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  • 東北地方太平洋沖地震 義援金

2013/06/19

「マノン」レスコー役、「マイヤリング」ルドルフ役初演のデヴィッド・ウォール逝去

マクミランの「マノン」レスコー役、「マイヤリング」ルドルフ役を初演した、元英国ロイヤル・バレエのプリンシパルで、ENBでバレエ・マスターを務めていたデヴィッド・ウォールが逝去しました。享年67歳。

Ballet dancer David Wall dies aged 67
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-22963499

Ballet dancer David Wall dies of cancer aged 67
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/classical/news/ballet-dancer-david-wall-dies-of-cancer-aged-67-8664497.html

David Wall obituary
http://www.guardian.co.uk/stage/2013/jun/19/david-wall

ロイヤル・オペラハウスのオフィシャル(ケヴィン・オヘアの追悼文つき)
http://www.roh.org.uk/news/former-royal-ballet-principal-david-wall-dies

21歳でロイヤル・バレエ史上最年少のプリンシパルとなったデヴィッド・ウォールは、マーゴ・フォンテーンのパートナーも多く務めました。彼の「マノン」レスコー役は、アンソニー・ダウエルのデ・グリュー役とともにDVD化されています。

84年に引退後は、ロイヤル・アカデミーのアソシエイト・ディレクターを経て、ENBのバレエ・マスターに就任し、マクミラン作品の振付指導では、世界中のバレエ団で活躍していました。指導者として、多くのダンサーたちに愛されてきており、特にダリア・クリメントヴァは彼を師として敬愛し、今日の彼女の「白鳥の湖」公演を彼に捧げるとしています。また、タマラ・ロホもENBの芸術監督として、追悼の意を表しています。

ロンドン、テート・ブリテン美術館の近くには、彼の跳躍する美しい姿の像が設置されています。
http://www.londonremembers.com/memorials/dancer-statue

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ご冥福をお祈りします。

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モスクワ国際バレエコンクールで、畑戸利江子さんが3位に入賞

現在最終審査が行われている第12回モスクワ国際バレエコンクール。ジュニア部門の発表が現在行われているようなのですが(まだ他の入賞者の名前は発表されていないようです)、15歳の畑戸利江子さんがジュニアのデュエット部門3位に入賞したとのことです。おめでとうございます。

http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013061801002811.html

【モスクワ共同】モスクワのボリショイ劇場で開催された第12回モスクワ国際バレエコンクールで18日、女性ジュニア部門(14~18歳)デュエットに参加した日本の畑戸利江子さん(15)=愛知県岩倉市=が3位に入賞した。

 同コンクールは1969年から4年ごとに開催。ローザンヌ国際バレエコンクールなどと並ぶ世界有数のバレエコンクールとして知られる。

 ジュニア部門には57人が参加。畑戸さんは、ロシア人の男性パートナーと予選を勝ち抜き最終選考に残っていた。

15歳・畑戸利江子さんが3位入賞…モスクワ国際バレエコンクール
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130619-OHT1T00058.htm

こちらではパフォーマンスの写真が見られます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130619-00000006-jijp-int.view-000#contents-body

http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2013061801002811 (畑戸さんの写真入り)

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/06/2013061801002811.htm

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013061990012032.html
中日新聞の記事はもう少し詳しくて、畑戸さんは「ドン・キホーテ」のヴァリエーションを踊ったとのことです。


2次審査の結果までは、オフィシャルサイトで発表されています。(後で最終結果を更新しますね)
http://moscowballetcompetition.com/en/node/28

追記:上記リンクでジュニア部門の受賞者が発表されています。
Juniors Girls
First prize: Miko Fogarty (Switzerland), Ksenia Ryzhkova (Russia) , Elvina Ibraimova (Russia)
Second Prize: Gisele Bethea (United States), Olesia Shaitanova (Ukraine)
Third Prize: Maria Theresa Beck (USA), Katherine Higgins (United States), Rieko Hatato (Japan)
Diploma: Paula Alves (Brazil), Amanda Gomes (Brazil)

Boys
First prize: Timofejs Andrijasenko (Latvia)
Second prize: He Taiyu (China), Shi Yue (China)
Third prize: Luan Batista (Brazil), Mykola Gorodiskii (Ukraine)
Diploma: Alexei Seliverstov (Russia), Yuri Mastrangeli (Italy)

