BlogPeople


2016年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

2016/05/24

ボリショイ・バレエ「ドン・キホーテ」(映画館上映)

少し感想が遅くなってしまいましたが、ただいまBunkamuraル・シネマで「ボリショイ・バレエ in シネマ」がアンコール上映中なので、「ドン・キホーテ」の感想を書いておきますね。

ドン・キホーテ / Don Quixote 2016年4月収録

キトリ エカテリーナ・クリサノワ
バジル セミューン・チュージン
ドン・キホーテ アレクセイ・ロパレーヴィチ
エスパーダ ルスラン・スグヴォルツォフ
森の女王 オリガ・スミルノワ
キューピッド ダリア・ホフロワ
街の踊り子 アンナ・チホミロワ
メルセデス クリスティーナ・カラショーワ
キトリの友達 アンナ・オクネワ
         クセニア・ジガンシナ
ジプシーの踊り アンナ・アントロポワ
第一ヴァリエーション アンナ・チホミロワ
第二ヴァリエーション ユリア・ステパノワ 

音楽:レオン・ミンクス
振付:アレクセイ・ファジェーチェフ
原振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
台本:マリウス・プティパ
原作:ミゲル・デ・セルバンテス

ボリショイ・バレエの「ドン・キホーテ」は新国立劇場バレエ団で上演されているアレクセイ・ファジェーチェフ版(新国立版とは、3幕キューピッドの踊りがカットされているなど、多少異なる部分もある)。新国立劇場での上演の感想の時にも書いたけれども、2幕の順番が酒場→ロマの野営地→夢の場面となっているのが、ストーリーの上では整合性がないという問題がある。今回は新しく改訂したとのことだが、演出として酒場のシーンにジークという踊りも追加してある。しかし、この踊りがあまり面白くない上そのために冗長になっていたうえ、さらにギターの踊りもあるため、中だるみして上演時間が必要以上に長くなってしまった。また衣装も装置も地味で垢抜けないものとなってしまった。

イントロダクションと幕間の休憩時間に、ファジェーチェフのインタビューがあり、「ドン・キホーテ」という作品については参考になる話が入っていたのは興味深かった。キトリの3幕ヴァリエーションの曲は、実はオリジナルの「ドン・キホーテ」の曲ではなく、「ロクサーヌ」という別のバレエ作品のためにミンクスが作曲したとのこと。ギターの踊りとジークはザハーロフの振付(音楽もミンクスではなく、V. Soloviev-Sedoy)、2幕ジプシーの踊りもゴレイゾフスキーの振付、Zhelobinskyの音楽、ファンダンゴは振付シマチョフで音楽は E. Napravnikとのこと。また、モスクワでの初演では、夢のシーンはなく、サンクトペテルブルグでの初演で追加されたそう。

キトリ役のエカテリーナ・クリサノワはテクニックが素晴らしい。グランフェッテも前半全部ダブルで超高速でコマのように回り、2幕の飛び込むところの勢いもポーンと凄くて飛距離も長く跳んでいる。1幕カスタネットの踊りの連続フェアテのスピードも猛烈に速い。天を突き刺すバットマン、彼女のキトリは元気良いというか、手の付けられないじゃじゃ馬という感じだが、気風の良さと情熱が現れている。とても個性的だけど、生命力が迸っており、非常にインパクトがあって魅力的なキトリだ。

クリサノワが踊るドルシネアは、ドルシネアの割にはお姫様度が低いというか、特に後半はほとんどキトリって感じだった。腕の使い方はきれいだし、グランジュッテはとても高いけど、もう少しエレガントに踊ってほしい気もした。

森の女王には、最近キトリ役デビューも果たしたオルガ・スミルノワ。スミルノワは安定していて綺麗だけど、ワガノワな優雅な部分が抜けてすっかりボリショイのバレリーナとなり、やや残念な気もしてしまった。非常に溜めの効いた、大げさで派手な上半身の動きはダイナミックで映えるけど、首の動きがやりすぎな印象を与えてしまうのである。

スミルノワと同じ元ワガノワ組として、1幕にはまだ入団2年目のクセニャ・ジガンシナがキトリの友達として、そして3幕の第2ヴァリエーションではマリインスキーからモスクワ音楽劇場を経て昨年移籍してきたユリア・ステパノワが出演。ジガンシナはまだ際立ったところはないけれども、ボリショイでのキトリの友達は、とても生き生きとしていてスパイスとなる役。これを観ると、新国立劇場バレエ団でのキトリの友達役はおとなしかった、と感じてしまう。

一方、ステパノワはここに来て急に抜擢が続いており、ロンドン公演では「白鳥の湖」のオデット・オディールなどの主演が予定されている。彼女のポジションの正確さやポールドブラの美しさは目を引き、おそらく来年の来日公演でも大活躍することだろう。

第一ヴァリエーションのアンナ・チホミロワは、1幕では街の踊り子も演じた。艶やかな美貌のチホミロワは、キャラクター的にも、踊り的にも街の踊り子役の方が似合っていてこちらはとても素敵だったけど、ヴァリエーション観ると細かいことを気にしていなのが、ステパノワとの対比でわかってしまった。

もう一方の主役、バジル。セミョーン・チュージンは王子タイプであまりバジルタイプダンサーではないのだが、この人は踊りは実にうまい。つま先も綺麗だし、ピルエットはコントロールが効いてきれいに回るし、とても軽やかに飛ぶし着地も美しい。片手リフトもとても長くしっかりと支え、ものすごい勢いで飛び込むクリサノワも的確にキャッチ。技術的には文句なし。相変わらず口が歪んでいるけど、ドヤ顔はしっかり見せていた。ユーモアのセンスがもう少しあれば、もっとバジルらしくみえるかもしれない。

エスパーダはルスラン・スグヴォルツォフ。今回のファジェーチェフ版でのエスパーダの振付って、エスパーダの見せ場をわざわざ削っているような印象を受けてしまった。マントを振り回しながら背中反らせる振付がなかったのが残念。でもルスランは足技綺は麗だし、プリンシパルだけあってスター闘牛士らしい存在感もしっかり、大人っぽいけど魅力的で、チホミロワとの並びも良かった。

新国立劇場バレエ団の「ドン・キホーテ」ももちろん、とてもクオリティの高い上演だった。だけど、やはりボリショイが演じると脇役まで生き生きとしていて、ロシア人なのにラテン気質も見せてくれて、映画館のスクリーンからも勢いが伝わってくる。

Bunkamuraル・シネマでのアンコール上映は、6/3(金)19:15開演とあと1回。まだの方は、ぜひ。
http://www.bunkamura.co.jp/topics/cinema/2016/05/bol2016.html

