わってしまって、その辺の好みは分かれると思いますが、それまでの踊りまくりで十分楽しませてもらって満足できました。今のところ、フィーリンによる変革も成功しているのではないでしょうか。

とにかく、ボリショイ劇場の皆さま、ジャパンアーツの皆様には感謝でいっぱいです。次回の来日公演は2014年12月となるとのことですが、待ちきれませんね。

なお、本日になってしまいましたが、本日(10日)16:53から始まる「Nスタ」(TBS)内で、今回のボリショイ・バレエ日本公演のミニ特集が放映されるとのとこです。 今シーズンでボリショイ・バレエを退団する岩田守弘さんの話題、現地取材など盛りだくさんの内容になるそうです。(ジャパンアーツのTwitterより

********

さて、そのボリショイを出てミハイロフスキー劇場バレエ(日本ではレニングラード国立バレエの名前でおなじみ)に移籍したナタリア・オシポワとイワン・ワシーリエフ。彼らを看板に、ミハイロフスキー劇場バレエはNY公演を今年の夏(6月19日~7月1日)、リンカーンセンターのDavid H.Koch Theater(旧ニューヨークステートシアター)にて予定していました。上演される予定の作品は、「ジゼル」と、ナチョ・ドゥアト新振付の「眠れる森の美女」。ところが、突然、この公演がキャンセルとなったと告知が出ていたのです。このサイトでは、キャンセルの理由の告知はなし。

http://davidhkochtheater.com/moreinfoMB.html

New York Timesにそのあたりのことが書かれています。
American Ballet Theater Thwarts Mikhailovsky’s Summer Plans
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2012/02/09/american-ballet-theater-thwarts-mikhailovskys-summer-plans/

ミハイロフスキー劇場およびオシポワとワシーリエフのエージェントを務めるArdaniのコメントによると、オシポワとワシーリエフがABTのMETシーズンにゲストをする関係で、その時期は競合するカンパニーに出演できないという同意を結んでおり、ミハイロフスキーのNY公演に出演できなくなったため、公演が成り立たなくなってしまったとのことです。この件について、ABTはまだコメントを表明していません。また、ミハイロフスキーのニューヨーク公演は、オシポワとワシリエフの移籍の前に決定していたことなのですが、彼らがおそらく移籍してくるだろうという見通しのもとで興行の計画が立っていたそうです。

ABTにゲスト出演するために自分のカンパニーには出演できなくなるとは、Ardaniもオシポワとワシーリエフも考えていなかったのだと思いますが、ABTが、オシポワとワシリエフが出演しないと自分たちのチケットの売上に影響が出ると考えてしまったのでしょう。正直、今のABTは自前のダンサーを育てることをしないで、手っ取り早くスターを引っ張ってきてくればいいと安易に考えすぎていたので、今回のトラブルが発生したものと思われます。ABTのゲスト依存路線はあまりにも先のことを考えなさすぎですし、現在の所属ダンサーのモチベーションにも影響しているようです。

特に急速に景気が悪化している今、チケットの競合を避けたいとABTが考えた結果、このようなことになってしまったのでしょう。とにかく、ミハイロフスキー劇場のNY公演が中止となってしまったのは、本当に残念なことです。

ミハイロフスキー劇場バレエにはオシポワ、ワシーリエフ以外にも、ペレンやサラファーノフ、(産休中ですが)シェスタコワ、ボルチェンコなど魅力的なダンサーがたくさんいることは日本にいる私たちはよく知っています。それなのに、オシポワ、ワシーリエフなしでは興行は成り立たないとArdaniが考えてしまったことも非常に残念に思います。