ジュニア部門の1位にミコ・フォガティ、3位には畑戸利江子さん、ローザンヌのファイナリストでYAGPでブロンズ、ヘルシンキ国際コンクール3位のキャサリン・ヒギンスが入賞しています。


折しも、ミコ・フォガティが登場する映画、「ファースト・ポジション」のブルーレイが今届いたところです。今日発売。

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シニア部門の受賞者も発表されていました。
http://www.bolshoi.ru/about/press/articles/2013/2625/

http://vmdaily.ru/news/2013/06/19/na-baletnom-nebosvode-zazhglis-novie-zvezdi-201256.html

SENIOR GROUP
SOLOISTS ソロ部門
1位、ゴールドメダル David Zaleev (Russie)カザン歌劇場バレエ
2位、シルバーメダル Elizaveta Kruteleva (Russie)ボリショイ・バレエ, Igor Tsvirko (Russie) ボリショイ・バレエ
3位、ブロンズメダルAnastasia Limenko (Russia) モスクワ音楽劇場 Ernest Latypov (Kyrgyzstan)マリインスキー・バレエ

パ・ド・ドゥ部門
1位、ゴールドメダル Oksana Bondareva (Russia) ミハイロフスキー・バレエ, Timur Askerov (Azerbaïdjan)マリインスキー・バレエ
2位、シルバーメダル Tatiana Bolotova (Russia)モスクワ国立バレエ, Oksana Skorik (Russia)マリインスキー・バレエ, Artem Pizhov (Russia) モスクワ国立バレエ
3位、ブロンズメダルAnastasia Soboleva (Russia)ボリショイ・バレエ, Diana Kosyreva (Russia)モスクワ音楽劇場, Nikita Soukhoroukov (Ukraine)キエフクラシックバレエ

Honorary Diploma 奨励賞
Ajgerim Beketaeva (Kazakhstan)
Eun Won Lee (Korea)
Elizaveta Chebykina (Ukraine) キエフ・バレエ
Elizabeth Cheprasova (Russia) キエフ・バレエ
Margarita Schreiner (Russia, Bolshoi Theatre) ボリショイ・バレエ
Georgy Gusev (Russia, Bolshoi Theatre) ボリショイ・バレエ
Alexei Popov (Russie) マリインスキー・バレエ
Alexander Omelchenko モスクワ音楽劇場
Eldar Sarsembayev (Kazakhstan)
Sol Jon Han (Korea)

6/20(木)の「ワールドWAVEトゥナイト」、特集に【ウィーン国立バレエ団・日本人夫婦ダンサーの挑戦】

6/20(木)22:00~NHK-BS1の「ワールドWAVEトゥナイト」、特集に、
【ウィーン国立バレエ団・日本人夫婦ダンサーの挑戦 ほか】とありました。

http://www.nhk.or.jp/worldnews/programs.html(番組表)

http://www.nhk.or.jp/worldwave/(番組ホームページ)

ウィーン国立バレエの橋本清香さんと、木本全優さんが取り上げられているものと思われます。どれくらいの長さになるかわかりませんが、楽しみですね!

ついでなので、6月29日に開かれるヌレエフ・ガラの準備をしているウィーン国立バレエのリハーサル&ヌレエフについて語る芸術監督マニュエル・ルグリのインタビュー動画を紹介しておきます。ルグリのインタビューは英語で、彼が体を動かしながら指導する様子も見られます。ルグリとリハーサルする橋本さんのリハーサルの様子も。ヌレエフ・ガラでは、「シルヴィア」でルグリとオーレリー・デュポンが踊ります。

http://vimeo.com/68388131

Nurejew Gala 2013 Probenvideo from DelbeauFilm on Vimeo.