5月26日(木) 19:15~『ジゼル』
5月27日(金) 19:15~『椿姫』
※26日(木) 19:15~『ジゼル』、27日(金) 19:15~『椿姫』は、両日ともにシネマ1,2両スクリーンで同時に上映となります。シネマ1,2ともに同内容で、スクリーンの大きさもほぼ同等となります。

5月28日(土) 19:15~『スパルタクス』
6月2日(木)  19:15~『じゃじゃ馬ならし』
6月3日(金)  19:15~『ドン・キホーテ』
6月4日(土)  19:15~『ジゼル』
6月9日(木)  19:15~『くるみ割り人形』
6月10日(金) 19:15~『スパルタクス』

★全作品予告編なし、本編からの上映

≪料金≫ 3,000円均一(税込・各種割引は対象外となります。)  

2016/05/21

バレエ・アステラス 2016

今年の夏はガラ公演がたくさんありますね。恒例のバレエ・アステラス 2016も開催されます。

http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/performance/160520_008572.html

バレエ・アステラス」は、海外で活躍する若手日本人ダンサーを応援したいという願いを込めて、2009年より開催されています。 7回目となる今回は、アメリカ、ベラルーシ、ポーランド、ロシア、クロアチアなど世界各国で活躍しているダンサーと、日本のバレエ団からもダンサーが集い、古典から現代作品まで多彩な演目が揃いました。

2016年7月31日(日)15:00開演 オペラパレス

<出演者・演目(五十音順)>

●海外で活躍する日本人バレエダンサー

新井誉久 with アナイス・ブエノ(ジョフリーバレエ団)
『ロミオとジュリエット』バルコニーのパ・ド・ドゥ  振付:K.パストール

石原古都 with ヴィトア・ルイズ(サンフランシスコバレエ団)
『ジゼル』第2幕 パ・ド・ドゥ  振付:H.トマソン

浦邉玖莉夢 & 待山貴俊(ベラルーシ国立ボリショイ劇場)
『海賊』第1幕 奴隷のパ・ド・ドゥ  振付:M.プティパ

海老原由佳 with ダヴィッド・チェンツェミエック(ポーランド国立歌劇場バレエ団)
※作品未定

小池沙織 with モトゥゾフ・イェゴール(クレムリン・バレエ)
『タリスマン』パ・ド・ドゥ  振付:M.プティパ

鈴木 里依香(クロアチア国立劇場)with タマシュ・ダライ(アウグスブルグバレエ団)
『アンナ・カレーニナ』より  振付:L. ムイチ

宮崎たま子 with アンディーレ・ンドルフ(ワシントン バレエ)
※作品未定


●日本のバレエ団で活躍するバレエダンサー

阿部真央 & 源 小織(井上バレエ団)& 中ノ目 知章(ゲスト出演)
『コンセルヴァトワール』パ・ド・トロワ  振付:A.ブルノンヴィル

岡田亜弓 & 大森康正 (NBAバレエ団)
『葉は色褪せて』  振付:A.チューダー

木村優里 & 井澤 駿 (新国立劇場バレエ団)
『海賊』第2幕 グラン・パ・ド・ドゥ  振付:M.プティパ


新国立劇場バレエ研修所

第12期, 13期研修生
「ワルツ」 振付:牧阿佐美


海外からの出演で注目は、まずはサンフランシスコ・バレエのソリスト、石原古都さん。「ダンサーの宝箱」で石原さんのインタビューが掲載されています。
http://odoritai.exblog.jp/25151183/
パートナーのヴィトー・ルイズは、マリア・コチェトコワのパートナーを務めることが多く、『オネーギン』なども踊っています。

ロイヤル・バレエからブカレスト国立バレエに移籍し、この間の騒動で退団してポーランド国立バレエに移籍したダヴィッド・チェンツェミエックの出演も注目ですね。海老原由佳さんは、2013年にもこの「バレエ・アステラス」に出演しています。その時のパートナーは、先日のハンブルグ・バレエ『真夏の夜の夢』にゲスト出演したウラジーミル・ヤロシェンコでした。

そしてワシントン・バレエの宮崎たま子さんは、2014年にジャクソン国際コンクールで銀賞に輝いています。

日本のバレエ団枠の方で出演する中ノ目 知章さんは、ハンブルグ・バレエスクール出身でノルウェー国立バレエなどを経てドイツ国立デュッセルドルフ歌劇場・デュイスブルク歌劇場バレエ団ソリスト。井上バレエ団の「コッペリア」にもゲスト出演予定です。彼のインタビューも、「バレエの宝箱」で読むことができます。
http://odoritai.exblog.jp/23892506/

「バレエ・アステラス」は、なかなか日本では観る機会のない、海外で活躍するダンサーたちを観る良い機会ですよね。なので、日本のバレエ団で活躍するダンサー枠というのは、特になくてもいいんじゃないかと思ってしまいます。特に、新国立劇場バレエ団のペアは昨年も出ていたわけですしね。

2016/05/20

【吉田都×堀内元 Ballet for the Future 2016】今夏、再演決定

昨年夏に行われた【吉田都×堀内元 Ballet for the Future】は、とても素晴らしい公演でした。

吉田都さん、堀内元さんというバレエ界のレジェンド二人に加えて、堀内さん率いるセントルイスバレエのダンサーたち、日本のホープたち、さらに加治屋百合子さん、ジャレッド・マシューズ、飯島望未さんというメンバーで、堀内さんの作品を中心にフレッシュな息吹を伝えてくれました。吉田都さん、堀内元さんは、50歳前後という年齢が信じられないほどの、美しく若々しさにも満ちた至芸を見せてくれて、あまりの感動に涙がにじんできてしまうほどでした。

この「 Ballet for the Future」、プログラムも新たに待望の再演が決定しました。新国立劇場バレエ団の米沢唯さん、奥村康祐さんという、日本のバレエ界を代表するトップダンサーが「チャイコフスキーパ・ド・ドゥ」を踊ります。吉田都さん、堀内元さんの踊りは、決して見逃してはならない機会です。必見です。バレエの素晴らしさ、歓びが詰まっています。

C70cd08e5c0f4094a85b873c24fc36e6


吉田都×堀内元Ballet for the Future 2016

http://www.chacott-jp.com/j/special/ticket/bff/index.html

特別ゲスト 吉田都(元英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
芸術監督・出演 堀内元(セントルイス・バレエ芸術監督、元ニューヨーク・シティ・バレエプリンシパル)
出演 米沢唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル)/森ティファニー(セントルイス・バレエ)/木村綾乃(ワシントン・バレエ)奥村康祐(新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)/岡田兼宜(ダズル・ダンスカンパニー出身)/上村崇人(セントルイス・バレエ出身)
ほか、国内外で活躍する気鋭のダンサー達

