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2017/01/19

マラーホフがクロアチア国立バレエに「白鳥の湖」振付

ウラジーミル・マラーホフが、クロアチア国立バレエで、「白鳥の湖」を振付けるとのことです。

Preparations for Vladimir Malakhov’s Swan Lake are under way
http://www.hnk.hr/en/p-i-tchaikovsky-v-malakhov-swan-lake/

マラーホフは、ベルリン国立バレエの芸術監督時代に、「ラ・バヤデール」、「シンデレラ」、「眠れる森の美女」を振付けていますが、「白鳥の湖」を振付けるのは初めてのこと。

振付助手を務めるのは、元ベルリン国立バレエの針山愛美さん。初日は3月17日です。

針山愛美さんのブログでも、この「白鳥の湖」に関する記述があります。
http://eym.jugem.jp/?eid=683

いつかこの「白鳥の湖」を観る機会があると良いですよね。

2017/01/18

1/20(金)NHK-BS1 ぼくらはマンガで強くなった「夢をカタチに!究極の肉体表現“バレエ”」

NHK-BS1の「ぼくらはマンガで強くなった」の1月20日(金)の放送では、山岸凉子のバレエ漫画の金字塔「アラベスク」を通してバレエの魅力に迫るそうです。

http://www4.nhk.or.jp/boku-man/x/2017-01-20/11/31133/2556008/
(予告編映像あり)

今回のテーマは「バレエ」。伝説的マンガ「アラベスク」を通じて、その魅力に迫る!

言葉を発せず肉体だけで感情を表現し、物語を紡ぐバレエ。わが国では、少女マンガの一大テーマとして、多くの作品が描かれてきた。最大のヒット作が、1971年に連載が始まった「アラベスク」だ。バレエの精緻な描写と、人間模様を描き、プロのダンサーも魅了してきた。名作はいかに描かれたのか!?作者・山岸凉子の直筆手紙を交え、ひも解く。また、トップダンサーや、最新のバレエ教室のレッスンにも密着、バレエの神髄に迫る

【出演】上野水香(東京バレエ団)、須田亜香里(AKB48)、槇村さとる(漫画家)、横里隆(ダ・ヴィンチ元編集長)、斎藤友佳理(東京バレエ団芸術監督)、根岸美凪(2016年ローザンヌ国際コンクール出場)

1月20日(金)午後11時00分~ 午後11時50分 NHK-BS1

NHK-BS1「ぼくらはマンガで強くなった」で上野水香らが山岸凉子作「アラベスク」を通してバレエの魅力を紹介

http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2017/01/18_02.php

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2017/01/15

ロイヤル・バレエ、「Woolf Works(ウルフ・ワークス)」のリハーサル中継

ロイヤル・バレエで1月21日から上演される「Woolf Works(ウルフ・ワークス)」。作家ヴァージニア・ウルフの作品や生涯をモチーフにした、ウェイン・マクレガー振付の作品です。

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2015年の初演の際には、アレッサンドラ・フェリが主演して大きな話題を呼び、評判も非常に良い作品でした。ローレンス・オリヴィエ賞の最優秀新作ダンス作品、傑出したダンス界への貢献でアレッサンドラ・フェリが受賞しています。さらに英国ナショナル・ダンス・アワードでは、ウェイン・マクレガーが最優秀クラシック振付賞、アレッサンドラ・フェリが最優秀女性ダンサー賞を受賞しています。
http://waynemcgregor.com/productions/woolf-works

この「Woolf Works」のリハーサルが、ロイヤル・オペラハウスのYouTubeチャンネルで生中継されたのですが、時間が深夜だったためライブでは見ませんでした。が、その録画が現在観ることができるのでご紹介します。

振付家のウェイン・マクレガー、ノーテーター(舞踊譜記録者)、そして作曲家のマックス・リヒターも参加してのリハーサルです。

最初は、ヴァージニア・ウルフ役のマーラ・ガレアッツィ、マシュー・ボールによるリハーサル。その後、エドワード・ワトソン、高田茜、トリスタン・ダイヤーによる「ダロウェイ夫人」のリハーサルを視聴することができます。最後は、ワトソン、ダイヤーによる息詰まるようなパ・ド・ドゥです。マックス・リヒターの音楽も素晴らしい。