2013/06/16

SWAN MAGAZINE 2013年夏号 Vol.32

SWAN MAGAZINE 2013年夏号が発売されました。

http://www.heibonsha.co.jp/swanmagazine/

巻頭連載「パリ・オペラ座 エトワールに夢中!」Vol.16は ステファン・ビュリオンです。

昨年夏には世界バレエフェスティバルで来日し、先日のオペラ来日公演「天井桟敷の人々」でもバチスト役で主演して活躍した彼。派手な存在ではありませんが、怪我での降板も少なく、長身を活かして大柄なバレリーナもしっかりサポートできる、頼りがいのある一人。年間に60回もの舞台をこなす働き者です。「ラ・バヤデール」でエトワールに任命された時には、偶然にも客席に両親が来ていたという幸運に見舞われました。大病を克服し、地道な努力で今の地位を掴んだ彼は、インタビューからも堅実で真面目な性格が伺えます。ファッションピープルではないので、特に好きなブランドもないとのこと。技術だけでなくバレエの姿勢によっても、若い人たちの手本になりたいと語って、地に足のついた様子が伺えます。

[特集]没後20周年「ヌレエフとパリ・オペラ座」

[現地ルポ]
パリ・オペラ座バレエ
「ルドルフ・ヌレエフへのオマージュ」 文・土屋裕子

天才舞踊家ヌレエフとパリ・オペラ座
文・渡辺真弓 写真・瀬戸秀美

ヌレエフ来日記録/ヌレエル年譜

[フォトアルバム]

パリ・オペラ座とヌレエフ作品8

[Special Interview]
ローラン・イレール〈ヌレエフの思い出を語る〉 文・加納雪乃

今年はルドルフ・ヌレエフの没後20周年、生誕75周年ということで、様々なイベントが開催されています。サンフランシスコではヌレエフ展、パリ・オペラ座バレエの「ヌレエフへのオマージュ」ガラ、先日パレ・デ・コングレで開催された「ヌレエフ&フレンズ」ガラ、ボルドー・バレエ団がヌレエフの誕生日である3月17日をはさんで記念の公演を開催、そしてウィーン国立バレエがパリのシャトレ座「ダンスの夏」に来演するなど。

ヌレエフを、主にパリ・オペラ座バレエ団との関わりという視点で語り、彼の足跡を追うとともに、彼の振り付けた作品の写真を多く掲載。また、「ヌレエフの子供」世代を代表する存在、現メートル・ド・バレエのローラン・イレールのインタビューも。ヌレエフからの、「ローラン、幕が開くとき、ダンサーの目には炎が宿っていなくてはいけないんだよ」という言葉が大変印象的です。


パリの新スポット「ノエラ・ポントワ展」

ガルニエ近くにオープンした新スポット「エレファン・パナム」。元オペラ座ダンサーのファニー・フィアットが開いたダンス&アートの複合スペースです。ここで開催された、エトワール、ノエラ・ポントワ展のレポートが大変充実しています。見に行きたかったな、としみじみ思ってしまいました。


パリ・オペラ座バレエ学校の四季[春-夏] 創立300年を祝う
文・土屋裕子

パリ・オペラ座学校創立300周年記念ガラの模様がレポートされています。記念ガラ公演(こちらは今月末にNHK-BSプレミアムで放映されますね)と、ボリショイ・バレエ学校、ロイヤル・バレエ学校、ナショナル・バレエ・オブ・カナダスクール、ハンブルク・バレエ学校、ジョン・クランコ・スクール、デンマーク・ロイヤル・バレエスクールが参加した公演の模様が大変興味深いです。


[連載 バレエ漫画 第15話]SWAN モスクワ編 有吉京子
SWAN モスクワ編の第15話では、「アグリー・ダック」の成功により、真澄はシュツットガルト・バレエからソリストのオファーを受けます。一方でレオンは真澄に「一緒にハンブルクに行かないか?」と誘います。エドについて行ってNYからベジャール・バレエ団に移ったファニーの葛藤を目の当たりにして、思い悩む真澄…。次回が待ち遠しいですね。


なお、この誌面でも告知がありましたが、京都国際マンガミュージアムにて、7月13日~9月23日まで「バレエ・マンガ~永遠なる美しさ」が開催されます。
http://www.kyotomm.jp/event/exh/ballet2013.php
バレエ・マンガを描いた代表的な作家12名の作品を中心にした展覧会です。原画を中心としたおよそ120点の額装品、当時の貴重な雑誌資料などが2会期に分けて公開されます。また、兵庫県立芸術文化センターの薄井憲二バレエ・コレクションより借用したバレエにまつわる資料や、有馬龍子バレエ団・京都バレエ専門学校より実際の公演で使用した衣裳や公演映像なども同時に展示されます。高橋真琴、山岸凉子、有吉京子、萩尾望都、槇村さとるなどの原画など貴重な資料が出典されます。もちろん「SWAN」の原画も。開催期間に京都まで見に行きたい!