東京公演 2016年8月31日(水) 開場17:45 開演18:30 東京文化会館(東京・上野)
主催:チャコット/イープラス
お問い合わせ:チケットスペース 03-3234- 9999 (月〜土10:00-12:00/13:00- 18:00)


金沢公演 2016年9月3日(土) 開場17:45 開演18:30 本多の森ホール(石川・金沢)
主催:北國新聞文化センター/チャコット  共催:北國新聞社
お問い合わせ:北國新聞文化センター 076-260- 3535

協力:ブルーミングエージェンシー/バレエスタジオ ミューズ/セントルイス・バレエ/兵庫県立芸術文化センタ―/株式会社ビデオ
企画制作:チャコット/オフィス・エイツー

20世紀最大の振付家バランシンに直接薫陶を受けてきた堀内元の作品を踊る吉田都の輝きは、まさに“バレエ界の至宝”、必見です。また、世界の名だたるスターダンサーが踊り継いできたバランシンの名作「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」を、日本バレエ界を牽引するスター米沢唯・奥村康祐が踊ります。スピーディー、シャープ、ダイナミック、エネルギッシュ、エキサイティング、エンターテインニング、バレエの新しい価値観や楽しさがいっぱいです。昨夏公演には、出演者への感動の声とともに、「バレエがこんなにも面白いとは」「バレエの見方が変わりました」といった驚きの声も多数いただき、オン・ステージ新聞では、2015年間ベスト5公演に2名の舞踊評論家より選出された注目の公演です。見所満載、お見逃しなく!
公演プログラム(予定)

「Romantique」(振付:堀内元)出演:吉田都、堀内元、他

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:ジョージ・バランシン/バランシン・トラスト上演許可取得)出演:米沢唯、奥村康祐

「More Morra」(振付:堀内元)

他    

※上演時間:約2時間(休憩含む)/音楽:録音音源

<スタッフ>
バレエミストレス:宗田静子/バレエマスター:夏山周久  
舞台監督:堀尾由紀/照明:山本英明/音響:矢野幸正

<チケット発売情報>

チャコットWebサイト最速先行実施中! 詳細は、チャコットWebサイト特設ページをご覧ください。

東京公演 2016年8月31日(水) 開場17:45 開演18:30 東京文化会館(東京・上野)

<一般発売:2016年6月21日(火)10:00より>

チケット: S席9,400円/A席7,900円/B席6,400円/C席4,900円/学生券3,000円(税込)
発売所: e+(イープラス) http://eplus.jp/BFF/
チケットスペース 03-3234- 9999(オペレーター)、チケットスペースオンライン 
チケットぴあ 0570-02- 9999 Pコード:451-926、http://pia.jp/
ローソンチケット 0570-084-003 ;Lコード:31483;、0570-000- 407 (オペレーター)、http://l-tike.com/
東京文化会館チケットサービス 03-5685- 0650

お問い合わせ:チケットスペース 03-3234- 9999 (月〜土10:00-12:00/13:00- 18:00)


金沢公演 2016年9月3日(土) 開場17:45 開演18:30 本多の森ホール(石川・金沢)

チケット: S席7,800円/A席6,300円/B席4,800円(税込)

発売所:  北國新聞文化センター(金沢本部事務局、金沢南スタジオ、野々市スタジオ、白山スタジオ、アピタ松任店スタジオ、小松教室、七尾教室、高岡スタジオ)
北國新聞読者サービスセンター
香林坊大和
石川県立音楽堂チケットボックス
e+(イープラス) http://eplus.jp/
チケットぴあ 0570-02- 9999 http://pia.jp/
ローソンチケット 0570-084- 005&l、0570-000-407 (オペレーター)、http://l-tike.com/
お問い合わせ:北國新聞文化センター 076-260- 3535

公式Webサイト BFF チャコット 検索

http://www.chacott-jp.com/j/special/ticket/bff/index.html

※ 公演当日まで、チャコットWebサイト特設ページ記載の内容が最新情報となります。


奥村康祐さんは、「チャイコフスキーパ・ド・ドゥ」を金子扶生さん(ロイヤル・バレエ)と踊って、モスクワ国際コンクールで銀賞を受賞しました。その踊りがここで米沢唯さんと観られるのですから、これは本当にもう楽しみですよね。

シクリャーロフ、シリンキナがミュンヘン・バレエと契約

マリインスキー・バレエのウラジーミル・シクリャーロフと、彼の妻であるマリア・シリンキナが、ミュンヘン・バレエに移籍するのではないかという噂がこのところずっとありました。マリインスキー国際フェスティバルにおいても、その話で持ち切りだったのです。

そして、ついに、シクリャーロフは、ロシアのカザンでインタビューに答え、ミュンヘン・バレエと契約を結んだことを明らかにしました。
http://www.evening-kazan.ru/articles/vladimir-shklyarov-v-mariinskom-teatre-ya-uzhe-stanceval-vse-chto-hotel.html

カザンで開かれている第29回ルドルフ・ヌレエフ・フェスティバルで、シリンキナが「シュラーレ」に出演していました。そこでシクリャーロフに対して行われたインタビューです。それによると、来シーズン、この二人はイーゴリ・ゼレンスキーに招かれ、ミュンヘン・バレエと1年契約を結んだとのことです。そしてこの契約は、もう一年延長される可能性が高いとのことです。

ただし、彼らはマリインスキー・バレエを退団するわけではなく、籍を残したまま、1年間のサバティカル(休暇)を取るという形になりそうだとのこと。シクリャーロフはマリインスキー・バレエに入団して14年経ち、現在31歳とクラシックダンサーとしてのキャリアの頂点にいます。さらに成長して、今できる最大限のことをしたい、マリインスキー・バレエでは踊りたい役をすべて踊る機会に恵まれたので、新しいカンパニーで、レパートリーを広げたいと考えたとのこと。アーティストは自分自身だけではなくて、バレエの世界で何が起きているかに興味を持たなくてはならない、そういう姿勢があってこそのプロだと考えているそうです。

シクリャーロフらは、マリインスキー・バレエを退団するわけではないので、マリインスキー・バレエのツアー公演などでシクリャーロフを観る機会はあると思われます。ただ、マリインスキー・バレエは、男性ダンサーが不足しているので、最大のスターであるシクリャーロフが期間限定とはいえ、いなくなってしまうのは損失であることでしょう。

マリインスキーでの明るいニュースとしては、もちろんキミン・キムがブノワ賞で最優秀男性ダンサーに輝いたことがあります。パリ・オペラ座へのゲスト出演、マリインスキー国際フェスティバルでの活躍(同じくブノワ賞を受賞したオニール八菜さんと共演)と今は飛ぶ鳥を落とす勢いです。確かに彼の技術の高さは、当代一、二を争うレベルですね。

シクリャーロフは、「バレエの王子さま」公演で7月に東京で観ることができます。こちらは楽しみですね。
http://www.nbs.or.jp/stages/2016/prince/index.html