なお、この「Woolf Works(ウルフ・ワークス)」は、「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2016/17」で映画館で上映される予定です。2月8日の公演が収録されます。(キャストは、フェリ、ラム、オシポワ、高田茜、ボネッリ、マックレー、ワトソン、エイヴィス、ダイヤーほか)
日程はまだ発表されていませんが、3月中かと思われます。このような最新作品を日本で映画館で観ることができるのは本当に嬉しいですね。
http://tohotowa.co.jp/roh/

2017/01/14

デヴィッド・ホールバーグはオーストラリア・バレエの「眠れる森の美女」にも出演

12月に2年半のブランクの後、オーストラリア・バレエの「コッペリア」に主演して舞台復帰を果たしたデヴィッド・ホールバーグ。ABTのMETシーズンへの出演も発表されています(演目は未定)

そのホールバーグですが、ABTへの復帰の前に、もう一度オーストラリア・バレエに出演することが明らかになっています。
https://deborahjones.me/2017/01/11/hallbergs-date-with-beauty/

今年2月にオーストラリア・バレエがブリスベンで上演する「眠れる森の美女」の9公演のうち、2公演にホールバーグが出演します。パートナーは、「コッペリア」でも共演したアンバー・スコット。具体的な日時はまだ決まっていません。

オーストラリア・バレエでリハビリに励んだことが功を奏して、見事に舞台復帰を果たしたホールバーグ。オーストラリア・バレエの芸術監督、デヴィッド・マカリスターは、この「眠れる森の美女」以降もぜひホールバーグにはゲスト出演をしてほしいと考えており、ホールバーグの方も、1年のうち1か月くらいはオーストラリア・バレエで踊りたいと語っているそうです。

ホールバーグは、フランツ役での舞台復帰を、舞台の水に慣れることに例えました。4公演踊り終えて「ちょっと馴染んできたけど、完全になじむまでにはもう少しかかりますね」と語っています。

「眠れる森の美女」は、さらにテクニック的なチャレンジとなるため、それらのチャレンジ点を分析し、オーストラリア・バレエの医療チームに手伝ってもらうことになるそうです。「『眠れる森の美女』をボリショイやマリインスキーやABTで踊ったりDVDで踊った自分の今までの経験と比較しないで、『コッペリア』のフランツ役にアプローチした方法で挑戦することが大事です」

長いリハビリの過程によって、今までと異なった形にチューニングされた楽器を手に入れたようだとホールバーグは語りました。「古典バレエにおいても、異なった芸術的な視点を持つようになりました。古典バレエの多くの作品においては、愛憎相半ばする感情を持っていました。これら古典作品のキャラクターが存在し得るものなのかどうかということで長年葛藤してきました。でも、2つの面がここで現れたのです。一つは、新しいものを発見し、今までの経験を通して新しいものを創造し、そしてもう一つ、自分の代表作として知られていた役柄に新しい命を吹き込むことです」

さらに新しい発見もありました。リハビリの経験を通して、ホールバーグは、肉体の強化とコンディショニングにより時間を割くことが必要だと知り、それをどうやって行えばいいのかがわかるようになったそうです。
「もう一つ、オーストラリアに来たときには、明るい見通しは何一つありませんでした。芸術的にも、感情的にも、肉体的にもすべての希望を失っていたのです。この苦悩を通して、一つの視点を得ることができました。34歳のアーティストとして、困難に耐える深い力を得ることができ、それを通して、今までと全く違った芸術的な理解を得られたのです。そして、それはもはやエゴによって推し進められたものではなくなりました」


なお、ホールバーグは1月3日にはABTのクラスレッスンに復帰しています。

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2017/01/13

新国立劇場のバレエ、ダンス2017/18シーズンラインアップ/オペラ「松風」サシャ・ヴァルツ振付・演出

新国立劇場バレエ団の2017/18シーズンラインアップが発表されています。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/170112_009745.html