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2013/06/15

CM2本、タマラ・ロホと吉田都さん

バレリーナが出演したCM、最近多く見かけますよね。ポリーナ・セミオノワが出演しているユニクロのエアリズムのCMはご覧になった方が多いと思います。

タマラ・ロホがトヨタのレクサスの海外向けCMに出演しています。

http://youtu.be/rlYVhDKCbqY

モノクロのスタイリッシュな映像で、タマラ・ロホのスピードと強靭さをクルマに重ねていて、実にかっこいいです。

追記:メイキングとインタビュー映像もあります。
http://youtu.be/3fHSkrtTvJM


そして別ヴァージョンCMも。(ENBの加瀬栞さんが出演しています)
http://youtu.be/KbL0UQPwjdg


一方、エステティック、ソシエのCMに出演しているのは吉田都さん。

http://youtu.be/L8g9YdN94qk

美しさの象徴であるとともに、エステを受けたときの極上の気分を、都さんは軽やかで繊細な動きで表現しています。

都さんをフィーチャーしたスペシャルコンテンツも。インタビューで、バレエに対する想いや、美の秘訣を語っています。
http://www.socie.jp/forever_beauty/

レクチャー「フランスにおけるコンテンポラリー・ダンスの変遷」

ジャン=マルク・アドルフ氏(フランス「ムーヴマン」編集発行人) アンティスティチュ・フランセ 6月9日

6月15日、16日に彩の国さいたま芸術劇場にて上演される、マギー・マラン「Salvesーサルヴス」に関連しての講演会。大変学びの多いレクチャーであった。関連する映像も多く紹介された。


「70年代にフランスにコンテンポラリーダンスが出現した時には、アメリカからの影響が大きかった。マース・カニンガムや、フランスに住んだアメリカ人、例えばカロリン・カールソンや、初めてコンテンポラリー・ダンスの学校(アンジェの国立コンテンポラリー・ダンス・センター)を作ったアルウィン・ニコライ(Alwin Nikolais)など。この学校からは、フィリップ・ドゥクフレ(Philippe Decouflé)も育った。さらに、アフリカからの影響も少しあった(Eisa Wolliaston) さらに、80年代にAIDSで亡くなった矢野英征(1943-88)も影響を与えた」

ジャン=マルク・アドルフ氏がコンテンポラリー・ダンスの批評家となった経緯は大変興味深い。もともとジャーナリストとして働いていた彼は、仕事をしているうちに書きたいという気持ちが削がれてしまって、何を書きたいのかわからなくなった。そんな時に友人に誘われ、モンペリエで初めてダンスの公演を観た。ジャッキー・カタネルの「デュオ」という自閉症の少女の動作をダンスにしたものを観て動転し、それから彼の生活も仕事も変わってしまった。ダンスについて書き始めたのだった。ダンスの中に自分自身の何かを認める感覚は、80年代に多くの人が感じたのだった。

その頃、彼はモンペリエに住んでいたので、たくさんの舞台を観ることができた。モンペリエは、ドミニク・バグエのカンパニーの本拠地であり、またダンス・フェスティバルがあったのだ。81年のジャン=クロード・ガロッタの作品「ユリシーズ」では、歓喜に襲われた観客たちが、共同体となって感情を共有した。そんな最初の振付家がガロッタだった。

Cher Ulysse - choreography Gallotta
http://youtu.be/CFZlPtiyotU

ガロッタは、グルノーブルに住んでいたのだが、劇場に迎えられていなかったので、自宅のガレージで作品を作っていた。彼はアートスクール出身で、ダンスの教育を受けていない。マース・カニンガムのアイディアを引用してきて組み合わせての創作を行っている。

そもそもフランスでコンテンポラリーダンスの起源となったのは、1968年の5月革命がきっかけだった。この革命は、政治的な抗議だけではなかった。両親が生きてきた生活、生き方から脱出したいという若者の欲求、とりわけ、恋愛関係の身体の自由に対するアクセスを彼らは求めていた。このような抗議活動は政治的には結実しなかったが、フランス社会を徐々に変えていったのだった。ガロッタはじめ、コンテンポラリー・ダンスの振付家は、バニョレの振付コンクールの第一回、68年に受賞していて、奇妙な一致を見せている。