◆公演日時
7月15日(金)19:00
7月16日(土)14:00
7月17日(日)14:00
7月18日(月・祝)14:00

◆予定される出演者

【予定される王子さま】 
レオニード・サラファーノフ Leonid Sarafanov(ミハイロフスキー劇場バレエ) 
ダニール・シムキン Daniil Simkin(アメリカン・バレエ・シアター) 
ウラジーミル・シクリャローフ Vladimir Shklyarov(マリインスキー・バレエ) 
エドワード・ワトソン Edward Watson(英国ロイヤル・バレエ団)

【予定されるお姫さま】 
サラ・ラム Sarah Lamb(英国ロイヤル・バレエ団)
マリア・コチェトコワ Maria Kochetkova(サンフランシスコ・バレエ)

マリインスキー・バレエ ラ・バヤデール LA BAYADERE [DVD]マリインスキー・バレエ ラ・バヤデール LA BAYADERE [DVD]

ポニーキャニオン 2015-11-25
売り上げランキング : 22851

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2016/05/19

ミラノ・スカラ座バレエ2016-17シーズン

マウロ・ビゴンゼッティが芸術監督に就任した、ミラノ・スカラ座バレエの2016-17シーズンが発表されています。

http://www.teatroallascala.org/en/season/2016-2017/balletto/index.html

December 20, 1016 - January 19, 2017
Coppélia (Bigonzetti)
「コッペリア」 (マウロ・ビゴンゼッティ振付)

11 February 2017 - 1 March 2017
Evening Stravinsky: The Rite of Spring (Glen Tetley) / Petrushka (Mikhail Fokine)
「ストラヴィンスキーの夕べ」 「春の祭典」(グレン・テトリー)、「ペトルーシュカ」(ミハイル・フォーキン)

April 19, 2017 - May 13 2017
La Valse (George Balanchine) / Symphony in C (George Balanchine) / Scheherazade (Eugenio Scigliano)
「ラ・ヴァルス」(ジョージ・バランシン振付)、「シンフォニー・インC」(ジョージ・バランシン振付)、「シェヘラザード」(Eugenio Scigliano振付)

April 22, 2017 - April 30, 2017
ballet school of La Scala Show
ミラノ・スカラ座バレエ学校公演

May 20, 2017 - June 1, 2017
Handel Project (Bigonzetti ) with Svetlana Zakharova (20, 23, 24, 25 May)
「ヘンデル・プロジェクト」(マウロ・ビゴンゼッティ振付)、5月20,23,24,25にはスヴェトラーナ・ザハロワが出演

June 28, 2017 - July 22, 2017
a Midsummer night's Dream (George Balanchine)
「真夏の夜の夢」(ジョージ・バランシン振付)

8-21 July 2017
Swan Lake (directed by Alexei Ratmansky)
「白鳥の湖」(アレクセイ・ラトマンスキー振付)

September 23, 2017 - October 18, 2017
Romeo and Juliet (Kenneth MacMillan) with Roberto Bolle (23, 26, September 28) Etoile Guest: Marianela Nunez
「ロミオとジュリエット」(ケネス・マクミラン振付)、9月23,26,28日にはロベルト・ボッレが主演、ゲストにマリアネラ・ヌニェス


さて、ビゴンゼッティが選んだ来シーズンのレパートリーですが、ミラノ・スカラ座のダンサーたちに大ブーイングを浴びています。

http://www.gramilano.com/2016/05/la-scala-dancers-protest-planned-new-ballet-season/

こちらのラインアップは、5月10日の記者会見で発表されたのですが、この記者会見の場に50人のスカラ座のダンサーたちが集まり、抗議を行いました。ビゴンゼッティの芸術監督は、総裁であるアレクサンドル・ペレイラが任命したのですが、古典作品中心にスカラ座にとって、ビゴンゼッティの現代作品路線はあまりそぐわないものであると多くの人が懸念していました。そして、実際にレパートリーのふたを開けてみると、その懸念通りのものが出てきたわけです。

今までミラノ・スカラ座の芸術監督は、その前にはマリインスキー・バレエの芸術監督だったマハール・ワジーエフが務めていたわけです。ワジーエフは、古典バレエを強化するとともに、ヴィハレフによる「ライモンダ」の復元、そしてラトマンスキーによる「眠れる森の美女」、そして「白鳥の湖」という原振付を基にした新制作を導入し、(白鳥~は6月の上演ですが、共同制作のチューリッヒ・バレエでは大評判となりました)好評を博してきました。またカンパニーのレベルも確実に向上しました。ワジーエフが、スカラ座での成功の後ボリショイ・バレエへと転出した後、全く違った路線の、現代作品の振付家であるビゴンゼッティが後任となったわけです。

スカラ座の来シーズンは、7プログラムで構成されています。そのうち一つは、今シーズン初演されたものの、大不評だったビゴンゼッティの「コッペリア」の再演。そして新作は、やはりビゴンゼッティ振付の「ヘンデル・プロジェクト」。「シェヘラザード」を振付けるEugenio Sciglianoも、ビゴンゼッティの盟友です。残る4演目のうち一つは、グレン・テトリーとフォーキンという20世紀の作品。

そしてバランシンの「真夏の夜の夢」、バランシンを含むミックスビル、マクミランの「ロミオとジュリエット」、ラトマンスキーの「白鳥の湖」というレパートリーなので、この中で純粋な古典作品は、「白鳥の湖」だけとなります。この「真夏の夜の夢」「白鳥の湖」という大規模な作品が同じ時期に上演されるため、ダンサーにとっての負担は大きなものととなります。

また、ダンサーたちは、シーズンの始まりから6月の終わりまでは古典作品を踊らないため、クラシックの技術が低下するという懸念があると訴えています。

ダンサーたちは以下のような声明を発表しています。
「現在の編成は、他の重要な国際的なカンパニーと同様古典作品に基づいているミラノ・スカラ座バレエ団のアイデンティティと本質を無視して、コンテンポラリーや現代作品を優先させるものとなっています。スカラ座は、一人の振付家のためのカンパニーに変質させられています」

また、今まではミラノ・スカラ座の公演では、ロシア系を中心とした多くの国際スターがゲストダンサーとして出演してきたのですが、来シーズン、カンパニーの外からのゲストはマリアネラ・ヌニェス一人のみ。あとはロベルト・ボッレ(「ロミオとジュリエット」とスヴェトラーナ・ザハロワ(「ヘンデル・プロジェクト」)が予定されているだけです。