2017/2018シーズン バレエ ラインアップ

くるみ割り人形 [新制作]  2017年10月28日(土)より7公演
ウエイン・イーグリング振付
 
シンデレラ 2017年12月16日(土)13:00より7公演
 
新国立劇場開場20周年記念特別公演
ニューイヤー・バレエ 2018年1月6日(土)18:00、1月7日(日)14:00 2公演
「パ・ド・カトル」「グラン・パ・クラシック」「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」「シンフォニー・イン・C」
 
ホフマン物語 2018年2月9日(金)19:00より3公演
 
白鳥の湖 2018年4月30日(月・祝)14:00より6公演
 
眠れる森の美女 2018年6月9日(土)14:00より5公演
 

2017 年 7 月
平成 29 年度
新国立劇場 こどものためのバレエ劇場
しらゆき姫


2017/2018シーズン ダンス ラインアップ

舞踏の今 その1
山海塾「海の賑わい 陸オカの静寂―めぐり」
 
高谷史郎(ダムタイプ)「ST/LL」
 
舞踏の今 その2
大駱駝艦・天賦典式「罪と罰」
 
森山開次「サーカス」


プレスリリース
http://www.nntt.jac.go.jp/release/press/upload_files/lineup_ballet_dance_2017-2018.pdf


<追記>
イーグリングの“新・くるみ割り人形”〜新国立劇場バレエ2017/18シーズン
https://spice.eplus.jp/articles/98890

ラインナップについて大原は「日本のバレエの観客はバレエ人口に比例していない。一般観客がどういう作品を求めているのかを考え、(新制作、コンテンポラリーも必要だと感じるが)国立の劇場として古典バレエの上演、私自身はドラマティックなバレエを入れていきたい。また、東京以外の地方公演を増やしていきたい。その際ホール側から求められる作品は古典もの(『白鳥』『くるみ』『眠れる』等)。新国立劇場の『くるみ』はロシア版、牧阿佐美版があるが、新国の劇場にあう大きな装置で上演されるため、地方に持って行くことが難しい。新制作は地方に持って行ける作品としてということも考えてのこと。また、このバレエ団を層の厚くするためにも、若手を起用し循環させ、キャスティングの面白さで観に来ていただけるようにしたい」と語った。

2017/2018シーズンは一言でいえば古典重視。
「くるみ割り人形」の新制作を含めてチャイコフスキー3大バレエを一シーズンにまとめて上演します。今シーズン上演された「シンデレラ」、「眠れる森の美女」は2シーズン連続の上演、特に「シンデレラ」はいったい何回目の再演なのだろうという頻度です。。ガラ公演「ニューイヤー・バレエ」は古典2演目とバランシン2演目。コンテンポラリーダンスの演目は一つもありませんし、ドラマティックバレエは「ホフマン物語」のみ。唯一「ホフマン物語」が目先の変わった作品で楽しみですが、3公演しかないのは残念です。

古典重視は動員力を考えると致し方ないのかもしれませんが、せめて、チュチュお姫さまではない古典演目、たとえば「ドン・キホーテ」、「ラ・バヤデール」、「ライモンダ」、もしくはまだ上演されていませんが「海賊」などがあったら、もう少しバラエティに富んだイメージがあったのに、と思います。男性ダンサーの活躍できる場面が、このラインアップではほとんど思い浮かびません。最近の新国立劇場バレエ団は、若手の男性ダンサーが非常に充実してきて、容姿もよく技術的にも高いのでとてももったいない感じです。

また、今シーズンは、ダンスラインアップの中に、団員による振付作品を上演する「Dance to the Future」、新国立劇場バレエ団の団員に中村恩恵さんが新作を振付ける「ベートーヴェン・ソナタ」という意欲的なプログラムがありましたが、今年のダンスラインアップはすべて外部団体によるもの。舞踏作品を上演するのは良いのですが、山海塾も大駱駝艦も動員力、実績のある有名カンパニーで、新国立劇場で上演する意味があまり感じられません。