同じ1968年5月革命の頃、パリ・オペラ座バレエにいたダンサー、モダンダンスの振付家、ダンスの批評家たちが、従来とは違ったダンス政策を求めるためにマニフェストを書いて、美的、そして政治的な種を蒔いたが、それは10年以上かかって花開いた。78年のバニョレ・コンクールがようやく新しい才能を発見する場になった。

<80年代>

そして81年にミッテラン大統領が就任するという政治的な事件が起きた。ジャック・ラングが文科省の大臣に就任した。彼の推進力を元に、新しい振付家を育てる機運が高まった。ドミニク・バグエがモンペリエに住み着いたのは1981年のこと。そして国立振付センター(CCN)がフランス全土に20箇所開設され、仕事のツールをアーティストに与えた。恒常的なスタジオ、予算が与えられ、ダンサーに給料が支払われるようになった。制度が整いクリエーションの環境がでいた。この動きは何者に求められなくなり、溢れ出るような空気、多大な喜びの感情jが生まれた。

83年からは経済の引き締め、ビジネスの方に力が注がれるようになったが、81年から83年のあいだには、イマジネーションが権力から力を奪取するのでは、という雰囲気があった。その頃、ダンスはユートピア的な進歩を続けた。それは、単に美的なものではなく、社会における身体の解放、社会的な身体をダンスが解放するというものであった。

ここで、ドミニク・バグエの「天使の飛躍(Le Saut de l'ange)」のコメンタリー付きの映像を紹介。この作品は、クリスチャン・ボルダンスキ(Christian Boltanski)という造形芸術家と創ったもので、シャルル・ピクがコメントを入れながら映した。
http://www.numeridanse.tv/fr/catalog?mediaRef=MEDIA090807155006079

フィクションにならないように工夫されながら、振り付けの三角ピラミッドなどのグラフィックな形、構造を抜粋を作るにあたって、全体を絵画になるように編集するようにとバグエが指示したものである。ここには、ダンスや演劇でななく、映画、甲斐が、造形芸術を元に作品を作っていくという意図がある。映画は、より多くの観客にアクセスする手段として、ここから「ビデオダンス」が生まれて流行していく。これらはテレビで上映され、ダンスを広く知らしめることになる。

Joëlle BouvierとRégis Obadiatによる「寝室」(La Chambre)
http://youtu.be/LcaUak0jc4g

これは表現主義的な雰囲気があり、モノクロで撮影されて幻想的である。

また、ダニエル・ラリューはプールの中で撮影された「ウォータープルーフ」という作品を作った。レジーヌ・ショピノート(Regine Chopinot)は、"LE DEFILE"でジャン=ポール・ゴルティエと組んでファッションの世界をダンスにした。

http://youtu.be/0Ax4fOVyUM4

フィリップ・ドゥクフレは「Codex」で、時間との戯れを、映画は舞台とは違ったふうに行うことができることを見せた。
http://youtu.be/Y1VlkBLA7vY

マチルド・モニエ(Mathilde Monnier)と ジャン=フランソワ・デュロール(Jean-François Duroure)は「Extasis」(1985)で、80年代パノラマの最後を飾った。無頓着さ、歓び、若さ、ファンタジー。ミュージカルやキャバレーの雰囲気を持ち、クルト・ヴァイルの音楽を使っている。
http://youtu.be/0g8Ne9d78yk

ちなみに、マチルド・モニエは「Pudique acide / Extasis」で11月に来日公演を行う予定。さいたま芸術劇場、あいちトリエンナーレ2013、ArtTheater dB 神戸で公演を行います。
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/mathilde-monnier/

<90年代>

90年代になると、反転が起こったかのようにフランス・ダンス界も80年代とは異なってきた。この時期に起こったパラダイム変化は、政治的なものであった。もはやユートピアの時代ではない。社会全体を変革することはできないという空気が出てきた。

また、80年代終わりから90年代には、AIDSが出現して人間を揺り動かした。93年にドミニク・バグエは、AIDSによって亡くなった。ダンスの共同体そのものが、身体の自由という可能性から逆に攻撃されることになった。若いアーティストたちは、意識的に、今までと同じものを作ることはできない、80年代と同じものを作ることはできないと考えるようになった。