**********

ミラノ・スカラ座の芸術監督選びにあたっては、かなり多くの候補者がいたのですが、元パリ・オペラ座メートル・ド・バレエのローラン・イレールが、ビゴンゼッティと共に最終候補の二人まで絞り込まれていました。イレールが選ばれていたら、スカラ座の今までの伝統はおそらく守られていたことでしょう。今シーズン、ミラノ・スカラ座バレエがヌレエフ版「ドン・キホーテ」を上演するにあたって、ローラン・イレールがスカラ座へ振付指導を行っていました。

この「ドン・キホーテ」を持ってミラノ・スカラ座バレエは9月に来日します。ローラン・イレールの薫陶を浴びたダンサーたちが踊ってくれるわけですが、その次の来日公演では、果たして何が踊られることでしょうか。

この話とずれますが、ミラノ・スカラ座バレエ来日公演の「ドン・キホーテ」にゲスト出演予定のポリーナ・セミオノワは、健康上の理由により、ABTのメトロポリタン・オペラシーズンを全キャンセルしています。無事に来日公演に出演してくれると良いのですが。

2016/05/18

オニール八菜さんが、ブノワ賞を受賞

バレエ界で最も権威のある賞の一つであるブノワ賞を、パリ・オペラ座バレエのプルミエール・ダンスーズ、オニール八菜さんが受賞しました。おめでとうございます。

バレエ
ブノワ賞にオニール八菜さん
http://mainichi.jp/articles/20160518/k00/00m/040/152000c


【斉藤希史子、モスクワ杉尾直哉】バレエ界のアカデミー賞」と称される「ブノワ賞」が17日夜(日本時間18日未明)、モスクワのボリショイ劇場で発表され、女性ダンサー部門は東京都出身でパリ・オペラ座バレエ所属のオニール八菜(はな)さん(23)に決まった。対象は、昨年5月に本拠で踊った古典作品「パキータ」の表題役。日本仕込みの端正な技術と、フランスらしい優雅さが高く評価された。

 オニールさんは「世界のビッグスターに与えられてきた賞。これからもたくさん踊り続けたい」と話している。

 日本からの受賞は、2014年の木田真理子さん(スウェーデン王立バレエ所属)に続いて2人目。

バレエの最高権威・ブノワ賞にオニール八菜さん
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20160518-OYT1T50008.html

 【モスクワ=田村雄】世界で最も権威のあるバレエ・ダンス賞の一つ、ブノワ舞踊賞が17日、モスクワで発表され、女性ダンサー部門で、日本人を母に持ち、フランスのパリ・オペラ座バレエ団で踊るオニール八菜さん(23)が受賞した。

 オニールさんは東京生まれで日本国籍を持つ。日本出身のダンサーで同賞を受けるのは2014年の木田真理子さん以来、2人目となる。

 同賞は振付家ユーリー・グリゴロービチさんが代表を務める国際ダンス連合が主催し、前年に最も優れたパフォーマンスを披露したダンサーや振付家らを顕彰する。オニールさんは、振付家ピエール・ラコットの復刻・振り付けによる古典「パキータ」での主役の踊りを高く評価された。

@aliciaamatriainが投稿した写真 -

まだブノワ賞の公式サイトでは、受賞者は発表されていません。他の賞の受賞者も気になるところです。
http://benois.theatre.ru/

今回ノミネートされたダンサーたちの一覧はこちらでまとめてあります。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2016/04/post-4690.html

<追記>

ブノワ賞、受賞者は以下の通りです。

http://m.ria.ru/culture/20160517/1435334970.html


振付家賞 
ユーリ・ポソホフ (ボリショイ・バレエ「現代の英雄」)、ヨハン・インガム (スペイン国立ダンスカンパニー「カルメン」、NDT「One on One」)

最優秀女性ダンサー賞 
オニール八菜 (パリ・オペラ座バレエ)、アリシア・アマトリアン (シュツットガルト・バレエ)

最優秀男性ダンサー賞 
キミン・キム (マリインスキー・バレエ。ただし対象のパフォーマンスはパリ・オペラ座に客演した「ラ・バヤデール」)

舞台美術賞  
REN DONGSHENG 「Emperor Yu Li」(北京ダンスアカデミー)

ブノワ・モスクワ・マシーン・ポジターノ賞(特別賞)  
エカテリーナ・クリサノワ (ボリショイ・バレエ)

傑出したパートナーシップに与えられる特別賞 
 アレクサンドル・リアブコ (ハンブルグ・バレエ)

オニール八菜さんがジェルマン・ルーヴェと踊るAscension

<追記>
バレエ・ブノワ賞
端正な踊り、堂々と…オニール八菜さん
http://mainichi.jp/articles/20160518/k00/00e/040/171000c

世界の一流ダンサーの仲間入りを果たしたが、「たくさんのエトワール(パリ・オペラ座の最高位)をはじめ、世界のビッグスターに与えられた賞。まだ実感がわかない」と語った。
(中略)
目指すはエトワールだが、「それだけでは仕方がない。役作りに励んで、とにかくいっぱい踊りたい」という。

 日本でバレエの基礎を教えてくれた恩師、岸辺光代さんを今でも毎年のように訪ね、時にはレッスンをつけてもらう。「先生には本当に感謝している。これからもよろしくお願いします」と語った。

バレエ「ブノワ賞」に日本生まれのオニール八菜さんが選ばれる(フジテレビ、映像ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20160518-00000992-fnn-int

バレエ「ブノワ賞」 オニール八菜さん最優秀賞に(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160518/k10010525191000.html

Dance Cubeの最新インタビュー
http://www.chacott-jp.com/magazine/interview-report/interview/post-116.html

テレビ朝日のニュース映像(インタビュー付き)

日テレの受賞の喜びを語るニュース映像
http://www.news24.jp/articles/2016/05/19/10330490.html

パリ・オペラ座バレエは来年3月に来日予定ですが、こちらのダンスキューブのインタビュー記事によれば「ラ・シルフィード」を踊る可能性が高いそうだとのことです。

NBAバレエ団×林英哲×新垣隆新作「死と乙女」リハーサル

5月27日に初演となる、NBAバレエ団の新作「死と乙女」のリハーサルに先日お邪魔しました。

http://www.nbaballet.org/performance/2015/sitootome/index.html

注目の作曲家新垣隆さんが楽曲を手掛け、新垣さんのピアノと林英哲さんの和太鼓による演奏、舩木城さんの振付による作品です。この日は、初めて、林さんと新垣さんが演奏しながら通しで踊るというリハーサルでした。

Resize0855

まず、新垣隆さんと林英哲さんが生み出す音楽が力強くてメロディアスで、圧倒的に素晴らしいです。ピアノと和太鼓のみの演奏の楽曲でバレエを踊るというのはイメージしづらかったのですが、よく考えてみたらピアノも打楽器なのです。ピアノと和太鼓の応酬によって生まれたハーモニーというのは、パワーを感じさせながらも、同時にメロディも美しく、そして斬新でスタイリッシュ。林英哲さんは言うまでもなく和太鼓では第一人者ですが、新垣さんは作曲家としてだけでなく、演奏者としても超一流で爆演を聴かせてくれ、この二人が火花を散らす様子には興奮します。この音楽でCD出してほしいと思いました。