「Dance to the Future」は、2016年に2回公演があったから、なのかもしれませんが、これだけ続いていた好企画が途絶えてしまってはとても残念です。せめて次のシーズンには復活してもらいたいものです。今年2月の「ヴァレンタイン・バレエ」では貝川鐵夫さんの作品が上演されますが、貝川さん、そして宝満直也さんが「Dance to the Future」で発表した作品のクオリティも高かったので、「ニューイヤー・バレエ」で追加上演されたらいいのに、と思います。

バレエの観客のすそ野を広げるためにも、同じような古典演目だけでなく、新しい観客をつかむことができるようなプロダクションも上演することが大事だと感じています。今と同じ観客だけを相手にしていては、先細りとなってしまいます。
2月18日(土)「ヴァレンタイン・バレエ」14:00公演終演後 に大原芸術監督による2017/2018シーズン演目説明会がありますが、どのような考えを持ってこのようなラインアップにしたのか、聞いてみたいと思います。


なお、新国立劇場2017/2018シーズン オペラ ラインアップ
http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/170112_009606.html

この中の
松風 [新制作・日本初演]

振付家サシャ・ヴァルツの演出により、2011年5月にベルギー王立モネ劇場で初演された、細川俊夫さんによって1幕5場のオペラに仕立てられた作品です。ダンスはサシャ・ヴァルツ&ゲスツによるということで、こちらはとても期待される作品です。しかも塩田千春さんのインスタレーションも使用されているというのが興味深いところです。

現代を代表する作曲家として世界で高く評価される細川俊夫のオペラが、新国立劇場に初登場します。『松風』は能の古典『松風』をもとに若手作家ハンナ・デュブゲンがドイツ語台本を書き下ろし、細川によって1幕5場のオペラに仕立てられた作品で、世界有数の振付家サシャ・ヴァルツの演出により、2011年5月にベルギー王立モネ劇場で初演されました。サシャ・ヴァルツは、『松風』以前に古代の二人の女性の運命を描いたオペラ『メデア』や『ディドとエネアス』を既に振付・演出し、音楽と舞踊、声楽が一体となったコレオグラフィック・オペラという様式を確立しています。サシャ・ヴァルツ演出『松風』は、モネ劇場、ルクセンブルク大劇場、ポーランド国立歌劇場との共同制作、ベルリン州立歌劇場の協力により初演され、自然と幽玄を描く細川の音楽、舞踊と声楽が一体となって表現される斬新な演出、死者と生者を行き来させた塩田千春のインスタレーションが効果的な美術によって、「80分があまりに早く過ぎてしまった」(フィナンシャルタイムズ)と絶賛されました。初演したモネ劇場は『松風』をはじめとする意欲的なプログラムによって、同年の「Opernwelt」誌の最優秀歌劇場に選出されています。 日本初演となる今回の上演では、声楽、演技ともに難役である松風、村雨の姉妹役にイルゼ・エーレンス、シャルロッテ・ヘッレカント、旅の僧にダグラス・ウィリアムズが出演、指揮はデヴィッド・ロバート・コールマンが務めます。また、ダンスはサシャ・ヴァルツ&ゲスツ、ヴォーカル・アンサンブルには新国立劇場合唱団が出演します。

New York Timesにレビューも掲載されており、オペラ作品というよりはダンス作品という色彩が強いようです。
http://www.nytimes.com/2011/08/07/arts/music/matsukaze-opera-by-the-japanese-composer-toshio-hosokawa.html

2017/01/12

ロイヤル・オペラハウスシネマシーズン「アナスタシア」(ロイヤル・バレエ)

英国ロイヤル・オペラハウス2016・17シネマシーズン、バレエ作品第一弾、ケネス・マクミラン振付の「アナスタシア」が1月13日(金)より公開されます。

http://tohotowa.co.jp/roh/movie/anastasia.html

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今でも根強い人気を持つ著名な振付家ケネス・マクミランによる3幕の全長版バレエ『アナスタシア』。ロマノフ朝14代皇帝ニコライ2世の娘、若き皇女アナスタシアは、家族とともにロシア革命の嵐に巻き込まれ、その特権的な生活に終止符が打たれる。そして家族全員が殺された後、死んだはずのアナスタシアだと名乗るアナ・アンダーソンという女性が現れる。記憶なのか妄想なのか、定かでないアナの回想。悪夢に悩まされながらも、自分がアナスタシアだという彼女の信念は揺るがなかった。アナは本当のアナスタシアなのか、それとも--。