なお、ロイヤルを電撃退団したセルゲイ・ポルーニンの代役として、急遽「真夏の夜の夢」の2月9日の公演に、ABTのスター、マルセロ・ゴメスがゲスト出演してアリーナ・コジョカルと踊り大好評だった模様です。一方、ソリストのステラ・アブレラはイーサン・スティーフェルが芸術監督に就任したロイヤル・ニュージーランド・バレエの「眠れる森の美女」にオーロラ役でかなりの回数出演して絶賛を浴びました。今度は、「ブラック・スワン」騒動で一躍有名になった同じくソリストのサラ・レーンがコレーラ・バレエ改め「バレエ・バルセロナ」のリセウ大劇場での公演(2月9日~12日)にゲスト出演し、「白鳥の湖」全幕のオデット/オディール役デビューをします。このように、ABTには優秀なソリストがいるのにも関わらず、昇進はおろか、これらの役をカンパニー内で踊る機会すらないことは、非常に残念なことです。

サラ・レーンのコレーラ・バレエ(バレエ・バルセロナ)への出演の記事はこちら(スペイン語)
http://ccaa.elpais.com/ccaa/2012/02/02/catalunya/1328183779_462719.html

2012/02/09

セルゲイ・ポルーニンは無事来日する模様 Sergei Polunin performs in Alina Cojocaru Dream Project as expected

すみません、ボリショイ祭り感想が全く追いついていません。今日の「ライモンダ」も行きたかったのですが、やはり家庭の事情で無理でした。東京最終日、明日の「白鳥の湖」を楽しんできます。日程がキツキツで土曜日の公演が東京では1日しかなく、なかなか思うとおりに足を運べなかった方も多いかと思いますが、ボリショイ・バレエの素晴らしさを堪能できた素晴らしい来日公演だったと思います。近いうちの再来日を期待したいです。今度は東京でも週末公演を実現させてくださいね。そして「スパルタクス」「ライモンダ」はまた観たいです!

さて、セルゲイ・ポルーニンの突然のロイヤル・バレエ退団により、彼の「アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト」への出演が危ぶまれていました。しかしNBSのTwitterによると、ポルーニンは2月11日には来日して公演に出演することが決定したとのことです。彼の出演を楽しみにしていたので、ホッとしました。

https://twitter.com/#!/NBS_japan/status/167184165610065920

<アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト>の開幕まで10日。1月末に所属していた英国ロイヤル・バレエ団を退団したことから、本公演への出演について沢山のお問い合わせをいただいていたセルゲイ・ポルーニンも、コジョカルや他のメンバーとともに2/11に来日することが決定しました! 

ロイヤル退団に伴い、ポルーニンはイギリスでの労働許可が取り消されてしまったという報道があり、来日したはいいものの、今度は無事英国に入国できるのか心配になってしまいますが、ENBが「良かったら引き受けます」と表明しているとのことです.

Sergei Polunin loses right to work in UK (Telegraph紙)
http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/dance/9053429/Sergei-Polunin-loses-right-to-work-in-UK.html

ポルーニンはバレエを踊ることへの意志をも失ったという報道もありましたが、サドラーズ・ウェルズ劇場での「Men In Motion」の出演、今回の「アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト」での来日と、ロイヤル以外で引き受けた仕事に関してはこなしているようなので、どうか気を取り直してバレエ界への本格復帰を期待したいところです。

2012/02/08

クラシカ・ジャパン5月特集は「新生ボリショイ劇場」

ボリショイ・バレエの「ライモンダ」で配布されていたチラシによると、クラシカ・ジャパン5月は「新生ボリショイ劇場」特集だそうです。

2011年10月26日に華々しく幕を開けた新生ボリショイ劇場のガラ公演が、放映されるとの予定です。
ネットで中継されたのでご覧になった方も多いかと思いますが、「シンデレラ」「スパルタクス」「パリの炎」「黄金時代」「ドン・キホーテ」ほかが上演されました。

このガラのスパルタクスは、イワン・ワシーリエフがタイトルロールですし、引退したアンドレイ・ウヴァーロフの最後の舞台でもあります。

これは楽しみですね~。クラシカ、契約しているのですが最近はバレエは観たことがある映像ばかりでもっぱらクラシックばっかり見ていました。

また、ドキュメンタリー「ボリショイ劇場再建まで」「ボリショイ・ルネサンス」も放映される予定です。劇場の歴史から改修の理由、6年員も及んだ大工事の過程をCGとインタビューで大解剖するとのこと。