Resize0853

Resize0859

舩木さんの振付は、この音楽の持つイメージをそのままダンスにしているのですが、彼の振付も非常に独創的です。タイトルの「死と乙女」はエゴン・シーレの同名の絵画にインスピレーションを得たもの。この絵画の持つ、時にはエロティックな愛と死のイメージももちろんありますが、中心となるペアがあるわけではなく、群舞あり、パ・ド・ドゥあり、同時多発的に様々な動きがあり、さらには複数のダンサーを組み合わせてのリフトなど、複雑な動きもあります。ダンサーたちが駆け抜けていく疾走感のある動きがとても印象的です。途中で大声で泣き出す女性ダンサーが登場するなど、ダンサー一人一人が表情豊かに生の感情を表現していくので、魂を呼び起こし、理屈抜きで人間の根源的な部分に働きかけて、内なる様々な想いを掻き立てていきます。

13245291_1015038865240288_240499665

新垣さんは、ストラヴィンスキーに影響を受けていると記者会見でも語っていましたが、確かにこの作品はバレエ・リュス的なイメージ、特にニジンスキーが振付けた「春の祭典」を連想させるところがあります。一瞬、「ショピニアーナ」のフレーズが登場したりするところも、バレエ・リュスへのオマージュを感じさせます。一流の音楽家たちとコラボレーションして、新しい作品を作り上げるというコンセプト自体が、とてもバレエ・リュス的だと感じました。

1024pxegon_schiele_012
エゴン・シーレ「死と乙女」

100年前に、パリでディアギレフ、ニジンスキー、ストラヴィンスキーがバレエに革命を起こしたように、この「死と乙女」という作品が日本のバレエ界に革命を起こしてくれるのではないか、そういった期待を持たせてくれる、大変わくわくさせてくれたリハーサルでした。

Resize0856


もう一作品、アイルランドの民族舞踊を基にした「ケルツ」のリハーサルもありました。こちらの作品でも、途中の男性ダンサーたちによるパートは、和太鼓の生演奏に合わせて踊られます。この和太鼓を演奏するのは、林英哲さんの音楽に共鳴する若手奏者たちの太鼓ユニット「英哲風雲の会」で、パワフルな男性ダンサーたちの踊りにとてもマッチしていました。躍動感があって、とても素敵な作品でした。

Resize0857

日本のバレエ界は、どうしても古典作品中心で、新しい作品が生まれにくくなっています。そのような状況を打破すべく、久保紘一芸術監督は、日本発の新しいバレエを生み出そうと今回の公演を企画しました。この挑戦する姿勢は素晴らしいし、そしてリハーサルを観た限りでは、とても興奮させられる、そして観て聴いて面白い、新しい芸術の誕生に立ち会える瞬間が待っていると感じさせてくれました。バレエやダンスに関心がある人だけでなく、音楽を愛好する人、アートを愛する人、いろんな人が観て、インスピレーションを得られる作品になっていると思います。振付家、作曲が日本人で、和太鼓を使っているクオリティの高い作品ということで、海外に持って行っても日本発の最新作ということで勝負できるのではないかと思いました。公演がとても楽しみです。

Resize0861


公 演 名:
『死と乙女』
日   時:
2016年5月27日(金)開場18:30・開演19:00
    5月29日(日)開場12:30・開演13:00
            開場16:30・開演17:00
公演は約2時間を予定
会   場: 北とぴあ
チケット料金:
全席指定
5月27日(金)プレビュー公演
SS席 9,000円
 S席 7,000円
 A席 6,000円
学生席 3,000円(大学・高校生)
5月29日(日)本公演
SS席 10,000円
 S席 8,000円
 A席 7,000円
学生席 3,000円(大学・高校生)
お問い合せ・
電話予約: NBAバレエ団事務局(月~金10:00~17:00)
Tel:04-2937-4931

芸術監督・演出:久保紘一
作曲:新垣隆
振付:第三部「死と乙女」/舩木城 ・ 第一部「和太鼓」/宮内浩之

Act1 和太鼓 英哲風雲の会
Act2 ケルツ ライラ・ヨーク振付
Act3 舩木城 新作「死と乙女」

2016/05/17

モンテカルロ・バレエ「くるみ割り人形カンパニー」ネット視聴可能

昨年12月30日にインターネットと映画館で生中継された、モンテカルロ・バレエの「くるみ割り人形カンパニー」(ジャン=クリストフ・マイヨー振付」が、Cultureboxで全編視聴可能となっています。(ジオブロックなし)

http://culturebox.francetvinfo.fr/live/danse/danse-contemporaine/casse-noisette-compagnie-par-les-ballets-de-monaco-232877

2013年に初演された「くるみ割り人形カンパニー」、今回はボリショイ・バレエからオルガ・スミルノワとアルチョム・オフチャレンコという豪華なゲストを迎えています。クララの母役として小池ミモザさんが出演。

クララの両親が経営するバレエ学校のスタジオが舞台で、クララはバレリーナを夢見る眼鏡をかけた少女。スタジオの壁面には「牧神の午後」のニジンスキーなど、バレエ・スターの写真が飾られています。そして1幕ではチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」に合わせてバレエ学校の生徒たち(プリンセス・グレース・アカデミーの生徒たち)が踊るシーンも挿入されています。ドロッセルマイヤーは妖精という設定で女性ダンサーが演じており、初演ではベルニス・コピエテルスが踊ったとのこと。2幕もカラフルながらマイヨーらしいスタイリッシュさで、各国の踊りには、マイヨーの「シンデレラ」「ロミオとジュリエット」「ラ・ベル」「夢」からの引用が観られます。終盤に登場するスミルノワ(「美女」)とオフチャレンコ(ロミオ)のパ・ド・ドゥはこの上もなく美しく華麗なものです。衣装の一部をカール・ラガーフェルドが手掛けており、クリスマスにふさわしい、華やかで楽しい作品となっています。

Le Père – Alvaro Prieto
La Mère – Mimoza Koike
Clara – Anjara Ballesteros
Fritz – Lucien Postlewaite
La Fée Drosselmeyer – Mariana Barabás
Les Anges gardiens – George Oliveira, Alexis Oliveira
Casse-Noisette – Stephan Bourgond
Charmant, ami de Clara – Christian Tworzyanski
Zoé, amie de Fritz – Victoria Ananyan
Albrecht, Danseur étoile – Gabriele Corrado
Giselle, Danseuse étoile – Liisa Hämäläinen
Roméo – Artem Ovcharenko
La Belle – Olga Smirnova