映画『追想』(1956)などでも題材となった、皇女アナスタシア伝説をモチーフに描かれたバレエの名作。

【振付】ケネス・マクミラン
【音楽】ピョートル・チャイコフスキー&ボフスラフ・マルティヌー
【指揮】サイモン・ヒューエット
【出演】アナスタシア/アナ・アンダーソン:ナタリア・オシポワ
マチルダ・クシェシンスカヤ:マリアネラ・ヌニェス
ラスプーチン:ティアゴ・ソアレス
【上演時間】3時間5分(休憩時間は13分と14分の計2回)

皇帝ニコライ2世 クリストファー・サウンダース
皇妃アレクサンドラ・フェオドロヴィナ クリスティーナ・アレスティス 
皇太子アレクセイ ローリー・トムズ
皇女オルガ オリヴィア・カウリー
皇女タチヤーナ ベアトリス・スティックス=ブルネル
皇女マリー ヤスミン・ナグティ
皇女アナスタシア ナタリア・オシポワ

ラスプーチン ティアゴ・ソアレス
4人の将校 平野亮一、ヴァレリー・ヒリストフ、アレクサンダー・キャンベル、エドワード・ワトソン

<一幕>
3人の将校 アクリ瑠嘉、トリスタン・ダイヤー、マルセリーノ・サンベ

<二幕>

マチルダ・クシェシンスカヤ マリアネラ・ヌニェス
そのパートナー フェデリコ・ボネッリ
革命家たち ヴィンチェンゾ・ディ・プリモ、ロイヤル・バレエ団の団員

<三幕>
アナ・アンダーソン ナタリア・オシポワ
アナの夫 エドワード・ワトソン
夫の兄弟 トリスタン・ダイヤー
寮母、農婦 クリステン・マクナリー

振付指導を担当したヴィヴィアナ・デュランテをダーシー・バッセルがインタビュー

「アナスタシア」は、マクミランがドイツオペラ・ベルリンバレエ団のために1967年に、現在の3幕部分である1幕版を振付けたのが初演。1971年に、1幕と2幕を追加した作品をロイヤル・バレエに振付けた。アナスタシア/アナ役を初演したのはリン・シーモア。音楽は、1幕、2幕はチャイコフスキーの交響曲1番と3番。3幕はマルティヌーの交響曲6番と電子音楽が使われている。

1幕と2幕はロマノフ王朝末期、華やかな皇室で平穏な生活をしているニコライ2世一家、そしてその末娘の若きアナスタシアが描かれる。2幕では、アナスタシアの社交界デビューを祝った宴で、ニコライ2世の元愛人で、プリマ・バレリーナ・アッソールタの称号を持つマチルダ・クシェシンスカヤが、劇中劇として華麗なグラン・パ・ド・ドゥを踊る。この2幕の終わりにロシア革命で一家は皆殺しにされる。3幕では、戦後、ベルリンの精神病院で自分こそが逃げ延びた皇女アナスタシアと名乗る女性アナ・アンダーソンが登場する。家族が皆殺しにされたこと、戦争、ある兄弟によって助けられたこと、結婚、出産、夫の死…様々な記憶にさいなまれて混乱し、現実と妄想の間を揺れ動くアナの姿が描かれる。(1994年に、最終的にアナ・アンダーソンはアナスタシアではないと証明された)

ナタリア・オシポワのリハーサル風景とインタビュー

「アナスタシア」がロイヤル・バレエで上演されるのは久しぶりのこと。3幕が最初に振付けられて、のちに1幕、2幕が振付けられたこと、音楽が1、2幕と3幕の作曲家が異なること、振付言語も古典バレエ的な1、2幕と現代的な3幕ではまるで違っていることなどもあり、ややちぐはぐな印象がある作品という評価がある。実際に観てみると、確かにそういった部分は否めないのだが、1,2幕に登場した人物や場面が3幕にアナスタシアの記憶として登場するなど、「記憶」をテーマとした3幕の作品としてしっかりとした構造にはなっている。