ジャン=マルク・アドルフ氏は、94年よりパリのバスティーユ劇場で働き、7年間プログラミング・ディレクラーとして若いアーティストを発掘して育てた。ジェローム・ベル(Jérôme Bel)が友人として電話してきて作品を見て欲しいというので、彼の初振付作品「作者に与えられた名前」を見たが、これはダンスではなかった。この作品をディジョンのフェスティバルで上演したところ、最初にいた20人の観客で最後まで残っていたのは、二人、アドルフ氏と劇場のディレクターだけだった。バスティーユ劇場でも、15人しか観客が集まらなかった。彼の次の作品「ジェローム・ベル」は、5人のダンサーが全裸で、舞台装置はなく電球1個の照明、歌手が舞台上で「春の祭典」をハミングするのが音楽という作品で、「未確認物体」「実験作すぎる」とディレクターに言われ、「5年後なら上演する」と言われたが、「上演しないなら辞める」ということで上演したら、3回の公演は満員となった。

ル・モンド紙のジャーナリストは、ダンスの動きのないダンス作品を「ノン・ダンス」というコンセプトを作って呼んだ。

80年代と違って、スペクタクル性、演劇性を排して、身体そのものを動きの手段として発見しようという方向性へと移行していった。裸の身体は、センセーションを狙ったものではなく、あるがままの身体を露呈したもの、として再発見された。また、アーティストの何人かは、自分自身が知らなかった時代にインスピレーションを求めて、ジャドソン・チャーチ派やトリシャ・ブラウンなど、50,60年代のアーティストやムーブメントを探っていった。コンテンポラリー・アートへ近づきたいと、造形美術家との共同作業をしたアーティストもいた。日本における”具体”運動に対しても、90年代のアーティストは興味を持っていた。

アラン・ビュファール(Alain Buffard)は、「Good Boy」というソロで、ヌードを使った直接的なかたちでAIDSを描いた。
http://youtu.be/qfCKXZkg214
また、彼は「INtime / EXtime MORE et encore」でも裸の身体を使っている。
http://youtu.be/NYTJpHeVVeQ

ボリス・シャルマッツ(Boris Charmatz)は、MAGMAという作品で、何が共同体、集団を作っているのかを提起するために、ヌードを使った。無音で同じシークエンスが10分間続く作品である。
https://vimeo.com/24181813

今でも、「ダンス」という形が残っているダンスはある。たとえば、アンジェラン・プレルジョカージュの作品など。そして一方で、コンテンポラリー・ダンスとヒップホップが交差するという形式も出てきた。サーカスと交差したNouveau Cirque(ヌーヴォー・シルク)も出現した。

ジャン=マルク・アドルフ氏は、マース・カニンガムやピナ・バウシュのように長期的に続いていないと偉大なアーティストとは言えないと考えている。しかも、長期的な中に、革新的なものを入れていかないとならないと。自分自身のスタイルをカリカチュアしているようではいけない。アーティストは一人だけで仕事をしているわけではなく、倫理的な責任、社会的な責任を負っている。

マギー・マランは、まさにその点では偉大なアーティストである。30年前に作品を発表し始めたところから、作品から作品へと新しくなっていった。彼女の作品には多様な時期があり、演劇な作品から絵画的な作品まで変容している。特に「デュルプス」から「サルヴス」にかけてはそうだ。また、政治的に参加していることも重要である。マランの作品は、美的な質、倫理的な質が高い。彼女はクラシックバレエを経てきている人なので、「サンドリヨン」では、リヨン・オペラ座のダンサーが持っているクラシックバレエの技術を使って、振り付けており、幅が広い。脚を上げなくても、動きが美しく、動きがそれ自体で語ることができる。

リヨン・オペラ座バレエ「サンドリヨン」(シンデレラ)
http://youtu.be/jc6mD40ZUwk

カンパニーは、ダンスのレパートリーを繰り返すだけでなく、新作を作らないといけないし、既にあるレパートリーを取り返さなければならない。パリ・オペラ座バレエも、美術館であっても、絶えず新しい作品を入れて、見せ方を変えていかなければならない。