ニュース映像

2016/05/15

オーレリ・ デュポン引退公演『マノン』映画館上映決定

昨年5月の、オーレリ・ デュポン引退公演『マノン』。先日はNHK-BSでも放映されましたが、この記念すべき公演を大スクリーンで観るチャンスがやってきます。ご案内いただきました。

Resize0852_2
Photo : © Christian Leiber / Opéra national de Paris

バレエ史上最も多くのファンに愛されたバレエダンサーの一人であるオーレリ・デュポンが長年トップエトワールとして活躍してきたパリ・オペラ座で、2015 年 5 月に彼女のダンサー人生の幕を閉じる引退公演が行われた。世界中のファンから愛された彼女の最後の公演には、映画界や政界などのセレブを含む総計 2000 人を超えるファンが駆けつけ、これまでの彼女のダンサーとしての努力と経験を基盤とする円熟した踊りに酔いしれる一夜となった。

この引退公演「マノン」には、主役のオーレリ・デュポンだけでなく、ステファン・ビュリオン、アリス・ルナヴァン、バンジャマン・ペッシュ、カール・パケットなど豪華エトワールが参加している。しかもオーレリ・デュポンの相手役を務めたゲスト・ダンサーのロベルト・ボッレはミラノ・スカラ座バレエ団エトワールでありアメリカン・バレエ・シアターのプリンシパルだ。オーレリのためにトップダンサーが集結した引退公演は、ファンに大きな感動を与え、オーレリ・デュポンにとってはダンサー人生の素晴らしい幕引きとなった。

この公演は日本のバレエファンの中でも話題になり、フランスでは収録された公演が映画館で上映されたこともあり、日本での映画館上映を心待ちにしていた方々も多いだろう。収録にあたり監督を務めたのは、映画界でも高い評価を得てきた映画監督セドリック・クラピッシュ。クラピッシュによる繊細な映像は、生の公演の感動をそのままに、オーレリの細かな表情や仕草、そしてダイナミックな舞台上の動きを見事にとらえている。劇場公開では、一部、本邦初公開となるオーレリのインタビュー映像も一緒にご覧頂ける。ハイスペックな映画館の音響環境と大スクリーンで、オーレリの最後のダンスに酔いしれてください。

Resize0851

というわけで、やはり映画館のスクリーンで『マノン』を観られるのは、テレビの画面で観るのとは違った大きな感動があるはずです。こちらの『マノン』、主演の二人や、ステファン・ビュリヨン、カール・パケット、バンジャマン・ペッシュといったエトワールのパフォーマンスも観られますし、それ以外の脇キャストでも、容姿端麗のパリ・オペラ座ダンサーたちを大きなスクリーンで観ることができるという楽しみもあります。

パリ・オペラ座 オーレリ・デュポン引退公演『マノン』
出演:
マノン・レスコー:オーレリ・デュポン
デ・グリュー:ロベルト・ボッレ
レスコー:ステファン・ビュリョン
レスコーの愛人:アリス・ルナヴァン
ムッシューG.M.:バンジャマン・ペッシュ
看守:カール・パケット
指揮・編曲:マーティン・イェーツ
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
美術:ニコラス・ジョージアディス
振付:ケネス・マクミラン
監督:セドリック・クラピッシュ、Miguel Octave
収録:2015年5月18日 パリ・オペラ座 ガルニエ宮(フランス)

上映劇場及び上映日
2016 年 6 月 18 日(土)~6 月 24 日(金)
【東京】TOHO シネマズ 日本橋、吉祥寺オデヲン
【神奈川】TOHO シネマズ ららぽーと横浜
【愛知】TOHO シネマズ 名古屋ベイシティ
【大阪】TOHO シネマズ 梅田
【兵庫】TOHO シネマズ 西宮 OS
【京都】TOHO シネマズ 二条
【福岡】TOHO シネマズ 天神
     2016 年 7 月 1 日(金)〜7 月 7 日(木)
【宮城】TOHO シネマズ 仙台(*仙台のみ 7/1~公開)
料金:一律 3,500円(税込)(*TOHOシネマズ 日本橋のPBS:4,500円(税込))
劇場HP:TOHOシネマズ https://www.tohotheater.jp 、吉祥寺オデヲン
http://cinemaodeon.jp/
配給:カルチャヴィル合同会社 配給・宣伝協力:dbi inc.
引退公演『マノン』情報HP:http://www.culture-ville.jp

また7月には『マノン』のDVDの発売もあります。ファンは映画館、家でDVDと何回も楽しめてラッキーですよね。

パリ・オペラ座バレエ「マノン」~オーレリ・デュポンさよなら公演~ [DVD]パリ・オペラ座バレエ「マノン」~オーレリ・デュポンさよなら公演~ [DVD]

ポニーキャニオン 2016-07-20
売り上げランキング : 1380

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2016/05/14

4/5 マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」(マリインスキー国際フェスティバル)

マリインスキー国際フェスティバルの私にとっての4日目で最終日は、「白鳥の湖」。パリ・オペラ座から、エロイーズ・ブルドンをゲストに迎えての公演。昨年11月に、オペラ座の昇進コンクールで審査員として参加したユーリ・ファテーエフが彼女を気に入って、ゲストに迎えたとのこと。ブルドンはパリでとても人気があるためか、フランスからサンクトペテルブルグに遠征してきたファンも多く、何人かのフランス人やイギリス人の知人に会場で会った。いろんな国から観客が集まるのは、バレエ・フェスティバルの楽しみである。

Resize0818

「白鳥の湖」はやはり人気の演目であり、チケットは早々に売り切れたのだが、出発する数日前に2枚だけ戻りチケットが出てきているのに気が付いて何とか買うことができた。といっても、下手サイド舞台寄りの4階席、舞台寄りの見づらい席。1列目なので前の人の頭を気にする必要はないし1列しかないので後ろの人も気にしなくていいのだけど、舞台の3分の一は見えない。4階席といっても古い劇場なのであまり高さはなく、舞台との距離は近いのだけど。値段は3000円程度なので、席は悪いけど、格安ではあるし、豪華な客席もよく見える。