実際のアナスタシアの映像で始まる1幕では、4人の将校たちの踊りやアナスタシアのソロなどが見せ場となっている。特に将校たちは一人一人ソロを踊ってくれる。さすがに平野亮一さんは長身で見栄えがするので制服姿も決まっている。美しい白いドレスに身を包んだ4姉妹と最年少の皇太子。この皇太子は難病にかかってしまっていたのだが、怪僧ラスプーチンが奇跡的に彼の病気を治したことから、ニコライ2世は彼に絶大な信頼を置くようになる。踊りの見せ場はたくさんあるのだけど、やや冗長な1幕。ナタリア・オシポワのアナスタシアは、技術は言うまでも素晴らしく軽やかに踊り、好奇心が旺盛で活発な少女として目を輝かせて生き生きとしているけれど、この場面ではさほどの深みはない。

2幕は、アナスタシアの社交界デビューの宴で、この宴の客人の中には、ロシアの伝統的な民族衣装に身を包んだ女性たちもいてエキゾチックで華やかだ。シャンデリアが斜めに歪んだ形になっているのは、年若いアナスタシアが下から見たシャンデリアの記憶だからとのこと。この宴では、マリインスキー劇場で絶大な人気を誇ったバレリーナ、マチルダ・クシェシンスカヤが男性ダンサーとパ・ド・ドゥを踊る。クシェシンスカヤはニコライ2世が結婚する前に交際していたことでも有名であり、踊っている最中も盛んにニコライ2世に流し目を送り、この二人の関係が明白なものと感じられて、アナスタシアは戸惑う。クシェシンスカヤを演じたマリアネラ・ヌニェスの華やかさ、これぞプリマという圧倒的なオーラ、そしていわくありげな視線の妖艶さ。パートナーのフェデリコ・ボネッリにはソロはないが、非常に難しいリフトなどパートナーリングは見事。この後、クシェシンスカヤとパートナー、ニコライ2世と皇妃、さらにラスプーチンも参加しての息詰まるようなダンスが繰り広げられる。そして最後の革命のシーンで、無残に皇帝一家や貴族たちは殺戮され、宴が繰り広げていた宮殿は実は精神病院の中であったことが明らかになる。

ワールド・バレエ・デーライブでヴィヴィアナ・デュランテとギャリー・ハリスに指導されるナタリア・オシポワ

何年かのち、精神病院の中。電子音が鳴り響き、ベッドが一つ置いてあるだけの殺風景な中に一人ぽつりとたたずむアナ。一家の殺戮、そして救出された時のことが再現され、このあたりの回想は「マノン」の沼地のシーンの序曲を思わせる。ポワントを履いているものの、動きはコンテンポラリーダンスに近い。アナはエドワード・ワトソン演じる夫や、ラスプーチンの幻影と踊る。大きく見開かれた瞳には強い力がある。自分自身が何者なのか、アイデンティティの喪失に苦しむ、その苦悩を表現するように体を震わせ、ゆがませ、その捻じ曲げられた身体からエネルギーをものすごいスピードで解き放つさまは壮絶。赤ん坊を抱いて夫とパ・ド・ドゥを踊るものの、子どもは奪い去られてしまい、夫も死んでしまってたった一人で残されるアナ。

ここでのオシポワは、圧倒的な身体能力を生かしてアナの葛藤や混乱、苦悩や絶望を描き切り、心を打つような大熱演だった。休憩時間に、振付指導を担当したヴィヴィアナ・デュランテのインタビューが流れる。デュランテは、初演キャストのリン・シーモアに指導されたとのことだが、「醜くなることを恐れるな」とアドバイスされたそう。その教えがオシポワにも伝わっていて、作り物ではない本物の感情が現れた、見事なパフォーマンスを見せてくれた。オシポワがある意味自分の殻を破ることに成功したような、この踊りと演技を観るだけでも、映画館に観に行く価値があると感じた。