アドルフ氏は、サルコジ政権のあいだはフランス国外で、フランスを公に代表することは拒絶してきた。サルコジが「国民アイデンティティ賞」なるものを創設したことに抗議してのこと。フランスの素晴らしさは、外国人に対するホスピタリティがあることにあると考えているからだ。マース・カニンガムに制作資金を提供したことも。ピナ・バウシュが「税金を使っているなら出て行け」という市民の声に屈せずにヴッタパールにとどまることができたのも、パリ市からの援助があったからである。山海塾、天児牛大も、テアトル・ラ・ヴィルが資金を提供したのでフランスで活動することができているし、勅使川原三郎も、バニョレ振付コンクールで賞を取り、アドルフ氏の劇場で紹介したことによって、日本で知られるようになった。パリで彼の作品を観た朝日新聞の記者が取り上げて、FAXが紙切れになるほど問い合わせが殺到したのだった。カルロッタ池田もパリで活躍している。最近では、アフリカ出身のアーティストも活躍している。どの国から来ようと、才能のあるアーティストに場を与えるというホスピタリティが、フランスの良さである。日本にも、このような仕組みがあってしかるべきである。パリだけでなく、ボルドー、トゥルーズ、ストラスブールでも優れたダンスを観ることができるのは素晴らしい。

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2013/06/12

デヴィッド・ホールバーグのショートフィルム

最近ではファッション界でも活躍しているデヴィッド・ホールバーグ。VOGUEでアニー・リーボヴィッツに撮影されたり、ダンスをフィーチャーしたCR Fashion Bookのページを飾ったりしています。

最新の彼のプロジェクトは、LVMHグループによるウェブサイトNOWNESSでのショートフィルム。ABTのスタジオに入り、フォームアップし、マルセロ・ゴメスの振り付けた作品を踊る彼の姿が撮影されています。クローズアップが多いので、彼の美しい足先が見られない時が時々あるのが残念ですが、それでも、彼のエレガンスと内面を充分堪能できるものです。

http://www.nowness.com/day/2013/6/11/3093/hallberg-at-work?ecid=soc1268

Hallberg at Work on Nowness.com

いくつかの写真は、このDance Magazineのサイトでも見ることができます。
http://www.dancemagazine.com/blogs/dance-glance/5194

怪我で8ヶ月ほど舞台に立つことができなかったデヴィッドですが、無事にABTのMETシーズンのオープニングガラで復活し、「オネーギン」「ロミオとジュリエット」などに出演しました。10月の東京での「ジゼル」へのゲスト出演も楽しみですね。


CR Fashion Bookのサイトに掲載されているデヴィッド・ホールバーグの写真
http://crfashionbook.com/post/46593553657/white-tights-not-included-david-hallberg-the


NOWNESSでは、NYCBのプリンシパル、ジェイニー・テイラーがクロエの衣装を着て、注目の若手振付家ジャスティン・ペックの作品をジャスティンと踊る美しい映像もアップしています。

http://www.nowness.com/day/2011/4/16/1377/janie-taylor-for-chloe?icid=NownessLoves_1_3093

Janie Taylor for Chloé on Nowness.com

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とてもスタイリッシュなデヴィッド・ホールバーグの他、表紙にはセルゲイ・ポルーニン、またマリ=アニエス・ジロ(インタビューつき)、ミスティ・コープランドほかABTのダンサーなども登場しています。けっこう分厚くてびっくり。

追記:もう一本、デヴィッド・ホールバーグの映像がアップされていたので、ご紹介します。
http://youtu.be/16WnJhypdhA

これは、ボリショイ・バレエなどのバレエ映像を映画館に配給するBallet in Cinemaのプロモーション用の映像です。

2013/06/11

イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の2013/14シーズン

タマラ・ロホが芸術監督に就任して2シーズン目のENBの新シーズンが発表されました。

http://www.ballet.org.uk/news/news-archive/201314-season-announcement-press-conference-round/

アクラム・カーンも同席しての記者会見の詳細
http://dancetabs.com/2013/06/english-national-ballet-announces-2014-season-and-new-barbican-performances/

英国のバレエ団での全幕上演が初めてとなる「海賊」、そして注目の振付家3人-アクラム・カーン、ラッセル・マリファント、リアム・スカーレットによる新作ミックスプロなど大変意欲的なプログラムです。

2013/14 Season

Le Corsaire「海賊」 Anna-Marie Holmes
17 October – 30 November 2013, and 11 February – 15 Feb on tour
9 January – 19 January 2014, London Coliseum