席からの眺めはこんな感じ
Resize0819

Odette/Odile : Heloise Bourdon  オデット/オディール エロイーズ・ブルドン
Prince Siegfried : Timur Askerov ジークフリート王子 ティムール・アスケロフ
The Prince's Friends: Nadezhda Batoeva 王子の友人 ナデージダ・バトーエワ
Sofia Ivanova-Skoblikova                  ソフィア・イワノワ=スコブリコワ
Xander Parish                         ザンダー・パリッシュ
Jester : Vladimir Shmakov  道化 ウラジーミル・シュマコフ
Von Rothbart: Konstantin Zverev ロットバルト コンスタンチン・ズヴェレフ
Cygnets : Anastasia Mikheikina
Svetlana Ivanova
Svetlana Russkikh
Elina Kamalova
Swans: Victoria Brilyova
Yekaterina Chebykina
Diana Smirnova
Yukuaba Chereshkevich
Two Swans : Xenia Ostreiskovskaya
Sofia Ivanova-Skoblikova
Spanish : Yulia Kobzar
Maria Shevyakova
Alexei Kuzmin
Alexander Beloborodov
Neapolitan : Anna Lavrinenko
Alexei Nedviga
Hungarian : Olga Belik
Kirikk Leontiev
Mazurka : Zenia Dubrovina
Alisa Rusina
Maria Lebedeva
Alisa Petrenko
Dimitry Pykhachov
Roman Belyakov
Dimitry Sharapov
Alexander Romanchikov

マリインスキー劇場で「白鳥の湖」を観ることができるのは感慨深いものがあった。セルゲイエフ版のオースドックスで控えめな感じも劇場によく合っているし、上階から観るマリインスキー・バレエのコール・ド・バレエは幻想的でよく揃えられており、息をのむほど美しい。

「白鳥の湖」をトレードマークとしている劇場に、パリ・オペラ座のバレリーナがゲスト出演するというのは、なかなかプレッシャーがかかるものだと思われる。フランス人の熱心なバレエファンに聞くと、オペラ座で現在オデット/オディールを最も得意としているのは、エロイーズ・ブルドンとのこと。きっちりとした古典の技術、長身でほっそりとしており手脚も長いし上半身も柔らかくリリカルな表現を得意としている。

その彼女も、バックにマリインスキー・バレエの白鳥の群舞を従えると、メソッドの違いは明らかだし、ワガノワ出身者を中心とするマリインスキーのダンサーたちの、典雅でしなやかな上半身の美しさには及ばない。かなり早めにサンクトペテルブルグ入りをし、マリインスキーの教師たちにマリインスキー流バレエを学んできたとのことで、ロシア流の足先が高いアティチュード、手首や腕の細かい使い方などは身につけていたのだが。流派の違いはさておき、ブルドンは傾斜のある舞台の上でも落ち着いており、白鳥の女王たる堂々とした風格と凛とした美しさで、詩的なオデットを好演していた。若いバレリーナ(26歳)ならではの清新さがありつつも、若さゆえの自己主張もあり、長身を利用して空間を大きく切り取っていた。

オディールのブルドンは、技術的にはレベルが高く、グランフェッテもダブルを入れて少しだけ早く終わったもののきれいに回っていたけれども、なぜかオデットほどの支配力がなかったようにも感じられた。ここではゲストならではの緊張感と、若さがちょっと災いしたかもしれない。とはいっても、ミスをしたわけではないし、彼女がオペラ座ではいまだにスジェであることを考えれば、立派なパフォーマンスと言える。最終幕のオデットは、2幕よりもさらに堂々としていながら悲劇的で、非常に美しかった。彼女が心をこめて、周到な準備を重ねてこの大舞台に挑んだのが伝わってきて心を打った。ミルピエには冷遇され、同じころ上演のオペラ座の「ロミオとジュリエット」ではジュリエットの友達やロザラインといった端役しか与えられていないブルドンだが、芸術監督も交代することだし、このゲスト出演の成功を糧に、オペラ座を代表するバレリーナとして羽ばたいてほしいと感じた。

一方、王子役はティムール・アスケロフ。長身で白タイツが良く似合う長く美しい脚、正確な古典技術の持ち主でサポートも上手い。いつでもきれいに5番に入るトゥールザンレール、脚がきれいに伸びたマネージュと、基本的には文句のつけようがない。しかし彼はワガノワ出身ではないこともあり、上半身が硬い。さらに演技力というか表現力が致命的に欠けているので、オデットに対する感情もほとんど見えないし、退屈なダンサーなのだ。昨年の来日公演の「ダイヤモンド」はストーリーのないバランシン作品だったので、彼にとっては良かったと思うのだが、物語バレエで観るのはつらい。パートナーがオペラ座からのゲストということもあったので、パートナーシップというものが築けていなかったし愛はなかった。

ロットバルトのコンスタンチン・ズヴェレフは長身で踊りがシャープなのだが、彼はワガノワ育ちならではのエレガンスもあり、情熱的でしなやかな大きな踊りをする人。3日前の「青銅の騎士」の主役で好演するなど、演技力にも優れている。ズヴェレフはまだ「白鳥の湖」の王子を踊ったことがないのだが、今回はむしろ彼が王子を踊ったほうが良かったのではないかと感じた。終幕の存在感は遥かにアスケロフを上回る。

パ・ド・トロワは、目下大売出し中のトリオ、ナデージダ・バトーエワとソフィア・イワノワ=スコブリコワに、ザンダー・パリッシュ。女性二人とも、跳躍力やプティ・アレグロに優れているダンサー。ソフィア・イワノワ=スコブリコワは、マリインスキー・バレエの女性ダンサーにしてはふくらはぎが太くてプロポーションには恵まれていないけれども、スブレット的な役(キトリなど)には向いているように感じられた。彼女は、終幕の2羽の白鳥も踊っていたけれど、それはやはりこの役の大ベテランであるクセニア・オストレイコフスカヤの抒情性にはるかに及ばない。バトーエワも生き生きとして魅力的だった。ザンダー・パリッシュは、12月の来日公演の時よりもサポートも巧くなってきているし、マリインスキー的ではないものの、美しい脚、クリアで丁寧な踊りで、容姿の美しさも相俟って目の保養になることこの上なしだった。

道化のウラジーミル・シュマコフは今までは知らないダンサーだったが、愛嬌たっぷりだったし、見せ場のピルエット・ア・ラ・スゴンドもとてもよく回っていて、魅力的だった。きっと次の来日公演では活躍することだろう。

Resize0822

3幕の民族舞踊はナポリのアレクセイ・ネドヴィガ、ハンガリーの美しいオルガ・ベリクが目立ったくらいで、あとはそれほど印象に残らなかった。スペインはやはりもっと派手に華やかに踊ってもらいたい。

コール・ド・バレエのエレガンスと統一感は前述の通りで、マリインスキー・バレエの白鳥の美しさは世界一だと改めて実感した。それをこの古風で歴史を感じさせる劇場で観られた幸せはひとしおだった。ブルドンは情感豊かで技術に優れた、美しく素晴らしいバレリーナだし、これからオペラ座ではオデットを何回も踊ることだろう。でも次マリインスキー劇場で観ることができるなら、その時はやはりマリインスキー・バレエのオデット/オディールで観たい。

Resize0825

Resize0829


«ENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)のコンクール「エマージング・ダンサー」5/17ネット中継 /追記 (結果)