「アナスタシア」は日本では2012年に小林紀子バレエシアターが日本初演しているが、ロイヤル・バレエでも
久しぶりの上演であり、DVD映像も発売されていない。このように滅多に観られない作品を大画面で観ることができるのが、英国ロイヤル・オペラハウス2016・17シネマシーズンの魅力である。

リハーサル映像、詳細なキャストやあらすじ、写真などを見たり読んだりできるデジタル・プログラムがロイヤル・オペラハウスのサイトで閲覧できる。プロモコードFREEANAを入力すること。
http://www.roh.org.uk/publications/anastasia-digital-programme


「アナスタシア」は1/13(金)より、TOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ六本木ヒルズ他で上映。

2017/01/11

シルヴィ・ギエムの最新映像

2015年の大晦日に東京で「ボレロ」を踊って、バレエダンサーとして引退したシルヴィ・ギエム。

現在はイタリアのローマとフィレンツェの間にあるラツィオという街に在住し、動物の愛護運動などを行っているとのことです。昨年11月にはイタリアのテレビにも出演しました。
http://www.gramilano.com/2016/11/syvlie-guillem-appears-on-italian-tv-to-talk-about-veganism/

また、NBSの佐々木忠次さんのお別れ会に参列して、弔辞を述べています。


そのギエムですが、動物愛護団体であるPETAのビデオに登場し、自宅でバーレッスンをしたり愛犬と戯れる美しい映像を公開しています。

現役時代と変わらないスレンダーな体型と圧倒的な身体能力を見せてくれる、とても素敵な映像です。足のクローズアップではルルヴェの高さに改めて驚かされます。引退しても日々の鍛錬は怠っていない様子です。

ギエムは5年前にヴィーガン(卵も食べない厳格な菜食主義)となったとのことです。動物は人間と同様に、痛みや喜びや愛を感じている、必要もないのに殺して食べるために動物を育てることはしてはいけないと語っています。この映像の中で、すべての人々の気持ちを変えさせることはできないけれど、一人に影響を与えることができれば、それはどんどん広がっていく、一滴の水では火事を消すことはできないけれど一滴が集まって雨となれば、火事を消すことだってできると語っています。

Ballet Icon Sylvie Guillem Made a Video with a Powerful Message
http://www.dancespirit.com/news/sylvie-guillem-video-message/

2017/01/06

フィンランド国立バレエ「雪の女王」ウェブ配信

4月に『たのしいムーミン一家 ~ムーミンと魔法使いの帽子~』で来日公演を行うフィンランド国立バレエ。

そのフィンランド国立バレエの公式サイトで、芸術監督ケネス・グレーヴが振付けた『雪の女王』の全編が無料配信されています。
http://oopperabaletti.fi/en/stage24/lumikuningatar/

2014年に収録された映像で、48分。ファンタジックで美しく素敵な作品です。

Choreography: Kenneth Greve
Music: Tuomas Kantelinen
Sets, costumes: Erika Turunen
Sets, lighting design: Mikki Kunttu
Make-up design: Pekka Helynen

Cast:
actor Krista Kosonen as grand mother,
étoile Maria Baranova as Kerttu,
étoile Sergei Popov as Kai,
étoile Tiina Myllymäki as Snow Queen.

The Orchestra of the Finnish National Opera
Production of Yleisradio and the Finnish National Opera and Ballet, 2014.

今月この作品は、デンマークへのツアー公演で上演されるそうです。

フィンランド国立バレエのサイトでは、やはりケネス・グレーヴが振付けた「人魚姫」の映像も全編視聴できます。
http://areena.yle.fi/1-3480947



フィンランド国立バレエ団 
バレエ『たのしいムーミン一家 ~ムーミンと魔法使いの帽子~』 *世界初演
「北欧バレエ・ガラ」

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/17_moomin.html

2017/4/22(土)~25(火) Bunkamuraオーチャードホール

2017/4/29(土・祝),30(日) フェスティバルホール
お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00)
http://www.kyodo-osaka.co.jp/schedule/E018004-1.html