これもとても面白そうです。5月なのでまだ先ですが楽しみです!(クラシカ・ジャパンのハイビジョン化は10月を予定)


ところで、クラシカ・ジャパンは解散・清算へ、クラシック音楽chは東北新社が引き継ぐそうです。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120127/379551/

東北新社は2012年1月27日、同日開催の取締役会において、連結子会社のクラシカ・ジャパンを解散および清算することを決議したと発表した。クラシカ・ジャパンは2012年5月に取締役会および臨時株主総会での解散決議を予定する。

 クラシカ・ジャパンはクラシック音楽専門チャンネルを運営しているが、加入世帯数の減少傾向が続き業績が低迷している。このため東北新社が事業を譲り受け、経営の効率化を図り、事業の立て直しを進めることにした。2012年10月ごろに開始するとしているハイビジョン放送は、予定通り行う。編成とプロモーションの強化を図り、チャンネル価値の向上に努める計画という。

ローザンヌ国際バレエコンクールの結果 Results of Prix de Lausanne

ボリショイ祭り満喫中でコメントへのお返事も追いつかず公演の感想も書ききれずに申し訳ありません。

今日のボリショイの「ライモンダ」も素晴らしかったです。ライモンダ役のマリーヤ・アレクサンドロワの圧倒的な華と貫禄は言うまでもなく、ジャン・ド・ブリエンヌ役のルスラン・スクヴォツォフはサポートに難はあったもののヴァリエーションは素晴らしかったし白マントもよく似合い、また怪我明け初めての舞台で、この1公演の舞台のためだけに来日してくれたというミハイル・ロブーヒンも濃い演技の中にも気品があってブラボーでした。そして、ボリショイ・バレエ全体の容姿、プロポーションの美しさといったら、もう。特にクレマンスとアンリエット役にエカテリーナ・シプリナとアンナ・ニクーリナと主演級を投入、ベルナールとべランジェにはウラディスラフ・ラントラートフとデニス・ロヂキンという超美形&テクニックも素晴らしい二人がいて、眼福そのもの。マズルカのソリストには「スパルタクス」で剣奴役のサーヴィチェフが出演していて、なんとも嬉しくなりました。あ~ゆっくり感想が書きたい!って感じですし、明日も東京文化会館でまた「ライモンダ」観たい!のですが、家族の手術の立会いがあったりして難しそうなので本当に残念です。この無念は?木曜マチネの「白鳥の湖」で晴らさせていただきたいと思います。急遽マチネ公演にも岩田守弘さんが出演することになってラッキー、です。

*****

さて、このブログに「ローザンヌ国際コンクール」の検索で来られる方が大変多く、ファイナリストだけ書いて結果を書かないのも中途半端なので一応ご紹介します。とはいっても、昨日から新聞の一面を飾るなどの大報道で、ほとんどの皆様が、菅井円加さんが1位に輝いたことをご存知かと思いますので、軽く触れるに留めておきます。ファイナルはネット生中継で観ただけですし、私は素人なので、審査員が判断されたことが正しいのでしょう。コンテンポラリー重視のコンクールになったんだな、と改めて感じた次第です。日本人は今までクラシックはレベルが高いけどコンテンポラリーが弱いとされてきましたが、コンテンポラリーを高く評価されての1位は素晴らしいことだと思います。

バレエの話題がこれだけ新聞やテレビで大々的に報道されることは喜ばしいことですし、これをきっかけにバレエをはじめる少年少女が増えたらいいことだと思いますが、バレエをよく知らない記者やコメンテーターによる間違った報道も散見されるところはあります。有名な国際コンクールで日本人が1位は本当に素晴らしいことですが、ローザンヌだけが有名なコンクールではないこと、スカラシップ受賞者の賞金は原則として同一であること(ただし、菅井さんはコンテンポラリー賞も受賞しているので、その分の上乗せはあります)そしてコンクールはプロのダンサーに向けての出発点であり、これから先どのように育っていくことかということが大事だということを報道関係者には理解して頂ければと思います。騒がれすぎて、せっかくの菅井さんの才能にプレッシャーをかけすぎることがありませんように。