ABTで上演されているのと同じアンナ・マリー・ホルムズ改訂版。カンパニー初演。


Nutcracker 「くるみ割り人形」 Wayne Eagling
20 – 23 November 2013, on tour
11 December – 5 January 2014, London Coliseum


Lest We Forget「Lest We Forget」 Akram Khan, Rusell Maliphant and Liam Scarlett
2 – 12 April 2014, Barbican Theatre

第一次世界大戦開戦100周年を記念して、3人の人気振付家が新作を振り付けます。ラッセル・マリファントとアクラム・カーンがクラシックバレエのカンパニーに新作を作るのは初めてとのこと。2012年に初演された、ジョージ・ウィリアムソン(アソシエイト・アーティスト)の「火の鳥」も併せて上演。バービカン・シアターでENBが公演を行うのは初めて。


My First Ballet: Coppélia 「マイ・ファースト・コッペリア」 George Williamson
5 – 25 May 2014, Peacock Theatre, London and on tour
(Theatre Severn, Shrewsbury / Peacock Theatre London / Manchester Palace Theatre / Assembly Hall, Royal Tunbridge Wells / Waterside Aylesbury / Churchill Bromley)

「眠れる森の美女」「シンデレラ」に続く子供向けの「マイ・ファースト…」シリーズの最新作。


Choreographics
Dates tbc 2014

若手振付家育成のための公演。今まではENBの団員のみだったが、今回からカンパニー外の振付家の作品も受け付ける。


Emerging Dancer 2014「エマージング・ダンサー」
Dates tbc 2014

ENBの優秀な若手ダンサーを選ぶコンクール

Romeo & Juliet「ロミオとジュリエット」 Derek Deane
11-22 June 2014, Royal Albert Hall

タマラ・ロホとカルロス・アコスタの共演も行われます。


Coppélia「コッペリア」Ronald Hynd.
23 – 27 July 2014, London Coliseum

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団とパリ・オペラ座バレエの来日公演

彩の国さいたま芸術劇場の小冊子「ダンス・プログラム2013-14」によると、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団が2014年3月に来日公演が決定したとあります。チケット発売は11月予定。

そして、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団の本拠地サイトには、ツアーの予定が記されていました。
http://www.pina-bausch.de/pina40/internationale-gastspiele.php

2014年3月20日、21日、22日、23日、さいたま芸術劇場で「コンタクトホーフ」とあります。映画「ピナ・バウシュと夢の教室」に出てきた「コンタクトホーフ」が観られるのは本当に嬉しいし、楽しみですね。


ところで、今日送られてきたチラシの中には、パリ・オペラ座バレエの来日公演「ドン・キホーテ」と「椿姫」がありました。日程は以下のとおりです。出演者、料金等の詳細は2013年9月頃発表とのこと。

「ドン・キホーテ」3月13日(木)6:30、14日(金)6:30、15日(土)1:30、6:30 16日(日)3:00
「椿姫」3月20日(木)6:30、21日(金・祝)1:30、22日(土)1:30、6:30、23日(日)3:00

「椿姫」と「コンタクトホーフ」は見事に重なっていますね。


ついでに、新国立劇場バレエ団の日程も重なっています。

新国立劇場バレエ団「シンフォニー・イン・3ムーヴメンツ」「大フーガ」ジェシカ・ラング新作
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/30000076_ballet.html
3月18日(火)7:00、3月19日(水)7:00、21日(金・祝)2:00、22日(土)2:00、23日(日)2:00

というわけで、今から皆さん、日程の調整は気をつけましょう!

2013/06/09

バットシェバ舞踊団の「Deca Dance」がARTEで視聴可

バットシェバ舞踊団の、オハッド・ナハリン振付作品集「Deca Dance」がARTE Live webで全編視聴することができます。

1990年以降のナハリンの代表的な作品を集めた作品集です。冒頭に登場するのは、ナハリンの作品の中でも最も有名な「マイナス16」の抜粋です。これは世界中で様々なバレエ団やカンパニーによって踊られていますが、何回観てもとても面白いですね。また、さいたまでも上演された「MAX」も観ることができます。

http://liveweb.arte.tv/fr/video/Ohad_Naharin_Batsheva_Dance_Company_Deca_Dance/





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