2017/01/05

マリインスキー・バレエ、今夏のロンドン公演

ロンドンの夏は、例年、ボリショイ・バレエかマリインスキー・バレエがロンドン公演を行いますが、今年の夏はマリインスキー・バレエの番です。

概要が発表になっていました。
http://www.victorhochhauser.co.uk/page/3/HOW-TO-BOOK.php

ロイヤル・オペラハウスで7月24日から8月12日までです。
チケットの発売は3月28日より。(別途、ロイヤル・オペラハウスのフレンズ会員には先行販売あり)

「ドン・キホーテ」
24, 25, 26 July and 5 August at 7.30pm
5 August at 2pm

「白鳥の湖」
27, 28, 29, 31 July and 1,2, 7 August at 7.30pm
29 July at 2pm

「アンナ・カレーニナ」(ラトマンスキー振付)
3, 4 August at 7.30pm

ミックスプロ(「カルメン組曲」「インフラ」(マクレガー振付)「パキータ」グラン・パ・ド・ドゥ)
8, 9 August at 7.30pm

「ラ・バヤデール」
10, 11, 12 August at 7.30pm
12 August at 2pm


出演予定プリンシパル

エカテリーナ・コンダウーロワ、オクサーナ・スコリク、ヴィクトリア・テリョーシキナ、ディアナ・ヴィシニョーワ

ティムール・アスケロフ、エフゲニー・イワンチェンコ、キミン・キム、ザンダー・パリッシュ、ウラジーミル・シクリャーロフ

ロンドン公演出演予定者の中にウリヤーナ・ロパートキナの名前がありません。現在ロパートキナは怪我のためにマリインスキーに出演できていないようです。ザンダー・パリッシュはプリンシパル・ダンサーではありませんが、英国出身のために名前を出しているのかもしれませんね。

2017/01/04

デヴィッド・ホールバーグ、ABTに復帰予定

怪我とそのリハビリのために2年半も舞台から遠ざかっていたデヴィッド・ホールバーグ。12月に、1年にわたってリハビリのために滞在していたオーストラリアで、オーストラリア・バレエの「コッペリア」に主演して舞台復帰を果たしました。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2016/11/post-ee9a.html

「コッペリア」では長いブランクを感じさせず、良いパフォーマンスを見せることができたようです。

カーテンコールより。

Special show, special peeps. 💛❤️ @amber_e_scott @davidhallberger #ausballet #coppelia

Kate Longleyさん(@klongersklongers)が投稿した写真 -

公演のレビュー
https://deborahjones.me/2016/12/14/david-hallberg-in-coppelia/

ホールバーグのインタビュー記事
http://www.theaustralian.com.au/arts/stage/australian-ballet-rebuilds-international-superstar-david-hallberg/news-story/bf994411652bc0f0068f36a510fc56b1

金髪の美貌で貴公子のイメージの強いホールバーグですが、「コッペリア」のフランツ役という庶民的なキャラクターも魅力的に演じることができたようです。音楽性に優れ、美しい脚と高いルティレは健在。この時点では、まずはこの「コッペリア」での復帰だけを考え、そこより先のことはゆっくり考えると彼は語っていました。

しかし、このオーストラリア・バレエでの復帰が成功を収めたいうことで、古巣のABTへの復帰も発表されました。

David Hallberg Returns to American Ballet Theater
http://www.nytimes.com/2017/01/03/arts/dance/david-hallberg-returns-to-american-ballet-theater.html

1月10日よりABTでのクラスレッスンに参加し、5月からのMETシーズンでABTの舞台に復帰するそうです。まだ、どの作品に出演するかは決まっていませんが、2週間くらいでめどが立つそうです。このMETシーズンで新作「ホイップクリーム」が上演されるアレクセイ・ラトマンスキーとの仕事も楽しみにしているとのこと。

ABTの公演カレンダーを見ると、「ホイップクリーム」の他、「ジゼル」や「オネーギン」で主役男性のキャストが未定の日程があります。ここにホールバーグが出演する可能性は高いかもしれません。

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