日本でこれだけコンクールの結果が騒がれるということの背景には、日本には国立のバレエ学校がなく、海外のバレエ学校で学ばなければプロとなるには難しいこと。そして海外で学ぶためには、コンクールで賞を受賞することがほとんど唯一の道であること。日本のトップクラスのバレエ団に入団できたとしても、バレエの舞台だけでは生活するのは経済的に難しく、また女性の場合には結婚・出産などでキャリアを中断する憂き目に遭うことがほとんど、といった厳しい実態があります。つまり、バレエで生きていくためには、海外のバレエ団に入るしかない、そのために、バレエを学ぶ生徒たちはみんなコンクールに取り組んでいるわけですし、コンクール偏重型のバレエ教育になってしまうのです。

これだけバレエが盛んで、バレエを学ぶ少年少女も多ければ観客も多い日本で、バレエダンサーが置かれている過酷な状況を理解しているマスコミ関係者がどれだけいることでしょうか。

「ダンスの海へ」の高橋森彦さんが、今回のコンクールについてうまくまとめられていますので、こちらをご一読していだければと思います。
http://d.hatena.ne.jp/dance300/20120207/p1


ローザンヌ国際コンクールのオフィシャルの結果はこちら。
http://www.prixdelausanne.org/Prize_winners_2012.pdf

Lauréat - Prizewinner スカラシップ受賞者
(306) Ms Sugai Madoka, Japon
Sasaki Ballet Academy, Yamato

(108) Ms Bettes Hannah, USA
Next Generation Ballet Patel Conservatory, Tampa

(406) Mr Barbosa Edson, Brésil
Grupo Cultural de Dança-Ilha, Rio de Janeiro

(422) Mr Tudorin Nikolaus, Australie
Tanz Akademie Zürich

(424) Mr Grünecker Michael, Allemagne
Tanz Akademie Zürich

(120) Ms Vinograd Sonia, Espagne
Institut del Teatre de Barcelona, Conservatori
Professional de Dansa

(407) Mr Wang Le, Chine
Beijing Dance Academy

(401) Mr Wang Mingxuan, Chine
Shanghai Dance School

"PRIX D'INTERPRETATION CONTEMPORAINE"コンテンポラリー賞
"CONTEMPORARY DANCE PRIZE"

Lauréat - Prizewinner Prix
(306) Ms Sugai Madoka, Japon
Sasaki Ballet Academy, Yamato

"PRIX DU MEILLEUR SUISSE" - "PRIZE FOR THE BEST SWISS CANDIDATE"ベスト・スイス賞
Lauréat - Prizewinner
(424) Mr Grünecker Michael, Allemagne
Tanz Akademie Zürich

"PRIX DU PUBLIC" - "THE AUDIENCE FAVORITE"観客賞
Lauréat - Prizewinner
(108) Ms Bettes Hannah, USA
Next Generation Ballet Patel Conservatory, Tampa

決勝の動画はオフィシャル動画で見ることができます。

菅井さんはバーミンガム・ロイヤル・バレエでの研修を希望されているとのことですが、昨日(6日)のNHKのニュース9でバーミンガム・ロイヤル・バレエの芸術監督かつ新国立劇場バレエ団の芸術監督であるデヴィッド・ビントレーも日本人ダンサーについてコメントをしていました(だったらもっと新国立劇場バレエ団の待遇改善もしようよとちょっと思いましたけど)。BRBを希望されるとは興味深い選択だと思います。スカラシップ先で順調に伸びやかに菅井さんが育つことを期待したいです。

(これは去年のローザンヌ国際コンクールの映像)

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